集中力は「短期・変化・強弱」で[中学受験]

中学受験

「苦手をなくせ」とか「楽しく学習」とは言うものの、どんな人にも苦手はあるし、やるのが嫌な科目はある。そういった学習に集中するためには、いくつかの工夫が必要である。

短期の目標を立てる

一つには「短期（ショートラン）」の目標を立てて次々に制覇し、達成感を持ち続けることで集中力を継続させる方法である。
たとえば「夏休み中にこの問題集を仕上げる」という目標を立てるよりも「1日に10問終わらせる」という目標のほうが、はるかに気が楽であろう。
結果としてやるべきことは同じであっても、一つひとつの目標をなるべく短くすることは精神的な負担を軽くするのである。
「この夏休みに」とか、「この1週間で」を「今日は」とか「この1時間で」に変えることで、「だから集中してがんばろう」という気もちになれるのであり、それを続けることで気が付いたら1週間集中して勉強していたことになるというわけだ。

「変化」をつける

次に「変化」をつける方法である。
「変化」とは気持ちを切り替えること、または環境を変えることである。
いくら楽しいことでも、長時間続けていくと苦痛を生じることになる。
長いこと同じことをやっていると、たとえ遊びであっても飽きてくるし、読書が好きな人でもつい読み方が雑になる（つまり集中力が低下する）ことになるのである。
その意味では何らかの「変化」をもつことが、集中力を持続させるためには必要になってくる。
1時間勉強したら5分休憩というのは、学習→休憩→学習という「オン・オフ」の変化であり、3時間算数を勉強したら次は社会を1時間半勉強するというのは「科目」の変化である。
ほかには「場所」の変化も考えられる。
つまり塾で勉強する時間と家で勉強する時間をもち、学習する内容も違えることで気持ちを切り替えるのである。
塾で勉強する場合でも、「授業」で勉強するとか「自習室」で勉強するといったバリエーションは可能であろうし、家でする場合でも「自分の部屋」で勉強するとか「リビング」で勉強するなどが可能であろう。
場所を変えることで「よしここで5問解くぞ!」という気もちになれば、随分と集中力を増すことが可能になるのだ。

強弱をつける

最後に「強弱」をつける方法である。
人によっては集中力が低下する、または上昇する時間帯があると思う。
よく言われるのが「朝型・夜型」という区分だが、ここまで極端ではなくても、午前中は爽快に学習できるとか夕飯のあとが落ち着くというのであれば、そこに集中力を必要とする学習をもっ
てくるというのは非常に有効な学習法であろう。
たとえば「計算練習」と「文章題演習」を比べた場合、計算練習は作業レベルで扱える学習であり、「文章題」は頭を使って解くことが要求される学習である。
このように頭を使う必要がある学習は、集中力が増加する時間帯に、計算演習・漢字演習などの作業や社会・理科の暗記ものは、その他の時間帯にもってくるのが良い。
あるいは、頭を使う学習と作業の学習を交互に組む方法もある。
難解な国語の問題を解いたあとは、やはり単純な計算演習をして頭をクールダウンしたいものである。
また学習をスタートする場合は、手軽なものから開始するのも良い。
フランス料理ではないが、突然メーンの料理がくるよりも、まずは前菜で食欲（つまり集中力）を増すことが大切なのである。
朝起きてからすぐに難解な算数の問題を解く計画をたててしまうと、つい嫌気がさして、勉強自体を開始することを延ばしてしまうことにもなる。
手軽な計算演習や暗記などを短時間行い、それからメーンの学習に移るほうが、一日の学習がスムーズに行くであろう。
このように「強弱」をつけた、メリハリのある学習も集中力を向上させる方法である。

以上のように、「短期」「変化」「強弱」を意識して学習計画を組むことで、集中力をより向上させることが可能になるのである。