「速さとダイヤグラム」の解き方[中学受験]算数の頻出問題

問題5
一郎(いちろう)君はA駅から12km離(はな)れたB駅まで自転車に乗って時速18kmの速さで行きました。A駅とB駅の間は1台の電車が常に一定の速度で往復しており、2つの駅での停車時間は同じです。下のグラフはその様子を表したものです。次の問いに答えなさい。

図

(1) 電車の速さは時速何kmですか。
(2) 電車の1回の停車時間は何分何秒間ですか。
(3) 一郎君がA駅からB駅に向かって走っている電車に追いつかれるのは、A駅から何kmのところですか。
また、それは一郎君がA駅を出発してから何分何秒後ですか。
(六甲中 2008年 後期)
<問題5 (1)の考え方と答え>
ダイヤグラムから、初めに出会う地点がわかれば電車の速さが求められますね。
一郎君の自転車の分速は、

18000 ÷ 60 = 300 m/分

出発して12分後に出会ったので、A駅から

300 × 12 = 3600(m)の地点

電車は、(12000−3600)mの距離を(12−5)分間で走っているので

8400 ÷ 7 = 1200 m /分

1200 × 60 = 72000 m / 時
(答え) 時速72km

どうして、分速から求めて時速に直すという、めんどうなことをやったのか?

最初、時速を基準にやっていたのですが、後半の問題で分数が
多くなり、計算が大変になったので、切りかえました。


そういう“とっさの判断”も大事だよ。


<問題5 (2)の考え方と答え>
電車の停止時間をつきとめるために、まずは、
一郎君が、電車と初めて出会って(12分)、次に追いつかれて、もう一度出会うまで(32分)の20分間に、電車はどれだけの距離(きょり)を進んでいるのか。図をかいて考えてみましょう。

図

図からわかるように、12分から32分の20分間に、「A駅とB駅の間の2倍の距離」から「自転車で走った距離」をひいた距離を電車が進んだことになります。

12000 × 2 − 300 ×(32 − 12)= 18000(m)

電車がこの距離を進むのにかかる時間は?

18000 ÷ 1200 = 15(分)

2回の停車をふくめて 20分 かかっているので、1回の停車時間は、

(20 − 15)÷ 2 = 2.5
(答え) 2分30秒間
<問題5 (3)の考え方と答え>
電車がA駅を出発するのは、一郎君がA駅を出発してから

5 + 12000 ÷ 1200 + 2.5 = 17.5 分後 ですね。

一郎君は、

300 × 17.5 = 5250m 先を行っています。

だから、電車が一郎君に追いつくのは、電車がA駅を出発してから

5250÷(1200−300)=35/6分後で、

A駅から 300×(17.5+35/6)=7000(m) のところ。

それは一郎君がA駅を出発してから何分何秒後かというと、

17.5+35/6=23と1/3(分)
(答え) 7km、23分20秒後


「速さとダイヤグラム」の基本は、

  1. 文章を正確に読み取り、ていねいにダイヤグラムや図に表す。
  2. わかった数値(すうち)を書きこんでいく。


ということですよ。



今回の5問をマスターできたら、他のダイヤグラムの問題にもチャレンジしてみてくださいね。

ミスター・ツカムでした。


プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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