英語のつまずきはアルファベットから!? -大人が気が付きにくい落とし穴-

小学校英語が教科として導入されて2年が経ちました。小学校英語で学校の先生が、重点的に行おうとされていることは、1位「話すこと」、2位「聞くこと」、3位「アルファベットの読み書き」です。小学校で英語を学習していれば、「アルファベットぐらいはできるようになっていて欲しい」というのは保護者の方の思いかもしれません。ところが実は、日本人の子どもが一からアルファベットを習得することはそれほど簡単なことではありません。
参考:小学校英語の授業やテスト、どんな内容? 成績評価で重視されるポイントは?

そこで、小学生への英語の文字指導を長く研究・実践されているアレン玉井光江先生(青山学院大学教授)が、英語の文字指導についてまとめられたものから、アルファベットのつまずきの内容や理由について考えたいと思います。

この記事のポイント

ローマ字とアルファベットは別のもの! その違いとは?

英語のアルファベット学習で大切なことは、26文字の形(大文字・小文字)とその名前(「エイ」「ビー」など)をしっかりと覚え、名前に含まれている英語の音によく慣れて、発音できるようになることです。小学校中学年の国語科でのローマ字学習では、英語のアルファベットの持つ音については学習しません。また、ローマ字にはアルファベット26文字中19文字しか出てきません。このようにアルファベットを学習することと、ローマ字を学習することは違いますので、ローマ字を学習しているから英語のアルファベットは大丈夫だと思わない方がよいと考えられます。

  • ローマ字に出てこないアルファベット(大文字・小文字)
  • C-c F-f J-j L-l Q-q V-v X-x

出典:英語のつまずきはアルファベットから!? 第1回 アルファベットって何?

小文字の習得には、大文字の3倍の時間がかかる?

アルファベットの学習の中では、大文字と比較して、小文字の習得に苦労している子どもが多いと言われます。アレン玉井先生は、その理由を以下のようにまとめられ、小文字の指導は大文字の指導より2から3倍の時間をかけて丁寧に行う必要があるとおっしゃっています。

1,文字の形に目立つ特徴が少ない

AHMOTUVWなど、大文字は左右対称のものが多く特徴がつかみやすいのに比べて、小文字は字が小さく、形に目立つところが少ないのでわかりにくいです。ですから子どもは、bとd 、pとqを混同したり、jやiの点を忘れたりすることが多いようです。

2,小文字の高さはさまざま

大文字はすべて4線の上3線に書けばいいのですが、小文字は文字によって、高さや書く場所が違います。3つのグループがあります。

①上に長いもの(4線の上3線に書くもの) bdfhkl ②下に突き出るもの(4線の下3線に書くもの) gjpqy ③上にも下にも出ないもの(4線の2線と3線の間に書くもの) aceimnorstuvwz

小文字の形がわかっていても、それらを正しく4線上に書けるかどうかは別なので、子ども達は次のような誤りもします。よくある間違い例を正しいものと一緒に紹介します。

pig よくある間違い pig 正しいもの

出典:英語のつまずきはアルファベットから!? 第2回 小文字って結構大変。

アルファベットに関する知識が単語の綴りや英語を読む力に影響することがさまざまな研究でわかってきています。また、英語を聞く・話すことでコミュニケーションの喜びを味わった小学生が、文字指導が始まって一気に英語嫌いになったという話や、アルファベットに不安を抱えたまま中学に入学してくる子どもが一定数いることも中学の先生から伺います。英語の文字との出会いをいい形でスタートさせるためにできることを考えてみました。

アルファベットでつまずかせないために、保護者の方がサポートできること

1,身の回りのアルファベットに興味を持つ(文字の形を見て慣れる)

子どもは日本語の文字を赤ちゃんの時から無意識にたくさん見て慣れた後、日本語の読み書きの学習を始めます。アルファベットも同じことで、まずはたくさんの文字を見て慣れておくことが、その後の学習の助けになります。身の回りにはアルファベットが溢れています。食品、洋服、テレビやインターネット動画、動物園・博物館の施設の看板など、生活の中で一緒にアルファベットを探してみてください。意外なところに潜んでいますので楽しいです。これは小学校で英語の学習を開始する前から始めてもよいことだと思います。

2,アルファベットの音にしっかり慣れる(文字の音をたくさん発音する)

ABCの歌を歌う時、実はABCDEFG以降をはっきり言えなかったり、アルファベットをうしろ(Z)から逆向きに読んだり、アルファベットの文字を単独で見たりすると、声に出して読めないことも結構あります。身の回りにアルファベットを見つけた時は、「何て読むのかな?」と一緒に発音してみてください。その時、英語の音として文字の名前を理解して、発音できるようになることが大切です。

3,書く練習では習得の難しい文字に時間をかける

小文字の学習のサポートが重要です。お子さんが英語で書いたものを見る機会があれば、大文字と形の違う小文字、間違いやすい小文字、小文字の高さの違いなどができているかよく見てみてください。

  • 大文字と小文字の形が違うアルファベット
  • A-a, B-b, D-d, E-e, F-f, G-g, H-h, I-i, J-j, K-k, L-l, M-m, N-n, Q-q, R-r, T-t, U-u, Y-y
  • 間違いやすい小文字
  • bとd 、pとqの混同
  • jやiの点忘れ
  • jの向きがひらがなの「し」と同じになる

大文字・小文字のすべての文字を同じように練習するのではなく、間違いやすい、または習得しにくいものに注意し、文字を書く時には「エイ」などと、必ず音を声に出しながら、何度も練習するように声かけしていってください。アルファベットを読んで書けるようになったら、学校の宿題などで出されるもの以外にも、お子さんが書いてみたい英単語や英文を、見本を見ながら書いてみることも促してみてください。楽しみながらアルファベットを習得し、読む・書くスキルも上げていくことができます。

プロフィール

加藤由美子

お子さまに関するお悩みを持つ
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