子どもを英語嫌いにさせないために

グローバル化が進む将来、英語を使う機会は、今より間違いなく増えていくでしょう。「わが子にしっかりとした英語力を身につけてほしい」と願う保護者のかたは、就学前のお子さまの英語学習について、どんなことを知っておけばいいのでしょうか。
『Worldwide Kids』・『ベネッセこども英語教室』などを展開する、株式会社ベネッセコーポレーション 英語商品開発部 教室LP開発課長の小池晴子氏にお話をうかがいました。


そもそも、英語学習の目的とは?

 英語を学習する本当の目的は、幼児でも中学生でも大人でも、「自分が伝えたいことを英語で伝えられる」ということです。幼児の段階の英語学習のメリットのひとつとして、「自分が伝えたいこと(思考)」と「言える英語の力」の乖離が比較的少ないことが挙げられます。

 

これが中学生や高校生の場合だと、本人の論理的思考力が年齢に応じて高まっているので、「伝えたいこと」がある程度、高度で複雑化になっています。一方で「言える英語の力(表現)は、まだそこまで高まっていないので、「言いたいことが言えなくてもどかしい」→「英語は難しい」→「英語は苦手だな」という苦手意識につながりやすいことがあります。

 

 

思考力と表現力が噛み合う学習方法

 幼児の場合、発達段階における興味・関心のレベルと、言える英語のレベルがあまり離れていません。たとえば「果物は何が好き?」→「リンゴ」とか、「何色が好き?」→「ピンク」とか、思考と言える英語の力が噛み合いやすいのです。興味があること、言いたいことを堂々と臆せず英語で言えること、これは学習において、かなりのメリットです。

 

本当に自分が言いたいことを言えると、おしゃべり自体を「楽しい」と感じるものです。ですから保護者のかたには、お子さまが好きなこと興味があることを中心に、英語に触れること・言ってみることを適切にサポートしてあげていただければと思います。

 

 

いくつになっても「英語を学びたい」と思う心を育てる

 小さいうちに「英語は嫌い」「苦手」という意識を持ってしまったために、大人になっても、英語コンプレックスがなかなか抜けないケースはよく見受けられます。でも、本当に必要なのは、冒頭で示したとおり、「自分が伝えたいことを英語で伝えられる」力です。英語を母語として用いる人たち(ネイティブ・スピーカー)とまったく同じように「ペラペラ」話すことが目的ではありません。一人ひとりのライフステージに応じた英語を、いくつになっても学びたいと思える心と、異なる文化や背景を持つ人ともしなやかにコミュニケーションできる力を育ててあげてほしいと思います。

 

 

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