くしゃみのあとの一言 第38回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

アメリカに来て驚いたのは「いただきます」「ごちそうさま」に該当するあいさつがない点だ。なんとなーく食べ始めるのである。
「あいさつもなしに食べるなんて信じられない!!」と私は憤慨し、「やっぱり日本のほうがいいなあ。帰りたいなあ」とまで思ったことさえあった。

ところが、アメリカにはあって日本にはない「あいさつ」もある。くしゃみをすると、誰でもそばにいた人が「Bless you.」と声をかけてくれるので、「Thank you.」と答えるのだ。
これは「God bless you.」の略で、神の祝福があなたにありますように、という意味なんだとか。

くしゃみをしたあとに「Bless you.」と声をかけてもらうと、なんとなく嬉しい。保育園の廊下を娘を歩いているとき、娘がくしゃみをすると、先生たちばかりでなく、すれ違う送り迎えのお父さんお母さんたちも「Bless you.」と声をかけてくれる。
教会の礼拝の最中に私がくしゃみをしたときなど、まわりにいる4、5人からいっせいに「Bless you.」と合唱(?)されたこともあった。
お店で買い物をしているときにくしゃみをしていて、近くにいた通りすがりの人に言われたこともある。
第38回  [Oh,my Gooodness!]くしゃみのあとの一言
そんなふうに、家の外でアメリカ人から「Bless you.」と言われるのには慣れていたのだが、ある日、家で私がくしゃみをしていたら、娘が「Bless you.」と声をかけてくれたのだ。「Thank you! あれっ、ちょっと、『Bless you.』って、どういう意味か知ってるの?」
「くしゃみした人がいたら、言ってあげるんだよ」
「保育園の先生とかお友達に言ってもらったことある?」
「あるよ」
「へえー……そんなことがあったの」

それからは、私たち親子は、くしゃみをすると「Bless you.」と言いあうようになったのだった。このフレーズは短いし、「L」の練習にもなるし、なにより言う側は楽しく、言われたほうは嬉しい。

今思えば、日本では、誰かがくしゃみをしても特に声をかける習慣がない。私自身「風邪なのかしら……アレルギー?」と思いながら黙っているのが普通だった。

でも、アメリカで「Bless you.」に慣れてくると、日本人同士、くしゃみのあとで沈黙しているのが居心地悪くなってきた。
そこで私は夫がくしゃみをしたときは「大丈夫?」と言ってあげることにした。娘にも「日本人に『Bless you.』って言ってもわからないから、『大丈夫?』って言ってあげてね」と教えている。

誰かがくしゃみをしたあとの「Bless you.」「Thank you.」は、とても簡単で楽しく、親子や家族で取り組みやすい英会話だ。「L」の発音練習も兼ねて、ぜひ試してみてほしい。

プロフィール



音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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