増える「コミュニティ・スクール」、なぜ必要? 公立の4割超えが導入

地域住民や保護者が学校運営に参加できる「コミュニティ・スクール」(学校運営協議会制度)を導入する公立学校が2022年度、過去最多の1万5,221校に上ったことが、文部科学省の調査で分かりました。新型コロナウイルス禍にも関係なく急速に増えており、全体の42.9%、小中学校段階に限れば48.6%と半数に迫ります。今なぜ、コミュニティ・スクールが必要とされているのでしょうか。

この記事のポイント

教委への努力義務化をきっかけに

コミュニティ・スクールは2004年、地方教育行政法の改正によって定められました。元々は地域や保護者から信頼される学校づくりを進めるため、学校運営の基本方針を承認したり、教員の人事などにも意見が述べられたりする、強力な制度として設計されました。実際には「学校の応援団」として機能しているところが多いようです。
制度化以降、自治体ぐるみの取り組みも広がり、設置数は少しずつ増えていきました。さらに2017年の法改正で、設置が教育委員会の努力義務とされると、2017年度に3,600校だったものが、5年後の2022年度には4倍以上になったわけです。

「地域学校協働活動」とセットで

コミュニティ・スクールはあくまで学校側の組織ですが、地域住民が学校と協働して、さまざまな活動を行う「地域学校協働活動」という制度もあります。こちらは、社会教育法によって定められました。NPOや企業、民間団体なども含め、「学校を核とした地域づくり」を行うものです。
活動を担う「地域学校協働本部」は2022年度、1万2,333本部(前年度比894本部増)となりました。カバーする公立学校数は57.9%を占め、小中段階では69.2%に上ります。
国は、第3期教育振興基本計画(2018~2022年度)に基づき、すべての小中学校区でコミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進することを目指しています。

「一体的推進」お互いにメリット

コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進が求められている背景には、学校側の事情と、地域側の事情があります。
学校は昔から地域と密接なつながりを持っていただけでなく、総合的な学習の時間をはじめとして、学習にも地域の協力が欠かせません。新しい学習指導要領が掲げる「社会に開かれた教育課程」のためにも重要です。
地域の側も、人々のつながりが希薄化したり、困難な立場にある人が増えたりするなか、地域課題の解決のためには、ますます地域コミュニティ(共同体)の役割が重要になっています。地域づくりのためにも、生涯学び続け、学んだ成果を活動に生かすことが期待されています。

まとめ & 実践 TIPS

近年、「学び直し」(リカレント教育)の必要性も指摘されています。大学など高度な学びに注目が集まっていますが、基盤となるのは、社会教育など地域に密着した学びです。学校と地域が一体となって「学びのコミュニティ」をつくり、持続可能な社会をつくっていきたいものです。

(筆者:渡辺 敦司)

地域と学校の連携・協働体制の実施・導入状況について(2022年度)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/10/1422294_00001.html

第11期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/toushin/1330378_00002.htm

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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