好きな映画で英語耳が育つ?リスニングの力が身につく映画の選び方

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「英語を楽しく勉強したい」「リスニング力を上げたい」、英語学習についてこのようなお声をよく耳にします。大学入学共通テストでリスニングが重視されるようになり、これまで以上に英語耳、英語を聞き取る力を育てる方法に注目が集まっています。
本記事では、映画を通して英語耳を育む方法や、英語耳を育てる映画の選び方をご紹介します。

この記事のポイント

映画で英語耳が育つ?

映画を通しての英語耳の育成は、一定の効果が期待できます。

例えば、小学校低学年のお子さまに英語音声に慣れ親しんで欲しいと思っても、音声だけではなかなか興味をもって聞き続けることは難しいです。しかし、映画は音声で話している状況を視覚的に把握しながら英語を聞きとることができるため、興味が持続しやすく、英語耳を育てるのに効果的です。

また、映画の場面展開を通して、教科書や参考書のきっちりとした英文とは一味違う、ネイティブの表現や言い回し、海外の文化を知ることにもつながります。生きた英語を知ることは、映画を使った英語学習の大きなメリットです。

そして何よりも、映画というコンテンツで「楽しく学べる」ことが最大のメリットであると言えます。英語に限らず、学習効果をアップする重要な要素は、興味関心をもつことにあります。映画のストーリー自体が気になる気持ちから、楽しみながら英語音声に触れることができます。

◆映画で英語耳を育てるメリット

  • ・楽しく興味をもって英語を聞き続けることができる
  • ・生きた英語を知る
  • ・楽しく学ぶことができる

英語を聞きとる力をアップさせる映画の選び方

では、実際に英語耳を育てるために、どのような映画を選んだらよいのでしょうか。以下で、具体的な方法について解説します。

自分の英語力よりやや易しめの映画を選ぶ

まず、初めての場合は、自分の英語力よりやや易しめの映画から始めることをおすすめします。
例えば、海外の子ども向けのアニメーション映画であっても、日本の学生が学習するのに適したレベルの英語が用いられています。また、一般的な映画と比べて発音や発声がよりしっかりしていることからもおすすめです。特に小学校低学年のお子さまは、画面の展開がわかりやすい映画のほうが飽きにくく興味が続くため、その点からも易しめの映画の視聴にはメリットがあります。

興味があるからといってレベルの高いものを視聴しても、いきなり難しいセリフばかりが出てきてしまい、内容が理解できないと、途中で視聴することがつらくなり、断念してしまうことも少なくありません。
そのため、まずは自分が勉強しているレベルの英語がよく出てくるような、簡単で短めの映画から視聴してみましょう。簡単でも面白い映画はたくさんありますし、継続することでだんだんと難しい映画にも挑戦できるようになっていきます。

話を知っている映画や、日本映画を英語音声に変更して視聴する

既に視聴したことのある、話を知っている映画を英語音声で視聴することもおすすめです。初見の映画ですと、どうしても話の内容を理解するために画面の展開を追ってしまい、英文の聞きとりの優先度が落ちてしまいます。話を知っている映画を視聴することで、「この場面のセリフを理解しよう」と、英文の聞きとりに注力した視聴が可能です。

また、あまり洋画を視聴したことがなく知っている話がない、という方は邦画を活用しての学習もおすすめです。
邦画で英語学習、と聞くと不思議に思われるかもしれませんが、多くの日本映画は英語圏の方向けに音声を英語に設定することが可能です。そのため、邦画であっても「英語音声+英語字幕」に設定することができ、英語学習に活用することが可能です。

  • ・自分の英語力よりやや易しめの映画を選ぶ
  • ・話を知っている映画や、日本映画を英語音声に変更して視聴する

英語耳を育てる映画の見方 3つのポイント

最後に、実際に英語耳を育てる映画の見方を3つのポイントにまとめました。以下で1つずつ解説します。

英語音声+英語字幕で視聴する

映画で英語音声を聞きとる際は、英語音声だけでなく「英語字幕」の設定も行いましょう。映画はどんどんと話が進んでいきますので、「今なんて言ったんだろう?」と思った際にはもう次のセリフや場面になっている、ということも少なくありません。

英語字幕を設定することで、「今何を言っているのか」を視覚的にも理解することができ、同じ単語であっても場面や感情の起伏によってニュアンスに違いがあることにも気がつけます。

また、字幕にはセリフだけでなく映画内に出てくる看板・地名・ポスターの内容も表示されるなど、さまざまな補足情報も記載されています。後述しますシャドーイングやディクテーションの答えを確認する際にも便利ですので、基本的には英語字幕をオンにして視聴をするとよいでしょう。

まだアルファベットやスペリングがわからないお子さまに、画面に集中して視聴してもらいたい場合には英語字幕を表示しなくても問題ありません。

好きな登場人物と一緒にフレーズを口ずさむ

英語耳を育てるにあたっては、シャドーイング、すなわち「聞きとった英文を実際に言ってみる」ことも大変効果的です。

しかし、映画はさまざまな登場人物が口々にセリフを話すため、すべてのセリフを口に出すことは難しいです。そこで、好きな登場人物やキャラクターのセリフだけを聞きとりながら一緒に言ってみることをおすすめします。

1人のセリフであれば負荷が少ないですし、まるで自分も映画に参加しているような気分になり、より楽しみながら視聴することが可能です。会話表現やリアクションも自然と学べるため、非常におすすめの学習方法です。

中高生ならディクテーションもおすすめ

また、中高生のお子さまには映画をディクテーションに活用する方法もおすすめです。ディクテーションとは「聞きとった英文をそのまま書く」というリスニングのトレーニングです。

実際にやってみるとよくわかりますが、短縮形やリンキング(語と語のつながり)によってうまく聞きとれない箇所が出てきます。ディクテーションを通して知ったこの“聞きとりにくいポイント”こそが、自身のリスニングの課題となっている部分だとわかります。

ネイティブのスピードですと書くのが追いつかない…という場合には、再生速度を0.75倍や0.5倍に設定した上でディクテーションに挑戦することも効果的です。

  • ・英語音声+英語字幕で視聴する
  • ・好きな登場人物と一緒にフレーズを口ずさむ
  • ・中高生ならディクテーションもおすすめ

まとめ & 実践 TIPS

いかがでしたか? 普段から親しんでいる映画も、少し視点を変えると英語学習教材として活用することが可能です。生きた英語を楽しく学べ、かつ英語耳を育むことができる映画を活用した英語学習に、ぜひチャレンジしてみてください。

株式会社プランディット 英語課 堀内
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの英語の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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