返戻率が高い学資保険は? 2022年おすすめ5選 徹底比較 本当に教育資金の準備に有利なの?

ひと昔前は、子どもが生まれると悩むことなく学資保険に加入したものです。他の手段に比べて、有利な条件で教育資金をためられたからです。
ところが、超低金利時代に入り、度重なる予定利率の引き下げが発生したことから、学資保険の貯蓄性は低下しています。その結果、最近では学資保険に加入するか否かを悩むご家庭が増えているのです。
そこで今回は、学資保険は加入したほうがよい保険なのか、別の手段で教育資金をためたほうが有利なのかなど、学資保険をさまざまな角度から見ていきます。

この記事のポイント

学資保険に加入するメリットは?

学資保険に加入すると、大学時代の学費を計画的に準備できます。また親に万が一のことがあった場合、その後の保険料は免除になるうえ、学資金は加入時の約束通りに受け取れます。保険料が免除になる点は、金融商品とは異なる「保険」の持つ特性といえます。

学資保険へは、お子さんが小さくて、塾代や学費がかからないうちに加入します。お子さんが幼いころは、家計に余裕がある時期なので、その時期から保険料を家計に組み込んで、コツコツと保険料を払っていくことで、大学時代の学費の一部を計画的に準備できます。

子どもと親の両方が被保険者(保険の対象者)になるため、前述のとおり、親が亡くなったり、高度障害状態になったりした場合には、それ以降の保険料支払いは免除されたうえで、契約時に約束した学資金が受け取れます。ちなみに、子どもが亡くなった場合は、それまで支払った保険料相当額が払い戻されます。

さらに税金面でも、学資保険は有利な仕組みになっています。
学資保険で増えた利益相当分(その年に受け取った学資金からその年の保険料を引いた金額)は、一時所得に該当します。一時所得は、1年間に発生した利益相当分が50万円を超えなければ、非課税ですみます。
最近の学資保険で、支払保険料と受け取れる学資金に50万円の利益が生じるケースはほとんどありません。保険料よりも増えた学資金の利益分には課税されず、まるまる学資金が受け取れるのも学資保険のメリットです。

学資保険に加入するデメリットは?

学資保険のデメリットは、長い期間保険料が固定されるうえ、途中で解約をすると、払った保険料よりも解約返戻金が下回るケースが多くなっていること。
さらに加入可能年齢が低いことも、デメリットに挙げられるかもしれません。

6歳や7歳などまで加入できる学資保険はあるものの、実際には0~1歳までに加入しないと、「貯蓄性」は望めなくなります。加入年齢が遅くなるほど、貯蓄性は下がりますので、加入のタイミングが短いことも、学資保険のデメリットと言えるかもしれません。

いったん加入すると、増額や減額などの見直しが難しい点も、デメリットといえるでしょうか。
投資商品などは、ネットで簡単に投資額や積立額を変えられるのに対し、学資保険では、保険料などを変更する手続きは、面倒なものになります。しかし、面倒だという事実を視点を変えてみると、長く払い続けるしかない=最後まで払い終えられたという行動パターンにつながる人も多くなっています。

もうひとつ。加入時の注意点にも触れておきましょう。
学資保険に加入したいと思って保険会社や保険代理店に連絡すると、営業職員やライフプランナーから連絡が入り、加入プランの説明が行われます。
その際、多くのケースで親の保険の見直しをすすめられます。学資保険は、販売する側にとって利益が少ない商品なので、学資保険だけに加入するのは、保険会社にとっては、あまり好ましいことではないからです。
中には親の保険の加入とセットでないと、学資保険への加入ができないと言われるケースもあります。親の保険の加入や見直しを希望していない場合は、その旨をきちんと伝えるようにしてください。

大学時代に分割して学資金を受け取れる学資保険が主流に

さて、ここからは学資保険の商品性について説明します。
少し前までの学資保険は、18歳や20歳、あるいは22歳まで保険料を支払うと、満期を迎えた時点で200万円や300万円などの満期学資金がまとめて受け取れるタイプが主流でした。
ところが最近では、満期学資金を一括で受け取れるタイプの学資保険は減っており、大学時代に分割して学資金を受け取れるタイプの学資保険が主流になっています。
具体的には、18歳から(17歳からの商品もあります)4年間、あるいは5年間に分けて、毎年学資金を受け取れる仕組みになっているのです。

300万円の学資金を準備する場合の加入例
少し前まで主流だった学資保険

日本生命「ニッセイの学資保険」月払い2万3,320円

明治安田生命「つみたて学資」月払い2万3,640円

ソニー生命「学資保険」月払い2万3,682円

図のように、以前、主流だったタイプであれば、大学の入学時期にまとまった学資金が受け取れました。まとまった金額の学資金を受け取れると、入学時期に必要な学費や施設費、入学費用を満期学資金だけで支払うことができました。

これに対して現在主流の学資保険では、入学前に受け取れる学資金は数十万円になるのが一般的です。そのため、学資保険だけでは入学時の納入金に足りません。入学時に支払う納入金については、学資保険に加えて、ためておいた児童手当やその他の貯蓄も活用する必要があります。

入学時期に受け取れる学資金は少なくなった代わりに、大学2、3、4年生のときも継続して学資金が受け取れるのは、商品性が変わったことによる大きなメリットです。
たとえば私立大学では、毎年、学費や施設費、通学費用などで百万円を超える納入金が必要です。入学時期に百万円単位の学資金が受け取れない代わりに、毎年、数十万円の学資金がもらえることで、在学中に支払う納入金の助けになってくれます。

ちなみに学資保険の中には、小学校、中学校、高校などの、大学以前に学資金が受け取れるタイプもあります。
それぞれの入学時期に合わせて学資金が受け取れる仕組みですが、大学時代に集中して学資金を受け取れるタイプに比べると返戻率が下がるので、おすすめはできません。
学資保険の加入プランを考える際は、大学時代のみ学資金をもらえるタイプを選択しましょう。

子どもの教育費は平均でいくらかかる?

学資保険は大学時代の教育費を準備するために加入する保険なので、次は大学時代にかかる教育費をご紹介します。引用するのは、独立行政法人日本学生支援機構が隔年で発表している「2020年度学生生活調査」です。

学生生活調査によると、国立大学に通うお子さんの教育費は、学費のほかに通学費や課外活動費などを含めると、年間で59万2,000円。単純に4倍すると、4年間では236万8,000円になります。これに28万円程度の入学費用を加算すると、約265万円が国立大学に通うお子さんに4年間でかかる教育費になります。

私立大学に通うお子さんの場合、1年間にかかる教育費等は131万700円。こちらも4倍すると、4年間で524万2,800円ほどかかる計算です。私立大学にかかる入学金の平均額(※)は、24万5,951円ですので、約549万円が私立大学に通うお子さんの4年間にかかる教育費になります。学生数でいえば、私立大学生のほうが圧倒的に多いので、私立大学に通わせるという前提で、教育費の準備計画を立てるのが順当といえます。
※「2021年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」(文部科学省)より

学資保険の選び方のポイント

さて次は、学資保険の選び方をご紹介しましょう。選ぶポイントは、返戻率のよい学資保険を見つけること。また前述のように、0歳から1歳までに加入することです。
図でご紹介している通り、0歳での加入なら返戻率が105%を超える学資保険を見つけられます。ちなみに返戻率とは、受け取れる学資金の総額を、支払う保険料総額で割って算出した数字を指します。

お子さんが2歳以上になられている場合は、支払う保険料と受け取れる学資金の割合を計算してみてください。返戻率が100%を超えていれば加入も検討できますが、100%を割り込む学資保険もあるので、100%を割り込んだら、加入する意味がありません。その場合は、学資保険以外の手段で教育資金をためましょう。

おすすめ学資保険5選

学資保険に加入する際の最大のポイントは、どの保険会社の学資保険を選ぶか、ということです。予定利率が下がっているため、少しでも返戻率の高い学資保険を選ぶことが大切です。間違った選択をしてしまうと、最後まで保険料を払い終えたとしても、受け取れる学資金の合計額が下回るケースもあります。

そこで、おすすめ学資保険5商品をご紹介します。その5つとは、日本生命「ニッセイ学資保険」、明治安田生命「つみたて学資」、ソニー生命「学資保険」、フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」、JA共済「こども共済」です。
学資保険への加入を検討されているご家庭では、まずこの5社の返戻率を比較してみることをおすすめします。次は、5社の学資保険の特徴を簡単に取り上げます。

・日本生命「ニッセイ学資保険」

17歳、あるいは18歳から、5年間学資金を受け取ります。第1回の学資金の支払いは、第2回から第5回までの2倍になるという、入学時期の学資金を手厚くした仕組みになっています。

・明治安田生命「つみたて学資」

18歳から4回に分けて学資金を受け取れます。学資金額は4年間、同じ金額になっています。

・ソニー生命「学資保険」

大学入学前の17歳、あるいは18歳から、5回に分けて学資金を受け取ります。17歳からになるか、18歳からになるかは、加入時期や誕生日によって異なりますが、学資金額は5年間とも同じ金額になっています。

・フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」

18歳と22歳のときに2回に分けて、学資金を受け取ります。18歳と22歳で受け取る学資金は同じ金額になっています。

・JA共済「こども共済」

17歳、あるいは18歳から5年間、学資金を受け取ります。学資金額は5年間、同じ金額になっています。

※上記はいずれも、大学時代に学資金を受け取るタイプの商品内容の説明で、他のプランを扱う会社もあります。

学資保険に加入するなら、短期払いの選択がおすすめ

学資保険に加入する際に、商品選びに加えてもうひとつ重要なのは、保険料の支払い年数を「できるだけ短くする」こと。

たとえば日本生命「ニッセイ学資保険」は、保険料の払い込み期間(年齢)を5年、10年、17歳、18歳のいずれかから選択できます。
保険料の払い込み期間が短いほど、返戻率はアップします。預かった保険料を、運用する時間が長くとれるからです。
そのため日本生命「ニッセイ学資保険」であれば、最短の払い込み期間である5年を選択すると、返戻率が最も高くなります。

払い込み終了年齢の選択肢は、以下のとおりです。

明治安田生命「つみたて学資」:10歳と15歳
ソニー生命「学資保険」:10歳、17歳、18歳
フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」:11歳、14歳、17歳
JA共済の「こども共済」:11、12、14、15、17、18歳(大学プランの場合)

プランによって、選べる払込終了年齢は異なりますが、どの会社の学資保険に入るとしても、できるだけ短い期間で保険料の払い込みを終えるのが、学資保険の返戻率を有利にするポイントといえるでしょう。

学資保険をベースに、運用は上乗せ部分と考える

学資保険の予定利率が下がっているため、学資保険には入らずに、運用だけで教育資金をためようとするご家庭も増えています。
しかし、運用商品だけで教育資金の準備をするのはリスクが伴います。お子さんの学費の支払いが必要なときに、換金したいと思える相場になっている保証はありません。
例を挙げると、2022年2月から3月にかけては、株式相場が下がったために、予定していた運用商品の換金はあきらめて、預金を解約して入学時期の納入金を支払ったご家庭もあります。この例のように、投資したときより時価が下がってしまえば換金をためらい、慌てて他の手段で支払うことになりかねないのです。

運用商品を利用するのは、教育資金の上乗せ部分の準備手段と考えたほうが安全です。
教育資金づくりのベースは、学資保険への加入と児童手当の貯蓄で、リスクを取らず確実にためていきましょう。
学資保険の学資金が合計で200万~300万円になるように加入し、児童手当にも手を付けずにためていけば、リスクを取らずに大学時代に必要となる学費を準備することができます。

まとめ & 実践 TIPS

低金利の今でも、預貯金に比べて貯蓄性では有利な商品を選べるのが学資保険です。
少しでも返戻率の高い商品を選んで、できるだけ短い期間で保険料の払い込みを終えれば、お子さんに教育資金がかかるようになる前に、大学時代の教育費の基礎固めができます。
学資保険への加入を検討されているかたは、複数の会社の学資保険の返戻率を比較してみましょう。
返戻率の有利な学資保険は、サイト上にシミュレーション機能を載せている会社が多くなっているからです。1社に絞ったら、保険料の払込期間の違いで返戻率が変わることも、ご自身でシミュレーションをして確認してみることをおすすめします。

畠中雅子

畠中雅子

大学時代よりフリーライター活動をはじめ、マネーライターを経て、1992年にファイナンシャルプランナーになる。新聞・雑誌などに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。著書は、「ラクに楽しくお金を貯めている私の『貯金簿』」(ぱる出版)ほか、70冊を超える。

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

この記事はいかがでしたか?

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A