コーチングのプロに聞く 自分で考えて行動できる子が育つ家庭とは

「自分で考えて行動できる子になってほしい」と願うおうちのかたは多いですが、現実はなかなかそうはいかないもの。どうすれば、子どもが自分から動けるようになるのでしょうか。コーチングのプロの石川尚子さんに、自分で考えて行動できる子になるために、親は何をすべきかをお伺いしました。

この記事のポイント

【おうちのかたのお悩み】
Q.自分で考えて行動してもらいたいのですが、黙っていたら、子どもがいつまでたっても自分から動きません。たとえば勉強でも、しびれを切らしてこっちが「宿題やったの?」と声をかけると、「今やろうと思ったのに!」「言われたからやる気がなくなった!」などと言われ、結局やらずに困っています。どうしたら、自分から考えて行動できるようになりますか? 

石川先生:ご家庭でよくあるお話ですよね。
「勉強しなさい」
「早くしなさい」
「集中しなさい」……など。

つい先回りしておうちのかたがこういった言葉を使っていませんか?
実は、こういった言葉はあまりおすすめできません。
言えば言うほど逆効果ですし、言われないと動けない子になってしまうからです。また、言われるとだんだん反発心を感じるようにもなっていきます。大事なのは、自分で考えるという習慣です。そのために親は「質問」をしてあげるといいと思います。

自分の意志で選ぶことが、自分で考えることにつながる

「今日は何をしたい?」
「今日は何を着ていく?」
「今日はどこへ行きたい?」……など。 

子どもに質問して、子ども自身が「自分の意志で選ぶ」という体験がとても大切です。こういった体験が習慣化することで、「自分でまず考える」、「自分で選ぶ」という感覚が育っていきます。また、質問をしても子どもから答えが返ってこない場合や、すぐに行動変容が見られない場合も、あきらめずに質問を投げかけることで、次第に自分で考えて行動できる子どもになっていきます。

おうちのかたはどうしても、
「あれをしなさい」
「これはどうなの?」
といった言葉を投げがちですが、そういった言葉だと、自分で考える習慣がつかなくなってしまいます。
たとえば、本人が勉強する時間を決めたならば、その時間まで待つ、見守ることも大事です。もし、その時間からスタートできないのであれば、声をかけてあげてもいいと思います。

その時の声かけは、
「いつからやるの?」
「早くやりなさい」などではなく、
「19時になったね」ぐらいでいいと思います。

言葉だけで子どもを動かそうとすると、それは子どもにも伝わります。子どもには、考えるきっかけになる言葉ぐらいでいいのです。

「親も一緒に」行動することが大事

小学校低学年の勉強であれば、「親が一緒にやる」というのも効果的です。
それは勉強をみてあげるとかでなくてもいいと思います。「お母さんもやるから、一緒にやろう」といった感じで、おうちのかたも一緒に机に向かうのです。やること自体は読書でも、趣味や仕事の段取りを考えるなどでもいいですね。一緒に机に向かうことで、習慣がつきやすいかなと思います。1日の流れの中、行動の中に勉強も入ってくると、高学年になったら言わなくてもそのサイクルに自分から入っていけるようになります。

できたことにスポットライトを当てよう

どうしても我が子のことになると、「あれもできていない」「これもできていない」と、できていないことにスポットライトを当ててしまいがちですが、できたことにスポットライトを当てるほうがいいと思います。たとえ今できていなかったとしても、できていた時もあるはず。できていた時は「当たり前」とスルーしがちですが、できていた時こそ見逃さず、認めてあげることが大事です。

ダメ出しよりも、応援する言葉、一緒に喜んであげる言葉などをたくさんかけてあげることで、子どもの行動はきっと変わります。

親は先回りせずに、自分で考えるようにサポートしよう

子どもはどうしたいと思っているか、それを親子で日常的に話し合えるといいですね。「こういうことがやりたい」と子ども自身が考えると、「じゃあ、こういったことをやったほうがいいかな」などと、子どもは勝手に気付いていきます。そこで、親は先回りせずに、自分で考えるようにサポートすることがとても大事です。
また、10歳ぐらいまでは自分の気分を優先しがちなので、子どもの気分を乗せるような声かけもよいでしょう。「大丈夫!」「できるできる!」など、大げさに言ってもいいと思います。10歳を超えてくると、客観的思考も育ってくるので、自分が相手からどう見えているか、相手がどういう意図で話しているか、理屈で考えだすところがあります。そうすると、論理的に言ってあげたほうが納得する場合も出てきます。そういった時は、昨日これをこの時間でできたから、今日はこれもすぐできちゃうよね、とか。また、「内発的動機付け」といって、子どもの内側からわいてくる、ワクワクするような、これができたら最高! みたいな感覚につながる声かけができるとすばらしいと思います。そのためには、目の前の話だけでなく、少し先の話、たとえば大人になったらとか、これができるようになったらどんないいことがあるかな、とか。そういった話を親子のコミュニケーションの中でできるとよいですね。
子どものやる気が出ない時、下がった時などは、子どもの気持ちを聞いてあげるとよいでしょう。
子どもの「できない」という言葉には、「そうなんだ」と、「受容」してあげるだけでいいと思います。「残念だったね」とか、「もっとがんばりなさい」でもなく、プラスでもマイナスでもなく、受け止めてあげるだけでいいのです。
親は先回りせず、ジャッジもしないでいいと思います。そうすることで、自分で考える、自分で自分の気持ちと向き合えるようになっていきます。

まとめ & 実践 TIPS

子ども自身が自分で選ぶ体験を積み重ねること、また、子どもの気持ちをそのまま受け止めてあげることで、子ども自身が自分と向き合い、自分で考えて行動できる力が育つようです。

プロフィール

石川尚子

石川尚子

国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。著書『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

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