家にある本の冊数が学力に影響 国語以外の教科でも正答率が高い理由とは

2021年度の全国学力・学習状況調査で、家にある本の冊数が多いほど、教科の平均正答率が高くなる傾向にあることが明らかになりました。家庭の年収が学力に影響することは、これまで同調査の追加分析などで明らかにされてきました。
なぜ、本の冊数が成績に影響するのでしょうか。単に読解力が上がった、ということだけではなさそうです。

この記事のポイント

国語だけでなく算数・数学も

全国学力・学習状況調査では毎年、国語や算数・数学の出題とは別に、学校や児童生徒を対象にした質問紙調査(アンケート)を行っています。児童生徒には例年、平日1日当たりの読書時間を尋ねているのですが、これに加えて今回は「あなたの家には、およそどれくらい本がありますか(雑誌、新聞、教科書は除く)」と尋ねました。

小学6年生の状況を見ると、「0~10冊」が11.0%、「11~25冊」が18.8%、「26~100冊」が33.6%、「101~200冊」が19.3%、「201~500冊」が12.2%、「501冊以上」が5.0%となっており、中学3年生も同様の傾向でした。

教科の平均正答率との関係を見ると、国語に限らず、算数・数学でも、冊数が増えるほど、平均正答率が上がっていく傾向が現れました。
例えば小学校算数で「0~10冊」の児童の平均正答率は58.7%にとどまりましたが、最も高かった「201~500冊」では77.4%と、20ポイント近い差が開いています。

家庭環境が学力に影響

今回尋ねた冊数は、必ずしも児童生徒が持っている本とは限りません。家庭環境という側面から、学力との関係を尋ねようとしたからです。同様の調査は、経済協力開発機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査」(PISA)でも行われています。
学力をめぐる研究では、保護者の学歴や、旅行に出かける経験などを尋ねる調査も、よく行われています。「文化資本」と呼ばれるもので、家庭の雰囲気や、日常的な経験が、学力を左右しているというものです。
もちろん、経済格差が文化資本の格差につながっている、という側面もあるでしょう。いずれにしても、児童生徒自身には責任がないものです。

格差を乗り越えるために

しかし経済格差や文化資本の差は、乗り越えられないものではありません。
例えば、家に本がなくても、図書館で借りることができます。保護者が本を読む姿勢を小さい時から見せていれば、子どもも自然と本好きになることでしょう。
本やニュース、テレビ番組の内容などについて、親子で会話することも重要です。世の中のさまざまなことに興味・関心が広がり、ひいては勉強への意欲にもつながるからです。こうした会話の豊かさも、文化資本の一部です。

まとめ & 実践 TIPS

学力格差を縮小するには、まずは学校に努力してもらうことが第一です。全国学力・学習状況調査は、そのために行っているものです。
一方で、家庭や地域でも、できることはたくさんあります。その手立てを探るのも、同調査の大切な役割なのです。
児童生徒を誰一人取り残さず、将来、社会で活躍できる学力を付けさせるよう、学校と協力していきたいものです。

2021年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料(国立教育政策研究所ホームページ)
https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/index.html

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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