【専門家】 1-2年生で習う間違えやすい漢字とは?画数が多い字や、反復練習がニガテな場合はどうすればいい?
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漢字ノートを前になかなか宿題を進められない……1-2年生のお子さまにそんな様子が見られたら、漢字にニガテを感じ始めているサインかもしれません。
習ったばかりのころのように、楽しく漢字学習に取り組むには、ご家庭でどんなサポートをしたらよいか、「進研ゼミ小学講座」の「赤ペン先生」がご紹介します。
1-2年生が間違えやすい漢字とは?
1年生で習う漢字の特徴と、間違えやすいポイント
1年生で習う漢字は、80字。身のまわりのものが多いのが特徴です。「木」「人」「山」「川」など、ものの形がそのまま漢字になった象形文字を多く学びます。
一方で、一つの漢字で複数の読みがある漢字に出合った時に、難しく感じることがあります。
間違えやすいポイント
・送り仮名で読み方が変わるもの:
「生」 生きる、生まれる
「下」 下りる、下る
・複数の読み方があるもの:
「足(あし)」は読めても「足す(たす)」が読めない、書けない
2年生で習う漢字の特徴と、間違えやすいポイント
2年生になると、学習する漢字の数が1年生の倍の160字に増えます。
また、「半」「自」など、音だけでは意味がとらえにくい、より抽象的な漢字も増えてくるのが特徴です。
間違えやすいポイント
・抽象的な漢字:「半」「自」など、意味がイメージしにくい漢字が増える
・送り仮名:「晴れる(はれる)」など、送り仮名とセットで覚えるものが増加
・画数の多い漢字:「曜」など、複雑な漢字の書き取りが出てくる
1-2年生に漢字の学習を楽しんでもらうヒケツ
習う字の画数が増えるにつれ、何度も書いたり、覚えたりすることを面倒に思うお子さまが多くなるかと思います。
本来、新しい字を「書ける」のは子どもたちにとってうれしいこと。その喜びを思い出せるようにサポートすることが、漢字に苦手意識を感じさせないヒケツではないかと思います。
1.まずは、ほめる。
おうちのかたがお子さまの漢字ノートやテストなどを見た時に、やはり気になるのは正解した字より、間違えている字かもしれません。でも「先に」間違いを指摘してしまうと、あとからいくらほめてもお子さまには響きません。
お子さまとしては、正解の字も間違えた字も、同じくらいがんばって書いたわけですから、とにかくまずは一言、ほめましょう。
ほめ方にはコツがあります。「このハネ、元気があっていいねー」「この横棒、どうしたらこんなにまっすぐ書けるの?」 など、字の「部分」を「ここがいい!」と具体的に伝えるのです。
小さながんばりを認められたお子さまは、「難しくても書いてみよう」という気持ちになれると思います。
2.間違えた字は一緒にゆっくり書いてみる。
間違えた字の、間違えた箇所だけを指摘するのではなく、お子さまと一緒に、その字を大きくゆっくり書いてみましょう。お手本を見ながら、「書き順はこうだね」「ここは上より下が長いね」「横棒は二本だね」などと言い合いながら書きます。間違えやすい字ほど、この方法がおすすめです。
ゆっくりていねいに書くと、お子さまはびっくりするくらいきれいな字を書けますよ。その字をほめることで、ていねいによく見て書くといいことがある、とお子さまは感じるでしょう。
3.漢字を「見る」機会を増やす。
日常の中で、お子さまの体験と漢字とが結び付く機会を意識的につくってみましょう。
お買い物の時に商品名やポップを読んだり、散歩しながら道路標識や看板を読んだり。身のまわりの物を漢字でいくつ書けるか競争するのも楽しそうです。
絵本ではなく、低学年向きの児童書をお子さまに読み聞かせしてもらうのもいいですね。まだ習っていない字があっても、「見る」ことが今後の予習になります。
こんな時はどうしたら? 1-2年生の保護者のかたからのQ&A
Q. 画数の多い字をなかなか覚えられません。
A. お子さまがその字をしっかり「読めて」いれば、「書く」のは何度も何度も間違えながら、確実にゆっくり覚えていけばいいと思います。お子さまと一緒に、その字を書いてみたり、生活の中で使ってみたりして応援しましょう。
Q. 反復練習が苦手なようで、すぐに集中力がなくなってしまいます。
A. 漢字ノートの小さな枠におさまるように何度も書かなければいけないのは、忍耐が必要な作業ですね。集中力が切れてきたな、と感じたら、いったん休憩にするか、別の宿題をするよう声かけをしてみるといいかもしれません。
習った字を、大きく、ゆっくり、とめはねや長短に気を付けながら書いてから宿題に取りかかるのも一つの方法です。ていねいに書くと、正しくきれいな字を書けることに気付くことで、反復練習もそれほど苦でなくなるかもしれません。
Q. 私自身、書き順や正しい字形を覚えていないので、漢字を教える自信がないです。
A. 書き順や正しい字形はお子さまと一緒に確認するのがいいと思います。「教える」のではなく、「一緒に」読んだり、書いたりしましょう。保護者のかたと、時々そんな時間を持つだけで、お子さまはきっと漢字学習を「楽しい」と思えるようになりますよ。
まとめ & 実践 TIPS
1-2年生の漢字学習は、これから学ぶすべての教科の読解の基礎となります。
保護者のかたとの関わりが深いこの時期には、「ほめること」がとても効果的です。
「こんな雑な字をほめて大丈夫かな?」と心配なさらず、「難しい字を書こうとしていること自体がすごい!」と考え、どんどんほめてあげましょう。
間違えた字は一緒に書いて字形を確かめ、生活の中で漢字に目が行くような声かけをする。そんなサポートが、お子さまに漢字学習を楽しんでもらうヒケツになるかと思います。
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