高校の授業におけるICTとは? 教育での活用と高校生が学ぶICT

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近年大きな発展を続けているICT。これを教育に活用しようという取り組みが日本でも進んでいます。

高等学校の場合、さまざまな科目でICT教育が導入されるとともに、高校生自身もICTの学習が必修となる見込み。“ICT教育”と“ICTの教育”が始まるのです。

この記事のポイント

ICT×教育には“ICT教育”と“ICTの教育”がある

ICTとはInformation and Communication Technology(情報通信技術)のこと。「IT」とほぼ同義ですが、より厳密にいえばITはコンピュータなどの情報技術を指し、ICTはその活用(インターネットの活用、データの収集・蓄積、データの分析と活用など)を指すとされています。

これからの社会では、生産性の向上や物理的距離にとらわれない働き方・人間関係づくりのためにICT活用が不可欠。文部科学省も「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018(平成30)~2022年度)」を公表するなど、ICT×教育に本格的に取り組み始めました。教育現場のICT化は一般に“ICT教育”と呼ばれています。

一方で、新学習指導要領では高校生に対するICT教育も重視されています。

文科省の調査に見るICT教育の具体例

“ICT教育”は、教師や生徒がICTを使ってそれぞれの科目の学習を進める取り組み。タブレットで教科書を閲覧したり音声を聞いたり、家庭学習課題に取り組んで専用メールで提出したりするなどをイメージすると分かりやすいかもしれません。

ICT教育の具体例については、文科省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」の「教員のICT活用指導力の状況」も参考になります。

<「教員のICT活用指導力の状況」から見えるICT教育の例(要約・一部)>

● 生徒の作品・レポート・ワークシートなどをデータとして記録・整理し、評価に活用する
● 反復学習や生徒一人ひとりに合った課題への取り組みに、学習ソフトウェアを活用する
● グループでの話し合いやレポートなどの制作にコンピュータやソフトウェアを活用する
● 情報社会への参画にあたり、情報リテラシーを向上させる

新学習指導要領における高等学校の情報教育

一方、“ICTの教育”は情報科の科目での教育。高等学校の新学習指導要領では、情報教育として「情報Ⅰ」を新設するとしています。

「情報Ⅰ」は必修科目ですので、全ての高校生が以下の基礎的部分を学習しなければなりません。
● プログラミング
● ネットワーク(情報セキュリティを含む)
● データベース(データ活用)

とはいえ、他の科目でもタブレットやPCを活用した学習を行いますので、“ICTの教育”は“ICT教育”の一部に組み込まれてもいます。「情報Ⅰ」で学習した内容を他の科目で実際に使いながら、ICTの知識やスキルを伸ばしていくことになるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

ICT教育では、生徒の実際の活動や成績に基づいた指導や授業を行えますし、生徒にとっても習熟度に応じた学習をしやすくなります。

一方、ICTの教育では、高校生が情報通信機器の使い方や情報リテラシー自体を学ぶ「情報Ⅰ」が新設されます。

2つの方向性を通してICTを適切かつ効果的に利用する方法を学び、大学や職場で活用できるICTスキルを高めていきましょう。


出典:
令和2年版 情報通信白書|総務省(pp.107〜108)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/index.html

学校におけるICT環境の整備について(教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018(平成30)~2022年度))|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1402835.htm

高等学校学習指導要領の改訂のポイント|文科省
https://www.mext.go.jp/content/1421692_2.pdf

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