家庭学習を習慣化する「3点固定」とは?学校生活にスムーズに戻れるように

長期休暇中はふだんに比べると、つい朝寝坊したり、夜更かししたりしがちですよね。「休みだからのんびりしたい」という気持ちもわかりますが、休み明けの学校生活にスムーズに戻っていくためにも、ぜひ取り組んでほしいのが「3点固定」という生活習慣です。


起床時間、家庭学習開始時間、就寝時間を固定する

 「3点固定」とは、1日のスケジュールのうち、起床時間、家庭学習開始時間、就寝時間の3つの時間を毎日固定する(同じ時刻にする)という、生活習慣の考え方です。中学校や高校の中には、新入生に対して「規則正しい生活を、3点固定で実現させましょう」と呼びかけているところもあります。

 

なぜ、起床時間、家庭学習開始時間、就寝時間の3つの時間を固定するとよいのでしょうか。起床時間と就寝時間を固定するのは、健康的な生活の土台である睡眠時間を確保するためです。これは3つの時間の中で特に重要なものです。そして、家庭学習開始時間を固定することは、毎日、家で勉強することを習慣化するためです。

 

家庭学習開始時間が決まっていないと、「もう少しテレビを見てから」「友だちへのメールを書き終わってから」と勉強を後回しにしがちです。そして結局、「もう夜が遅いし、疲れたから勉強はやめよう」「明日やればいいや」と勉強しないまま寝てしまうことになります。休みだからと言って、勉強しない日がずるずると続かないように、家庭学習開始時間を決めることが大切です。

 

「勉強開始の時間を決めなくちゃいけないのはわかったけど、勉強終了時間は決めなくていいの?」と思った人もいるでしょう。もちろん、何時まで勉強する、と4つめの固定時間を決めても構いません。ただ、休み中とはいえ、勉強以外にも、運動したり、趣味の活動に熱中したりして、思ったほど勉強できない日もあるでしょう。だから、「勉強終了時間」はあえて決めず、気分がのった日はたくさん勉強して、疲れているときは早めに切り上げるようにします。

 

疲れて集中力が落ちているのに無理に机に向かって漫然と勉強時間だけを積み重ねてもあまり意味はありません。ただし、疲れていても決まった時間に勉強を開始し、できるところまでがんばってみることが大切なのです。

 

 

自分をコントロールする力を身につけよう

 3点固定する起床時間、家庭学習開始時間、就寝時間はいずれも「1日の中で自分の意思で時間を決めることができる」ものです。朝起きる時間、夜寝る時間は、自分自身が「この時間にしよう!」と決めて実行できるものです。勉強開始時間もそうです。一方で、食事の時間やお風呂の時間などは、家族の都合などもあって、必ずしも自分の思うようには固定できないかもしれません。

 

自分で決められる時間を固定し、生活を規則正しくすることは、自分自身をコントロールする力の育成につながります。自分自身をコントロールする力は、この先の受験勉強はもちろん、社会人になって仕事に取り組むようになったときも欠かせない、とても重要な能力です。ふだんよりも自由な時間が多くなる長期休暇中だからこそ、3点固定を通じて自分をコントロールする力を身につけておくことは、この先、自分にとって大きな武器となるのです。

 

休み明けの学習は、これまでに比べると内容がさらに高度になり、授業のスピードも速くなることでしょう。自分の得意や苦手などを見極めて、今の自分に必要な勉強を考え、定期テストなどに向けて学習計画を立てて実行するためには、自分をコントロールする力が欠かせません。いま、起床時間、家庭学習開始時間、就寝時間の3つの固定が実現できれば、休み明けの勉強もずいぶん楽になるはずです。ぜひ挑戦してみてください!

 

 

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