ICT教育の導入で学校の授業はどう変わっていく？　今さら聞けないICTの基本

ICT教育が話題になってしばらく経ちますが、「子どもたちの周りにどんな変化があるのかよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。

ICTを教育現場で活用する目的や授業がどんな風に変わっているのかについて紹介します。

プリントだけよりもわかりやすい？ICT教育のメリット

ICT教育とは、コンピューターやインターネットを活用しながら行う授業のことです。

「パソコンで作っておいた複雑な図形を教室の黒板と生徒のタブレットで共有する」「授業ではできない実験を動画で閲覧する」といった活用方法があり、プリントと板書だけの授業よりもわかりやすく、効率的な授業を実施できることが期待されています。

国がICT教育を推進する理由とは

国がICTを活用した教育を推進する理由は、大きく分けて2つあります。
一つ目は児童生徒の情報活用能力を育成するためです。今の児童生徒は、生まれたときからスマホやインターネットがある世代ですが、インターネットやパソコン・スマホの仕組みや使いこなし方についての知識は浅いです。その点をカバーするのが目的です。

二つ目は、教科の学習目標を達成するためです。映像や音楽、図の共有をすることで理解しやすい授業を行うことができます。また、先生は授業で使う教材を、ICTを活用して収集することもでき、授業準備の効率化をはかれます。よりわかりやすい教材を用意し、理解を促すことで教科の学習目標を達成することが期待されているのです。

どんな風に活用されているか具体例を見てみよう

文部科学省の「初等中等教育における学習指導でのICT活用」には、小学校から中学校までのICT活用例が教科別に紹介されています。

たとえば、小中学校の算数・数学では、「プロジェクタや実物投影機等を活用して、教科書の問題文を拡大提示し、学習のねらいを確実につかませるようにする」となっており、教科の学習内容や目的をつかみやすいように工夫することを予定しています。

大阪府の小学校のＩＣＴ活用事例では、小学校の算数の九九の授業でプレゼンテーションソフトを使った九九のフラッシュカードを使用しており、プロジェクタに子供たちの視線を集中させながら授業を行っていました。