小中高で進む教育の「ICT化」、こんな授業をしているって知っていました?

 小中高を問わず、教育のICT化が進んでいます。自治体によってICT化の進展には差がありますが、先生が電子黒板を使って動画や画像などを提示したり、子どもがタブレットを操作したりする姿は、もはや珍しい光景ではなくなりました。ICT化によって、いったい、どんな学びが実現しようとしているのでしょうか。

教育のICT化によって授業はどう変わる?

 学校に導入されつつあるICT機器には、電子黒板、実物投影機、タブレット、プロジェクターなどがあります。こうした機器を活用することで、授業の何が変わるのでしょうか。例えば、紙の教科書が電子教科書になったり、気軽に動画などのデジタルコンテンツを見せられるようになるといった変化をイメージするのではないでしょうか。

確かにそうした変化もありますが、単にアナログがデジタルに置き換わるといった単純な話ではありません。ICT機器を用いることで、学びのプロセスや子どもに育つ力が大きく変わろうとしているのです。

1人1台のタブレットを活用した授業の狙いとは?

 例えば、こんな授業が展開されています。

小学校の国語の授業で一人ずつ俳句をつくることになりました。子どもが自分の作品をタブレットに入力すると、全員のタブレットから見られる共有画面にどんどんアップされていきます。国語があまり得意ではない子どもも、友だちがアップした作品を見て、「こんな季語もあるのか」「○○さんみたいにシンプルに考えてみよう」などとヒントを得ることができます。

先にアップした子どもも友だちの作品を見て、「こうしたらもっとよくなるぞ」と、自分の作品を進化させていけます。先生は手元のタブレットでクラスの状況をチェックし、なかなか完成させられない子どもの指導に集中します。授業の最後に、先生は全員の作品を一覧し、他の子どもに参考にしてほしい発想をした数人を指名して、俳句に込めた思いを発表してもらっています。

これが従来の授業なら、最後に挙手をした数人が発表して終わりというケースが多かったでしょう。授業後、教室に作品を貼るなどしない限りは、全員の作品を共有できません。それがタブレットを用いて共有することで、俳句をつくっている段階で子どもの発想がぶつかり合い、お互いに学び合ったり、高め合ったりする場が自然に生まれています。恐らく最終的な作品の質は、従来の授業の進め方に比べて、かなり高くなるでしょう。

挙手をして発表するのが得意ではない子どもも、タブレットを介して考えを共有するやり方なら、プレッシャーを感じずに学び合いに参加できます。また、「他の人に見てもらいたい」という気持ちは学習をがんばる大きなモチベーションとなります。普段、勉強に集中しづらい子どもも、「皆に見られるから自分もがんばろう」という気持ちになり、前向きに取り組みやすくなる効果も期待できます。

最新のテクノロジーを活用し、これまでにない学びを生み出す

 タブレットで子どもどうしが意見や作品などをリアルタイムに共有できる学習ソフトウェア「ミライシード」は、ベネッセが開発したものです。現在、全国の学校に急速に普及が進んでいます。

「ミライシード」を用いた実際の授業には、こんな例もあります。山間地域のある小規模校では、子どもたちが地域外の人とコミュニケーションをとる機会が少なく、表現をするのが苦手という課題がありました。そこで地域外の他校の子どもたちとタブレットを介してリアルタイムで話し合いをする授業を実施したところ、普段とは異なる発想が飛び交って深い学習に発展しました。

このように最新のテクノロジーを活用してこれまでにない学びを生み出し、これからの時代に求められる力を効果的に伸ばしていくことが、教育のICT化の狙いなのです。

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