逆上がりや開脚跳び、小学生のうちに身につけておきたい「運動」とは?

小学校の体育で必ずやる逆上がりや開脚跳び…など、不得手な子どもも多い運動です。社会に出てからおよそ役立ちそうもない運動ですが、どうしてこれが必須なのか。逆上がりや開脚跳びがもたらす効果とは? やることで子どもが得るものはなんなのでしょうか。大阪青山大学健康科学部子ども教育学科准教授の村田トオル先生にうかがいました。


できないとついあきらめてしまいがち…

 体育の授業は、できるようになったことや記録の伸びが自分にも周りの友達にもはっきりとわかる教科です。それだけに子どもたちも夢中になって取り組んだり、「できるようになりたい」という思いを抱きます。

 

小学校の授業で取り上げられることが多い、逆上がりや開脚跳び、前転・後転。得意な子どもにとっては、先生の指示があれば簡単にできるようになります。しかし、不得意な子どもにとっては、指示があってもコツをつかむのがむずかしいもの。いつの間にかできるようになることをあきらめがちです。

 

最初は公園の鉄棒で、また部屋に布団を敷いて子どもができるようになるまで練習に付き合います。でも、なかなかできなくて、そのうち「まあ、できなくてもいいか」と思う保護者も出てくるでしょう。そもそも、逆上がりや開脚跳びなどは、生きていくうえで絶対に必要なのでしょうか?

 

 

やっておけばいざというときの力になる人生の基礎力

 足し算や引き算、掛け算、割り算。国語の文章力や読解力。社会で習う世の中の仕組みなど、将来必要であろう知識であれば、子どもが苦手なら「なんとしてでも得意にならなければ!」と力が入ります。

 

しかし日常生活の中で、逆上がりや開脚跳び、前転そのものをする機会はほとんどありません。でも、自分の身を守るために高い木の上に登ったり、助走をつけて壁をよじ登ったり、大きなけがを避けるために体を丸くして転がったりすることが、長い生涯の中で絶対にないとは言い切れませんよね。

 

つまり身を守るための「いざというとき」の非日常動作が、そこには含まれているのです。これは人生の基礎力なのです。

 

 

体育の授業で学ぶのは危機回避能力

 逆上がりで頭が下、足が上、開脚跳びで跳んだ瞬間に開脚する、また前転・後転で体を丸めてスムーズに回る。いずれも非日常動作です。でも、いざという行動を起こすときや、とっさの場合の体の使い方に直結しているのです。しかしながら、非日常動作はあくまで普段はしない動作です。とはいえ身につけておかなければ、とっさのときに動くことができません。何かの機会で身につけたり、体験しておくことが求められます。それが体育の授業なのです。ようするに、体育で学ぶことは、危険回避能力を学ぶ場でもあるのです。

 

ただ危機回避能力を学ぼうと言っても、到達目標が明確ではないため、様々な技の名称がつけられているのです。子どもが達成感を味わうのにも効果的なのは、目標をつくること。達成感の積み重ねが自信となり、それがやがて何事にも挑戦する意欲につながるのです。つまり「やる気」ですね。

 

「逆上がりや開脚跳びなど、なぜできなくてはいけないの?」と思わず、ほかの教科の不得手なもの同様、力を入れてあげたいですね。危機回避だけでなく、「できた!」という達成感が子どもを育ててくれるはずです。

 

 

プロフィール

村田トオル

大阪青山大学健康科学部子ども教育学科 准教授。幼年期における運動遊びが社会的心理におよぼす効果や親子体操が養育態度に与える効果を研究。
また、NPO法人日本健康運動指導士会兵庫県支部長、第26期西宮市スポーツ推進審議委員、日本体育協会スポーツ医科学専門委員会メンバー、一般社団法人 日本親子体操協会 参与を務める。

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