育児に浸透する情報端末 幼児の約4割がスマホなど利用

スマートフォン(スマホ)の普及など、子どもにおける情報化の進展には目を見張るものがあります。総務省の調査結果によると、0~1歳児の約10%、4~6歳児の約40%がスマホなどの情報通信端末機器を利用していることがわかりました。急速な情報化は、既に幼児の段階から始まっているようです。

調査は2015(平成27)年3月、0歳から小学生までの子どもを持つ保護者のうち、スマホ・携帯電話・タブレット型端末などの情報通信端末を、一回でも子どもが利用したことがあるという1,750人から、ウェブアンケート方式で回答を集めました。それによると、保護者が子どもに見せたり使わせたりした場合も含めて、スマホなどの情報通信端末を利用している子どもの割合は、0歳児が10.5%、2歳児が31.4%、4歳児が41.4%、6歳児が43.9%などで、0歳児の約1割、2~3歳児の約3割、4~6歳児の約4割が利用していました。
調査対象が子どもに情報通信端末を使わせたことがある保護者であることに留意する必要がありますが、それを割り引いても現在の子どもたちの多くは、幼児期からスマホなどに触れているといえそうです。さらにこの割合は、小1~3では51.8%、小4~6では68.7%に跳ね上がります。

子どもがよく利用する機能・アプリは、「動画閲覧」が全体を通じて6~7割程度と最も多く、次いで未就学児は「写真閲覧」と「ゲーム」、小学生は「ゲーム」となっています。このほか、「知育アプリ」も0~3歳児が39.6%、4~6歳児が36.7%で、乳幼児の段階から利用する保護者が多いことがうかがえます。
スマホなどに触れさせる理由は、未就学児の場合、家事などで「保護者の手が離せないとき」が58.7%、保護者や兄弟姉妹などと「遊ぶとき」が53.1%、「外出しているとき(待ち時間や移動時間)」が42.9%で、保護者の都合というケースも少なくないようです。

これに対して、保護者が楽をしたいため、スマホなどを子どもに預けているという批判も出そうです。実際、未就学児の保護者の6割が「心身への影響が不安」と回答しながらも、半数以上が「保護者の手を煩(わずら)わせない時間ができた」「子どもの機嫌が良くなった(泣き止む、笑顔になる)」などを情報通信端末の利点として挙げています。一方で、子どもが「学習ができた、対象への関心が高まった、検索するようになった、深く知りたがるようになった」という割合も、0~3歳児で34.8%、4~6歳児で45.8%、小1~3で48.5%、小4~6で57.0%ありました。

スマホなどの利用時間や利用内容などについてルールを決めている保護者の割合も、0~3歳児で約6割、4歳児以上で約8割となっています。このほか、子どもの将来にとって情報通信端末が使えるようになることが必要という保護者は80.6%に上っています。
もちろん保護者の都合で未就学児に安易にスマホを利用させることは決して推奨できませんが、急速な情報化の進展の中で育児などについても情報通信端末の利用が浸透しつつあると見るべきなのかもしれません。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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