幼児がスマホを使いたがる 大丈夫!?【専門家に聞く第1回目】
- 育児・子育て
コロナで在宅を余儀なくされ、お子さんにスマートフォン(スマホ)やタブレットを触らせる機会が増えたというおうちのかたが増えています。忙しい時には助かる反面、小さいお子さんの場合は発達への影響が気になりますよね。そこで、幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている、愛知淑徳大学の佐藤朝美先生にお話を伺いました。デジタルがもたらすメリット・デメリットや注意点について、全10回のテーマに分けてお届けします。今回のテーマは、最近幼児の間でも増えている「スマホ依存」についてです。
この記事のポイント
増えています!幼児の「スマホ依存」
「家事の合間にだけ見せていたのに常に欲しがるようになってしまった」「一度触り始めたら注意してもやめない」など、ご家庭内で身に覚えがあるかたも多いのではないでしょうか? 今や「スマホ依存」は大人だけの問題ではありません。コロナ渦でお子さんが家の中にいる時間が長くなっている今は、より意識していく必要があります。
下記のチェック項目は、スマホの依存傾向を確認する手がかりになります。お子さんに当てはめてチェックしてみてください。
乳幼児向け【スマホ利用時の確認項目】
- ・すぐにスマートフォンを使いたがる
- ・必要もないのに、いつまでもだらだらスマートフォンをいじっている
- ・やめようね、と言ってもスマートフォンをやめない
- ・スマートフォンを取り上げると機嫌が悪くなる
- ・決めた時間以上にスマートフォンをいじってやめられない
- ・スマートフォンに夢中で約束をやぶったり、食事をとらなかったりすることがある
- ・スマートフォンをしていたのに、していなかったフリをすることがある
- ・時間つぶしのためにスマートフォンをいじっている
※出典:橋元良明(2019)育児と ICT—乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス 東京大学大学院情報学環情報学研究 (35), 53-103
いかがでしたか? お子さんに当てはまる項目が多い場合は、スマホの利用方法を少し見直してみることをおすすめします。
スマホ依存をやめさせるには?
まずは、スマホから離れて家族や親子間で遊ぶ時間をできるだけ多くもつようにしましょう。その上で、どうしてもスマホで遊びたがる場合は、スクリーンタイム(デジタルデバイスに接触する時間のこと)のスケジュールをお子さんと一緒に決めてください。また、その際はおうちのかたも隣にいて一緒に使うようにしましょう。おうちのかたの手が離せない時や、一人で使用して欲しい場面もあるとは思いますが、スマホはあくまでも親子の遊び時間を豊かにする玩具のひとつだと捉えてみてください。お子さんの成長に合わせて、スクリーンタイムについて親子で考え、コントロールできるようになるといいですね。
親の使い方も見直してみましょう
おうちのかたのスマホの使い方が、お子さんに影響を与えている可能性もあります。目の前にスマホがあると子どもは触りたくなってしまうので、使っていない時はなるべく目のつかない場所に置くとよいでしょう。また、たとえばお子さんに話しかけられているのに、スマホが気になって無視してしまうことはありませんか? 急いでメールの返事をしなければいけない時、大至急調べたいことがある時など、お子さんの要求にすぐに応えられないこともありますよね。そんな時はせめて「ちょっと待ってね」と目を見ながら一言伝えるようにしましょう。スマホを使用していても、お子さんのことを気にかけていると態度で示すことが大切です。
まとめ & 実践 TIPS
忙しいおうちのかたにとって、スマホは育児の助けになってくれる大変便利な道具です。子どもを楽しませてくれる優良なコンテンツもたくさんあります。しかし、その楽しさゆえに依存してしまいやすいのも事実。<時間を決める><親子で一緒に使う><目の前に置いておかない>などの工夫で、お子さんが一人で延々と使用するような状況はできるだけ回避するようにしましょう。
しかし、スマホ依存を過度に心配する必要はありません。お子さんが一日の中で十分な睡眠を取り、外遊びや親子の時間が充実しているのであれば、多少スマホを使いたがっても心配はありません。バランスよく利用していけるといいですね。
- 育児・子育て