【地球少年に聞く2】虫が教えてくれた、人生にとって大切なこと
近頃ネットで「昆虫4万匹と暮らし、昆虫食の研究や自然と触れ合う啓蒙活動をしている」「昆虫を生で食べる」と話題を集めている、1994年生まれの慶應大学生・篠原祐太氏。そのほかにも、学生支援関連事業に携わった経験をもつなどアクティブに活動している。「勉強を極めよう」と思い立ち、全国模試で1位になったこともあるという、今注目すべき大学生・篠原祐太氏に、昆虫、自然から学んだことについてお話を伺いました。
ウガンダ、ケニア、タンザニア……。動画を見たり本で読んできたサファリに行きたい
今いちばん夢中になっているのは、昆虫食よりもさらに幅を広げた「自然とどう触れ合って生きていくのか」というところです。具体的には、自給自足生活みたいなこともやってみたり、あとは自然の中で川下りして遊んだりといった、総合的に自然を楽しむようなことです。
今まではそうしたことを日本の中でだけやっていたので、今後は海外でやりたいなとも思っています。 そこで、この春にはサファリがあるようなところに行ってみたいと思います。ウガンダ、ケニア、タンザニアなど東アフリカ諸国ですね(篠原氏は取材後、これらの国へ)。これまでサファリについては動画を見たり本で読んできたけど、本当にそんな世界があるのかと、いまだに信じ切れない部分もあるんです。だからアフリカの自然や生き物、昆虫食、現地の人の暮らしも含めて見てきたいと思っています。
昆虫が教えてくれる「命のサイクル」。命の儚さや尊さを学んだ
昆虫から学べることはたくさんあります。僕もこれまでの人生で色々なことを学んできたつもりですけど、その中でもたくさんの大事なことを昆虫から学んできたと思っています。
とくに命に関わることです。虫にせよ人間にせよ命ある生き物です。虫を飼って一緒に住んでいても、死んでしまうんですね。「昨日まであんなに元気に動きまわっていたのに死んじゃうんだ」と、すごいショックで受け入れられないこともあります。でも、僕ら人間だって虫のようにいつ死んじゃうか分からないですよね。そういう命の儚さや尊さを身を持って学ぶことができます。それと同じように虫が交尾して卵を生む瞬間というのもすごく好きで。「新しい命ってこういうふうに生まれるんだ」というのを、僕は幼稚園の頃から漠然と理解できていたと思います。虫が重なりあって、やがて小さい赤ちゃんが生まれて、そしてまた大きくなっていくという「命のサイクル」を、虫ならすぐに見ることができるんです。
そして虫もこちらがやさしく接するとなついてきたり、意思疎通に近いことができたりするんです。そうしたことから、どんな相手でも、自分の接し方次第で相手の態度が変わるんだということも学ぶことができました。どれもその頃にそう思っていたわけではありませんが、結果的に今振り返ってみると、虫から教えてもらったなと思いますし、どれも生きていくうえで大切なことばかりですよね。