高校生の6割が1日2時間以上スマホでネット 保護者と異なる実態も
高校生の約9割がスマートフォン(スマホ)を所有し、そのうち6割以上が1日2時間以上インターネットを利用していることが内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」でわかりました。一方、保護者の3割以上がやはり1日2時間以上インターネットを利用しているものの、ネット利用の機器や内容は子どもたちと異なる部分が多いようです。
調査は2014(平成26)年11~12月、10歳から17歳までの青少年5,000人(回答者3,441人、68.8%)とその保護者5,000人(同3,637人、72.7%)を対象に、主に調査員による面接聴取や個別訪問配布・回収の方式で実施しました。
まず、情報機器の所有率とそれによるインターネットの利用率を見ると、スマホは小学生が11.7%(ネット利用率は9.1%)、中学生が37.3%(同36.3%)、高校生が89.1%(同86.8%)、携帯電話は小10.8%(同2.2%)、中16.7%(同5.0%)、高5.1%(同2.9%)となっています。このほか所有率が高いのは携帯ゲーム機で、小55.7%(同24.9%)、中42.6%(同19.0%)、高31.7%(同11.0%)と、小学生の約4分の1が携帯ゲーム機を使ってネットを利用しています。一方、保護者について見ると、所有率はスマホが69.5%(同68.1%)、ノー トパソコンが50.2%(同46.0%)、携帯電話が30.7%(同14.2%)、デスクトップパソコンが26.1%(同24.1%)などで、スマホに次いでパソコンが主要ツールとなっています。
スマホを持っている子どものうち1日2時間以上ネットを利用している者は、小18.4%、中49.3%、高63.3%と学年が上がるにつれて多くなります。特に高校生の11.4%が1日5時間以上もスマホでネットに接続しています。機器別の1日当たりの平均ネット利用時間は、スマホが小63.0分、中123.4分、高154.6分、携帯電話が小25.6分、中49.6分、高67.6分など。また保護者で1日2時間以上ネットを利用している者は全体の32.1%。機器別の1日当たりの平均ネット利用時間は、スマホが80.0分、デスクトップパソコンが59.0分、ノートパソコンが43.1分、携帯電話が26.0分などとなっています。子どもも保護者もスマホによるネット利用の時間が、ほかの機器に比べてはるかに長いことがわかります。
ネットの利用内容を見ると、高校生はコミュニケーションが89.6%、動画視聴が78.3%、音楽視聴が76.4%、中学生は動画視聴が68.8%、ゲームが68.7%、音楽視聴が65.2%、小学生はゲームが73.8%、動画視聴が53.7%、情報検索が48.4%など。これに対して保護者は、情報検索が87.3%、コミュニケーションが86.1%、ニュースが71.3%、地図・ナビゲーションが69.3%などで、子どもたちと利用の仕方が異なります。
また子どものスマホについて保護者の83.9%が何らかの取り組みをしていると回答していますが、具体的中身は「子供のネット利用状況を把握している」34.1%、「大人の目の届く範囲で使わせている」が26.0%などでした。保護者自身がネットや情報機器を理解していると思っていても、実際は子どもたちの実態とはかけ離れているのかもしれません。より具体的に子どもたちの実情を知る必要がありそうです。