温泉療法専門医が教える! 健康な体をつくる入浴法 【後編】Q&A形式で学ぶ正しいお風呂の入り方

毎日お風呂に入っているご家庭が多いと思いますが、正しい入浴法について教えてもらったことがあるかたは意外に少ないはず。そこで、前回に引き続き、温泉療法専門医であり、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授の早坂信哉先生に入浴に関する疑問についてお答えいただきました。

Q1.体を洗うのと、お風呂に入るのはどちらが先でしょうか?

A1.お風呂で温まったあとのほうが汚れはよく落ちる
一度、お風呂で温まったあとのほうが、毛穴が開き、皮膚の汚れが落ちやすくなります。しかし、冬場で肌の乾燥が気になる場合は、お風呂に入ったあとだと余分に皮脂を落としてしまう可能性もあるので、先に体を洗ってから湯船に入ってもよいでしょう。ちなみに、体を洗う際は、ナイロンのボディータオルなどで強くごしごしと体をこするのは肌によくありません。せっけんを泡立てたら手で優しく肌をなでるだけで十分きれいになります。

Q2.入浴剤は使ってもよいでしょうか?

A2.「医薬部外品」「浴用化粧品」の入浴剤は積極的に使ってOK!
入浴剤を入れるとお子さまが喜ぶ場合は、積極的に使ってよいと思います。入浴剤には、お風呂の効果を高めるものがあり、特に冬には保温効果・保湿効果のあるものがおすすめです。入浴剤は、大きく分けて「医薬部外品」「浴用化粧品」、そして「雑貨」の3つがあります。「医薬部外品」「浴用化粧品」は、「薬事法」によって、その成分がしっかり規制されていますので、お子さまが使用しても安心です。入浴剤本来の効果を狙うのであれば表示をしっかりと確認し、「雑貨」扱いのものは避けるようにしましょう。

Q3.小さな子どもも温泉に入ってもよいでしょうか?

A3.酸性・アルカリ性の温泉は避けましょう!
小学生以下のお子さまは、事前に温泉の泉質を調べて、酸性・アルカリ性の温泉の場合は、やめたほうがよいでしょう。泉質によっては、目に入ったりするとしみることがあるからです。また、お風呂では、保護者が入浴中、目を離した隙に溺れるなどの事故が起きる可能性もあります。小学校低学年以下のお子さまを連れて温泉に行く場合は、たとえ保護者が体を洗っている数分だとしてもそばから離れさせず、お子さまだけで入浴させないようにしましょう。これは自宅でも同じことです。どうしてもという場合、たとえば我が家では親が洗髪している間などちょっとでも目を離す時、子どもが溺れていないか確認できるように、子どもに歌を歌わせておくようにしています。

Q4.うちの子は、運動部に所属して疲れているので、練習後シャワーで済ませてしまっています。お風呂に入らせたほうがよいでしょうか?

A4.疲れの回復にはお風呂に入ったほうが効果アリ
筋肉疲労や疲れの回復には、入浴のほうが効果的です。ぬるめのお湯で体を温め、血流をよくして疲労物質を押し流したり、筋線維の損傷の回復を促したりすることで改善につながります。ただ、激しく筋肉を動かした運動直後は筋肉が熱を持って炎症を起こしているため、1時間程度置いてからの入浴が効果的です。

Q5.今年、受験のため、夜遅くまで勉強しています。勉強前と勉強後、どちらにお風呂に入らせたらよいでしょうか?

A5.もっと勉強したい場合は熱めのお湯、もう寝たいならぬるめのお湯に
時間帯は、お子さまのタイプにもよると思いますが、お風呂に入ってリフレッシュして、もう2~3時間勉強したいという場合は、熱めのお湯に短時間入るのをおすすめします。一方、勉強を終え、もう寝たいという場合は、ぬるめのお湯につかってリラックスすることをおすすめします。お風呂に入ると成績がよくなるという調査はまだありませんが、血液が温まると酸素を運ぶ能力が高まるため、そういう点でいえば、頭の回転がよくなるという可能性はあるので、シャワーよりもお風呂がおすすめです。

Q6.風邪の場合はお風呂に入るのは控えるべきなのでしょうか?

A6.37度で機嫌もよいようであれば入ってもよいでしょう
ある小児科の先生の研究では、風邪をひいた子どもが、お風呂に入っても入らなくても、風邪の治りは変わらなかったそうです。微熱程度で元気であれば、お風呂に入ってさっぱりしたほうが、気持ちがよいのではないでしょうか。ただし、湯上がり時の湯冷めには気を付けましょう。あまり熱が高いときは、避けたほうがよいでしょう。

Q7.子どもは朝風呂派です。健康に問題はないでしょうか?

A7.朝風呂でも問題ナシ! 熱めのお湯がおすすめ
特に問題はありませんが、朝風呂であれば熱めのお湯に短時間入ると交感神経が高ぶり、興奮状態になるので、スッキリする効果があるでしょう。ただ、リラックスしたいという場合は夜寝る前がおすすめです。

◆早坂先生からのメッセージ◆
お風呂は、親子でスキンシップを図るためのとてもよい時間です。日中は忙しくてなかなか遊んであげられない保護者のかたも、遊んだり、おしゃべりしたりしながら、お子さまとしっかり向き合い愛情を注ぐことができます。また、お風呂に入りながら皮膚に疾患がないかなど、お子さまの健康状態をチェックすることができます。親子で一緒に入れる時期は限られていますので、ぜひ一緒に楽しんでほしいですね。


プロフィール


早坂信哉

自治医科大学大学院医学研究科修了、博士(医学)。浜松医科大学医学部講師、准教授などを経て現職。温泉療法専門医。『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(角川フォレスタ)など著書多数。「世界一受けたい授業」などにも出演。

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