<伸びるための学習法シリーズ>成績の分かれ道は学習のやり方にあり!

お子さまの学習について、勉強時間が長ければ安心と感じていませんか? 
しかし、小学4年生から6年生の平均勉強時間と成績の関係を調査したところ、勉強時間は平均より短いけれど成績が上位の「効率的に勉強する子」がいるのに対し、勉強時間が平均より長いにもかかわらず成績が上がらない「努力が報われていない子」が一定人数いることがわかりました。
では、短い勉強時間でも理解を深めるにはどうしたらよいのでしょうか。今回は、成績につながる学習のしかたを探ります。
(文/大島佳子 写真提供/absodels RF /amanaimages )

「努力が報われていない子」と「効率的に勉強する子」は、学習方法に違いがあった!

図1をご覧ください。

このグラフは、「努力が報われていない子」と「効率的に勉強する子」それぞれに該当する子供たちがどのように学習しているのか、学習方法ごとに「よくある」「ときどきある」と回答した子の割合を示したものです。
この結果から、特に注目していただきたい点について、教育に関する調査・研究を行うベネッセ教育総合研究所の中垣に聞きました。

<注目ポイント>

1.
・「重要なところはどこかを考えて勉強する】(8.1ポイント差)
・「何がわかっていないのか確かめながら勉強する】(10.3ポイント差)
「重要なところはどこかを考えて勉強する」をご覧ください。「効率的に勉強する子」は
「よくある」「ときどきある」の合計が65.7%に対し、「努力が報われていない子」では57.6%と、差が出ています。また、【何がわかっていないのか確かめながら勉強する】という子の割合は、「効率的に勉強する子」では67.2%で、「努力が報われていない子」を10.3ポイント上回っています。
ここから「効率的に勉強する子」の多くが、重要なところや自分が理解できていないところを意識した学習をしていることがわかります。
2.
・【テストでまちがえた問題をやり直す】(6.5ポイント差)
・【○つけをした後に解き方や考え方を確かめる】(7.4ポイント差)
グラフを見ると、「効率的に勉強する子」「努力が報われていない子」共に最も数値が高いのが【問題を解いた後に○つけをする】です。どちらもまるつけはできていることがわかります。
ところが、【テストでまちがえた問題をやり直す】については6.5ポイント、【○つけをした後に解き方や考え方を確かめる】では7.4ポイント「効率的に勉強する子」が上回っています。さらに、【問題を解いた後にほかの解き方がないかを考える】については、小学生にとってはハードルが高い学習方法ですが、「効率的に勉強する子」では58.7%、「努力が報われていない子」は38.8%と最も大きく差が開いています。
以上から、まるつけはほとんどの子が実践していますが、そのあとの見直しや振り返りのしかたで違いがあらわれ、ここに成績につながる学習方法のヒントがあるとみることができます。

学力向上につながる学習のやり方 まとめ

上記のデータからは「効率的に勉強する子」の多くが、重要なところや自分が理解できていないところを意識した学習をしていることがわかりました。
まるつけはほとんどの子が実践していますが、そのあとの見直しや振り返りのしかたでは違いが大きく、ここに成績につながる学習のヒントがあるとみることができます。
そもそも学力は、自ら目標を立て→主体的に学習を進め→出た成果をしっかり確認し→あらためて目標を設定する、というサイクルで向上していくものです。
高学年になるにつれて学校生活は忙しく、かつ勉強はより高度になります。そのため学習をする際に、ただやみくもに時間をかけて勉強に取り組むだけでは学力アップにはつながりにくいのです。客観的に物事をみることができるようになる高学年からは特に、学習内容に対して自分が理解できているかどうかを子供自身がしっかり自覚しながら、重要なところはおさえ、できないところはなぜわからないのかをしっかり意識して家庭学習に取り組んでいくことが、学力アップには大切なのです。そうして「できた!」という自信を積み重ねていくことが、次の学習意欲にもつながっていきます。

今からできる学習のやり方の工夫 2つ

1.まるつけやテストは、やりっぱなしは避ける。

できなかったところは特に、なぜまちがえたのかを子供自身が振り返れるようにしましょう。 まちがえたことを怒らないように気をつけながら、「どうやったらいいのか、教えてくれる?」などと、子供に説明してもらうとよいでしょう。

2.重要なポイントを意識しながら学習する習慣をつける

学校でも大事なところは先生が強調したり、「チャレンジ」でも重要なポイントはまとめてあります。そこをしっかり意識して学習するようにすすめてみましょう。大事なところは、ノートにマークをつけたりペンで目立つようにする、「チャレンジ」の重要なポイントは声に出して読んでみる、など、促してみましょう。

<伸びるための学習法シリーズ>
次回は「学習に対する考え方」をご紹介(1/20公開予定)。
テストが戻ってきたとき、点数だけ見ていませんか? 確かに気になりますが、学力を伸ばすには、どう考えてどう取り組んだのかその過程(=プロセス)が大切ですよね。来月は、そうした学習に対しての考え方がどう学力に影響するのかを特集します。

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