「部活と勉強を両立できている」と感じている中高一貫校生は、 成績上位層で63%、 成績下位層で30%
部活と勉強の両立の度合いは成績層によって差がある
このグラフは、中高一貫校生の中学1年の秋時点での部活と勉強の両立について、成績層ごとに比較したものです。データを見ると、成績上位層の63%が「部活と勉強を両立できている」と感じているのに対し、成績下位層で「両立できている」と感じているのは30%で、両者の間には約30ポイントの開きがありました。そして、「両立できている」と回答する生徒の割合は、中学3年間を通して、上位層・下位層ともにほぼ変動がありませんでした。
両立が難しい理由は「時間がない」より「疲れて集中できない」
では、「部活と勉強を両立できている」と答えた割合の少なかった成績下位層の生徒たちが、両立が難しいと感じている理由は何なのでしょう?同じアンケートから読み取ってみると、「疲れて学習に集中できない」という理由を挙げた生徒が40%で、「学習時間が確保できない」の17%を上回りました。
つまり「時間がない」ことよりも「疲れて集中できない」ことに、多くの生徒が悩みを持っているようです。そのため、部活をやっているお子さまの成績がふるわないとき、「部活をやめて学習時間を増やす」ことが、最も効率的な解決法とは言いにくいのです。
単純に学習時間を増やすよりも時間の使い方を見直そう
お子さまが部活と勉強の両立に悩んでいたら、時間の使い方を一緒に見直す機会にしてはいかがでしょう。「疲れて集中できない」という声からは、部活後、帰宅してから勉強しようとする姿が浮かびます。そんなお子さまの「頑張りたい」という気持ちを受け止めつつ、時間の使い方を工夫する提案をしてみましょう。
例えば、
・夜は疲れをとることに集中し、朝型の勉強法に切り替える
・授業時間内で、集中して内容を理解する
・部活から帰宅後の勉強は、翌日が期限の宿題だけに絞る
・家で勉強するときは、スマホをおうちの人に預けて集中できる環境を作る
などが考えられます。
生徒が自主的に所属する部活動は、勉強と並んで、中学生活を充実させる大きな一つの要素。活動によって精神力が鍛えられたり、大切な人間関係を築けたり、部活でしか得られない経験があるはずなので、なるべく続けさせてあげたいものです。 お子さまが部活と勉強を両立して充実した中学生活を送れるように、おうちの方から働きかけてみてはいかがでしょう。
【中1生のお子さまには】
毎日、お子さまが勉強に取り組みやすいタイミングを一緒に見つけましょう。
【中2・3生のお子さまには】
お子さまと、1日の上手な時間の使い方について考えてみましょう。