ゲーム長期禁止の経験は約3割!

アンケート期間 2011/01/12 回答者数:2,623人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 高校生以下の子どもを持つ保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



今回のテーマは、ゲームについて。アンケートでは、ほとんどの保護者が「この半年に子どもはゲームで遊んだことがある」と答えています。お子さまがゲームに熱中して、「机に向かう時間が減った」「夜更かしをして困っている」……、そんなご家庭もあるのではないでしょうか。どんな機器を使ってゲームをしているか、ゲームを禁止したり取り上げたりするのはどんな場合かなど、各ご家庭がどのようにゲームと向き合っているのかをご紹介します。





学年・性別問わず「DS」「Wii」が人気!

最初に、お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機の種類について伺いました。

【図1 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(全体)】
図1 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(全体)


【図2 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(学年別)】
図2 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(学年別)


【図3 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(男女別)】
図3 お子さまがこの半年くらいで利用しているゲーム機について、当てはまるものをすべてお選びください(男女別


「そもそもゲーム機で遊ぶことがない・持っていない」という保護者は、全体の13%。つまり、90%近くのご家庭のお子さまは、この半年、何らかのゲーム機を利用したということになります。
この半年間でお子さまがゲーム機を利用したご家庭の割合は、学年が上がるにつれて増えていき、小6で96%以上となっています。
利用機種としては「ニンテンドーDS」を挙げる保護者が最も多く、7割以上。そして「Wii」が5割以上で続きました。
この2つの機種は、どの学年のお子さまをお持ちのご家庭からも、「子どもが利用した」という声が非常に多く寄せられています。また、男女どちらのお子さまからも利用されていました(図3参照)。かつては「ゲーム機で遊ぶのは男子」という意識が一般的でしたが、最近は、女子も遊ぶ機会が多いことがわかります。
ちなみに、「子どもがほしがっているゲーム機」としては、「ニンテンドーDS」シリーズの新機種「3DS」を挙げる声が目立ちました。


「ケータイ」のゲーム、高2・高3の約5割が利用!

ではお子さまは、ゲーム専用機以外でゲームをすることはあるでしょうか。

【図4 お子さまはゲーム専用機以外でゲームをすることがありますか? 当てはまるものをすべてお選びください(全体)】
図4 お子さまはゲーム専用機以外でゲームをすることがありますか? 当てはまるものをすべてお選びください(全体)


【図5 お子さまはゲーム専用機以外でゲームをすることがありますか? 当てはまるものをすべてお選びください(学年別)】
図5 お子さまはゲーム専用機以外でゲームをすることがありますか? 当てはまるものをすべてお選びください(学年別)


「そもそもゲーム専用機以外のゲームで遊ぶことがない・持っていない」という保護者は、全体の約3割。残りの7割の保護者が、「子どもはゲーム専用機以外でゲームをすることがある」と回答していることになります。
全体として最も多かったのは、「パソコンでゲームをすることがある」という保護者。約6割を占め、ダントツです。学年別に見ても、「パソコンでゲームをする」という割合はどの学年でも高く、小1でも6割近くに達しました。
一方、利用する割合が高校生から高まるのが、「ケータイ」のゲーム機能。高2・高3では約5割に及び、「パソコン」と肩を並べています。「ケータイを持たせるのは高校に入ってから」、あるいは「中学校までにも持たせてはいたが、ゲーム機能を解禁するのは高校に入ってから」というご家庭が多いのかもしれません。


ゲームの長期禁止は必ずしも多くない!

次に、これまでにお子さまのゲーム機の使用を禁止した期間について伺いました。

【図6 今までにどのくらいの長期間、ゲーム機の使用を禁止したことがありますか?】
図6 今までにどのくらいの長期間、ゲーム機の使用を禁止したことがありますか?


【図7 図6で「1週間以上ゲームを禁止したことがある」と回答したかたに伺います。ゲーム機の使用を「禁止していた」理由は何ですか? 最も近いものを教えてください】
図7 図6で「1週間以上ゲームを禁止したことがある」と回答したかたに伺います。ゲーム機の使用を「禁止していた」理由は何ですか? 最も近いものを教えてください


回答の割合が最も高かったのは、「禁止したことはない」。全体の約5割を占めています。
最短「1週間以上2週間未満」から最長「6か月以上」まで、「長期間ゲームを禁止したことがある」という保護者は、全体の約3割。お子さまに長期間のゲーム禁止を課すご家庭は、必ずしも多くないことがわかります。
ゲームを禁止する理由としては勉強を挙げる保護者が目立ち、「受験勉強のため」「日々の勉強にさしつかえないように」を合わせると、4割近くになります。「生活リズムの維持のため」と回答する保護者もいました。


ゲームを禁止した理由・禁止しない理由を具体的にご紹介!

では、お子さまのゲーム機使用を長期間禁止した理由、禁止しない理由とは、具体的にどのようなものでしょうか。最後に、それを伺いました。


☆禁止した理由


◎受験勉強のため
●受験に向けて勉強に集中させるため、ゲーム機はすべて取り上げました。ところが、今度はケータイのゲームに熱中していることが判明! ケータイまで取り上げないと、親のねらいは達成されないかも……
●受験学年の1年間、DSを封印。その間子どもは、パソコンで熟語の並べ替えゲームや、ヒントをもとに都道府県名を答えるゲームなどをして、息抜きをしていました

◎日々の勉強にさしつかえないように
●「定期テスト前10日間はゲーム禁止」という約束を、子どもとしています
●当初は「勉強や宿題を終えてからゲームをする」というルールを設けていましたが、子どもは早くゲームをすることばかりを意識し、漢字の書き取りを書きなぐるなど、勉強が雑になってしまうことがわかりました。そこで今は、いつでもゲームができる状態をやめ、長期休暇以外は押し入れにしまっています
●うちの子は帰宅してから夕食までに時間があるのに、宿題を後回しにしてゲームばかり。さすがにあきれて、「ゲームは宿題と夕食を済ませてから1日30分」という約束を作りました。ところが守らなかったため、罰として2週間、ゲームを禁止しました

◎生活リズムの維持のため
●朝、起こしてもなかなか起きてくれない日が続きました。聞いてみると、寝る時間を費やしてゲームをしていたことが判明! 体を壊してしまうし、子ども自身の意志ではやめられないだろうと思い、取り上げました
●夜遅くまでゲームをしていて風邪を引いたため、禁止しました。家族で話し合ってゲーム時間を決めたうえで解禁しましたが、守らなかったので再び禁止しました
●くる日もくる日もゲームに熱中し、夜更かしをするなど生活にメリハリがなくなっていました。家族とのコミュニケーションは減り、勉強する意欲・態度にも悪影響が見られたため、一切のゲームを禁止! 生活リズムを整えたうえで、「一定時間勉強をしてからでないとゲームはしない」というルールを作りました

◎その他
●ゲーム中のきょうだいゲンカが頻発。とうとう取っ組み合いにまで発展したため、「仲良くできないのなら、ゲームはさせないからね!」と叱り、1か月間取り上げました
●学童保育所の行事に持って行き、紛失してしまいました。「新しいゲーム機は、お小遣いやお年玉で買いなさい」と伝え、「それまでは友達の家でもゲームをしない」と約束させました
●ゲーム機を買った時の約束では、「勉強や宿題を済ませてから1日30分」。ところが、徐々にだらだらと続けるようになりました。親の目を盗んで夜更かしをすることも。さらにゲームに熱中するあまり、夕食のためにテーブルの上を片づけたり食器を並べたりといった、家族の一員としてやってほしい手伝いさえしなくなったので、ゲーム機を取り上げました。「約束を守ったり、手伝いをしたりできるようになったら返すからね」と伝えたものの、できるようになるまでに3か月かかりました

☆禁止しない理由


◎約束・ルールを守っているため
●約束を守ってゲームをしていますし、時間をオーバーした時も、一言声をかければすぐにやめるので、禁止するまでにはいたっていません

◎そもそもそんなに長時間はゲームをしない
●子どもは部活や習い事で忙しく、あまりゲーム機で遊ぶ時間がありません。遊ぶ時はたいてい親が一緒。というか、むしろ親が率先して遊んでいるかも……?
●ゲーム機はきょうだいで1台を共有。そのため、禁止しなくてはいけなくなるほど長時間熱中することは、今のところありません
●勉強系のソフトしか買っていないので、そんなに長時間ゲームをしません

◎その他
●親が禁止したことはないものの、中学受験の時、子ども自身が「ゲームはしない」と言って、自発的に勉強に集中しました
●親がゲーム機を禁止したとしても、「どうしてもゲームがしたい」という時は、少なくとも我が家の場合、子どもは隠れてやってしまうでしょう。それなら、禁止するのは効果的ではないと思います。また、たとえ熱中したとしても、ゲームをしたがるのは子どもの長い成長の一時のことなので、禁止しなくても大丈夫かなと考えています
●無理に禁止したり取り上げたりしても、子どもは反発するばかりだと思います。それが原因で親子のコミュニケーションがうまくいかなくなっては元も子もないないので、我が家では禁止したことはありません


禁止したことがある、禁止したことがない、どちらの保護者からも目立ったのは、「ゲームをする際の約束・ルール」に関する声です。「約束・ルールをお子さまが守らなければ禁止するし、守っていれば禁止することはない」というご家庭が多いようです。
ほかに禁止した理由としては、ゲームに熱中するあまり、「勉強に集中していないから」「約束を破って長時間遊んでいるから」「お手伝いをしなくなったから」といった声がたくさん寄せられています。
一方、禁止していない理由としては、「さほど長時間ゲームをしていないため」など、保護者として許容できる時間内での利用であればOKという声が目立っています。「子どもが自主的にゲームをしないと決めたので、親が禁止する必要がなかった」という声も少なくありませんでした。


(まとめ)
ゲーム専用機だけでなく、パソコンやケータイなどさまざまな機器が普及した昨今、お子さまがゲームで遊ぶ機会はたくさんあります。今回の調査でも、大半の保護者が「子どもは何らかの機器でゲームをしている」と回答していました。学年が上がるにつれて、利用する機器の種類も多くなっています。
そのため、お子さまがゲームに熱中しすぎるのを防げるよう、多くのご家庭で時間を決めるなどの約束・ルールを設けているようです。そして、ほとんどの保護者が「約束・ルールを守っていれば禁止する必要はない」と考えていました。今までにゲームを長期間禁止したことがあるという保護者は、全体の3割ほど。多くのお子さまが、約束・ルールを守ってゲームをしていることがわかります。
最近のゲームは、通信機能を使って知らない相手と一緒に遊ぶこともできます。お子さまが有害情報に触れたり、トラブルに巻き込まれたりしてしまう危険性については、保護者としてもしっかり認識し、防ぎたいところですよね。そのためには、ゲーム内容を把握したり、フィルタリング機能を確認したりする必要もありそうです。それらに関連する記事を以下に載せています。お子さまとゲームの使用ルールを話し合う時の参考にしてくださいね。

有害情報対策は「フィルタリング」より保護者の目
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