心と体の発育 (5)第2次反抗期、親はどう接する?
小学校高学年~中学生にかけて、大人の体へと変化しはじめる子どもたち。そのころ、心も思春期に突入し、大きく揺れ動きます。反抗的な言葉や態度をとる子どもに、親はどう接すればよいのでしょう。長年、小学校の養護教諭をされていた宍戸洲美先生にアドバイスをいただきました。
反抗期は自立への大切な過程です
子どもが自我に目覚め始める2~4歳ごろが第1次反抗期、そして思春期に入るころの反抗期が第2次反抗期と呼ばれています。親に批判的なことを言ったり、反抗的な態度をとったり……。高学年にもなると口も達者になるので、どう対応すればよいのかオロオロしてしまう親もいるでしょう。でも反抗期は、子どもが精神的に自立するために大切な過程です。前向きにとらえましょう。
親が余裕を持って向き合うことが乗り切るコツ
親が気持ちに余裕を持って子どもと向き合えば、子どもの反抗はエスカレートしません。そのためには母親ひとりだけで子育てを抱え込まないこと。夫と協力したり、ママ友達に相談したり。また、学校の担任や地域の子育て支援センター、児童相談所などに相談するのもおすすめです。親もだれかに支えてもらうことが必要です。
一方、子どもも親以外の人とのつながりを持つことで、気持ちが発散できる面があります。友達や学校の先生、習い事の指導者など、親には話しにくいことを話せる相手がいるとよいですね。
親も子も豊かな人間関係のつながりを持つことが、この時期を乗り切る最大のコツです。
親自身の価値観を再認識しておきましょう
そろそろ反抗期!?と思ったら、まず親自身の価値観を再認識して。「これだけは絶対許せない」というラインを決めて、子どもにも伝えておきましょう。そして、それに反することをしたときは、毅然とした態度で叱るのです。なんでもかんでも叱ったり、親の気分で叱ったり叱らなかったりするのはよくありません。子どもには一貫した態度で接しましょう。
こんな叱り方はNG! |
■気分で叱る 親に一貫性がないと子どもの信頼をなくします。 ■いつまでもしつこい小言 細かいことは気にしない。ただし、やってはいけないことをしたときは、しっかり簡潔に叱ること。 ■親がビクビクしながら叱る 子どもの機嫌をうかがいながら叱らない。 |
親は子どもの不安を受けてめて
「いけない」とわかっていても、気持ちがイライラして反抗的な態度をとってしまう。そんな子どもに言葉をたくさん並べて叱っても逆効果です。「自分でもわかってるでしょ。お母さんはそれだけは許せないよ」とピシッと簡潔に。また、本人を否定するような言葉も反抗に拍車がかかるだけです。ありのままの子どもを認めて、良いことをしたときは、しっかりほめましょう。