【世界の中学生~上海(8)~】子どもの役割は「勉強」

世界の中学生をリサーチし、お届けします。今回は13歳の鄭秋果(ていしゅうか)さんの住む中国と日本の教育方針の違いについてご紹介します。

 2014年の国際学習到達度調査(PISA)でダントツの世界一になった上海。中国の大都市では、子どもにとって勉強が第一という考えが根づいているようです。

 

 


その国独自の教育方針の内容とは?

 国際感覚を身につけさせたいという親が多く、小学校低学年から語学や数学に力を入れていて、英会話においては、小学生でも外国人と日常会話ができるほど。学校の宿題がとても多いというのも特色です。帰宅後の学習時間は成績が一般的な子どもでも3時間ほどかかるといいます。特に中国の大都市を中心に、「子どもの役割は勉強である」という考え方が根づいています。そのため、お手伝いをはじめ、清掃や家庭科などの生活に関わる授業や、スポーツなどの体を鍛えること、部活動にも力が注がれていないことは、たびたび問題視されているようです。

 

教育方針も国によって重視する部分がかなり違うようですね。

 

 

「勉強」に対する、日本の親の考え方との違いとは?

 中国では、「子どもの好奇心と興味のある分野の勉強」を第一に考えるので、お手伝いをしない、物をねだる、食べ物の好き嫌いがあるなどの理由で叱ることはほとんどないとか。一方で、他人への礼儀にはやや厳しく、先生や目上の人、来客へのあいさつはもちろん、返事をきちんとすることなどは徹底して教えているそうです。

 

しかし、勉強面では親の意見を子どもに押しつけることは少ないそうです。子どもの興味や趣味を尊重することを重要視し、何かひとつでも伸びそうなものがあれば全力でサポートするという親が多いようです。

 

日本との大きな違いは、母親よりも父親が積極的に子どもの日常をサポートすることでしょうか。それには、中国では管理職や経営者として女性が活躍できる社会構造が確立され、母親が社会的に自立しているという背景があるようです。こんな社会構造も、教育方針に何か影響しているのかもしれませんね。

 

 

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