【野口 健さん】 環境教育をつうじて教えたいこと

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先生は「きっかけ」をつくってあげればいい

よく、学校の先生がたから「環境教育の教え方がわからない」と言われます。確かに先生は"環境教育を教える教育"を受けてないんです。だったら、先生が一から環境を教える必要はなくて、実際に漁業や林業に携わっている人にしゃべってもらえばいい。たとえば魚を捕っている人に、「水が汚れてこんな魚がいなくなった」と子どもたちに語ってもらうんです。先生はそういう人を探し、授業のコーディネートに徹する。「きっかけ」づくりさえしてあげればいいと思います。

環境学校でも、僕が一から教えることはしてません。僕は事前に現地へ行って調べたうえで子どもたちを連れて行く。あとは自分たちで経験してもらって、自分なりの答えを考えてもらう。環境の答えは一つではないですからね。「みんなは何を求めているの?」というところから始めていくしかないんです。子どもたちが自分の言葉で発言し、互いの意見がぶつかれば、徹底的に話し合う。そうすれば周りで聞いてる子どもたちも、「じゃあどうすればいいのか」を自然と考えるようになるんです。

環境教育を義務教育に

僕は環境問題を普及させたい。それを実現するには、まずは環境教育です。環境教育のためにはそのプロが必要になり、さらには環境教育で生計が立てられる環境が必要になってくる。僕は今、全国各地で環境保護活動をしていますが、賛同してくれる人たちはボランティア中心。しかしボランティアの意識で環境に取り組むには残念ながら限界があるんです。一方で環境を勉強した人たちは、日本には働き場所がないと言って、みんな海外へ行っちゃう。これじゃあ日本の環境教育は進まない。だから、環境教育を義務教育にしてすそ野を広げたい。環境がごく当たり前の学問になっていけば、教育の質も上がる。環境学校も、環境を職業にできる社会を目指しています。

メッセージ from Noguchi

親が物を買うときに悩んでいる姿を子どもに見せてあげてほしいですね。安い物や使い捨てをたくさん買うんじゃなくて、長く使っていくつもりで、慎重に一つの物を選ぶというこだわりを見せてあげてほしい。食事にしてもそう。子どもたちの口から直接入る食材を、こだわりをもって選んで作ること、それが必ず子どもたちの感じ方にいい影響を与えると思うんです。もちろん、あんまり窮屈に考え過ぎちゃうと息が詰まっちゃいますけどね(笑)。

子育て・教育Q&A