小4の息子は、何かにつけ気にし過ぎる傾向があるようです[教えて!親野先生]
小学4年生の息子のことです。素直で穏やかな子なのですが、何かにつけ気にし過ぎる傾向があるように思います。顔つきで分かるので聞いてみると、些細なことで傷ついたり、ムッとしたりしているようです。あからさまな意地悪でもない限り、それを相手にぶつけることはしないようですが、帰宅した後もなかなか気分を切り替えられないようです。話を聞いて、励ましてやろうとするのですが、親の押し付けになっているようで自信がありません。話すと「分かった」とは言うのですが……。クラスでは、仲のよい友達と楽しく過ごしているようです。細かいことは気にしない、気分転換のできる性格にしてやりたいと思うのですが、してやれることはないでしょうか?(サクラネコさん)
【親野先生のアドバイス】
サクラネコさん、拝読いたしました。
「話を聞いて、励ましてやろうとするのですが、親の押し付けになっているようで自信がありません。話すと『分かった』とは言うのですが……」
話を聞いてやるのが、まず一番大切ですね。子どもは、共感して聞いてもらうだけでも、気持ちがすっきりするものですから。
話を聞くときは、何かしながらでなく、しっかりと聞いてやってください。そして、うなずいたり、相づちを打ったり、相手の言葉を繰り返したり、別の言葉で言い換えたりなど、聞き方にも工夫が必要です。
その場合、難しいことが一つあります。
それは「励まし」をすべきかどうかということです。ときには、励ましが負担になることもあるからです。励ましの言葉が、相手にとっては扉を閉じられたように感じることもあるのです。つまり、聞いてもらえないというように感じることがあるのです。
ですから、励ましやアドバイスを全くしないで、ひたすら聞いてやったほうがいいこともあるのです。
でも、励ましやアドバイスが必要なときもあります。そのあたりの判断は、状況にもよるし、子どもの様子にもよります。状況をよく見るのと同時に、子どもの様子をよく見極めて判断するほかありません。
「クラスでは、仲のよい友達と楽しく過ごしているようです」
これはいいですね。友達と楽しく過ごせるということは、そこで気分転換もできるということです。そして、友達と過ごすなかで、人間関係についてのいろいろなことを学んでいけるということです。
子どもにとってこの学びはとても大切なことです。
いろいろな子がいるから、いちいち腹を立ててもしょうがない、ということもだんだんわかってきます。そういう子にもいいところがある、ということもだんだんわかってきます。
また、自分自身の感情との付き合い方もだんだんわかってきます。成長するに従って、だんだん発散の仕方も上手になっていくものです。
「細かいことは気にしない、気分転換のできる性格にしてやりたいと思うのですが、してやれることはないでしょうか?」
これについては、話を共感して聞くこと以外にいくつか紹介します。
頭をなでてやったり、抱きしめてやったりするのも素晴らしい効果があります。子どもの体をマッサージしてやるのも素晴らしい効果があります。くすぐって笑わせてやるのも素晴らしい効果があります。親子で「マッサージごっこ」や「くすぐりっこ」というのもいいですね。
また、スポーツが気分転換やストレス解消にいいことは、大人も子どもも同じです。それを試してみるのもいいかもしれません。
何かを作ったり、描いたりする創造的な活動もいいと思います。いつも紙とクレヨンなどを用意しておいて、絵を自由に描けるようにしておいてやるのもいいでしょう。
実際、絵を描くのは、素晴らしいストレス解消になります。アフガニスタンの内戦で精神的なトラウマを負った子供たちが、絵を描き続けることで少しずつよくなっていったという事実もあります。テレビや新聞で報道されたので、見た人も多いと思います。
塗り絵もストレス解消にいいということで、近頃注目されています。粘土やブロックなどもいいと思います。
もちろん、このような活動でなくても、その子がストレス解消できる方法ならいいのです。音楽を聴くのもいいでしょう。DVD鑑賞もいいでしょう。漫画を読みふけるのもいいでしょう。本を読むのもいいでしょう。趣味に没頭するのもいいでしょう。何かを集めるのもストレス解消に効果があるようです。ゲームにストレス解消の効果があるという話もあります。あまりのめり込むのは、心配ですが。
とにかく、その子に合ったストレス解消法を見つけられるように、親が支援してやるといいと思います。そうすれば、その子の一生にわたって役立つはずです。
私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。サクラネコさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。