累計3500万部突破!大人気シリーズ「かいけつゾロリ」と「男はつらいよ」の寅さんの共通項とは?

待望の新刊『かいけつゾロリのゾワゾワゾクゾク ようかいまつり』発売を記念して、作者・原ゆたか先生にインタビュー。先生が「ゾロリ」を通して現代の子どもたちに伝えたいメッセージとは? 2回にわたってお聞きします。

「悪役」がこんなに人気になるとは、予想していなかった

年2冊というハイペースで刊行を続け累計3500万部を突破。1987年の登場以来、多くの子どもたちを夢中にさせ、今や親子2代で楽しんでいる、という声も聞かれる『かいけつゾロリ』シリーズ。
もともとは、原先生が絵を担当していた『ほうれんそうマン』シリーズ(みづしま志穂・作)の悪役として登場していたゾロリですが、『ほうれんそうマン』を一旦お休みすることになり、再開するまでのつなぎとして企画されたものでした。
それが、こんなに長く続くシリーズになるとは、原先生も想像していなかったようです。

「悪役が主人公ということで、悪いことをしようとするけれど、最後にすべて失敗させれば、『悪いことをしてもうまくいかないよ』という逆説的なお話になるはずだと思って描き始めました。ところが、人気が出てくるにつれ、みんながゾロリを応援しはじめ、「次は銀行強盗がんばってください」なんてお手紙がくるようになり、困ってしまったんです。そこで、悪いことをしようとしても、だれかが幸せになったり成長するお話にかわっていきました。初期のころの悪事も最近のお話で一つ一つ罪ほろぼしをさせようとしているんですよ。「ほうれんそうマン」では、ゾロリのママは亡くなった設定でしたし、パパのことにもふれていなかったので、パパは飛行機事故で行方不明ということにしました。というのも、あまえんぼうだったゾロリが、自分の道をみつけ、未来をきりひらいていく自立の話にしたかったからです。でもママは、いつも草葉の陰にいてくれますし、赤い飛行機に乗ったパパらしきゾロンド・ロンは、ゾロリの行く先々にあらわれます。この2人は困難に立ち向かっている子どもを信じて見守る両親の象徴のつもりなのです。」

ゾロリは「諦めない」がテーマでもあるんです

お姫様を見つけて自分の城を作るという夢に向かって、イシシとノシシを従え旅を続けるゾロリ。「オナラ」を必殺技に、親父ギャグを繰り出しながらのおもしろおかしい珍道中ですが、しかけるイタズラはことごとく失敗。それでも自分で立ち直り、また次に向かっていく姿にはたくましささえ感じます。

「社会に出ると、なかなか自分の思うようにいかないということを色々体験します。でも諦めたら終わりで、それをどう乗り越えていくのかが人生じゃないでしょうか。僕は「男はつらいよ」の寅さんが好きなんです。彼は、毎回フラれてたいへんなめにあいます。ゾロリも毎回夢や目的は達成できません。客観的に見ると、どちらも嫌な話なんです。でも、最後には寅さんも笑顔で仕事をしているし、ゾロリは「次、行ってみよう」と元気に旅立っていく。「こんどこそがんばってね」と主人公を応援したくなるのが、2つの物語の肝なんじゃないかな。」

失敗して失恋して、でも誰かを幸せにしてまた放浪の旅に出るのは、確かに寅さんと重なる部分があります。
そんな原先生は、「今68歳。だんだん、あと何冊描けるか心配な年です。ゾロリもそろそろ結末を書いて、きれいに終わらせようと用意したラストを書こうと思っていた時、思い出したのはやっぱり寅さんです。
寅さんの役者さん、渥美清さんが亡くなられたので、寅さんの映画は48作で終わってしまいましたが、私の心の中では、まだ寅さんはきっとどこかで旅をつづけてバカなことしてるんだろうなと生きつづけているんです。そんなふうにゾロリを読んでくれていた人たちが思ってくれるなら、書けなくなるまで通常通りのゾロリを書きつづければいいやとふっきれたところです。用意していたラストのアイディアは、映画「かいけつゾロリのZZ(ダブルゼット)のひみつ」にあげたので、気になるひとはみてみてください。」

まだまだたくさんの新作を楽しみにしている子どもたちがいます!これから、ゾロリはどんな旅をつづけるのですか?

「50作を超えたころから、もうネタがないと泣きごとばかり言っていましたが、昔出会ったキャラクターにゾロリが再会したらどうなるかなと、考えるといくつかお話がうかんできました。新しい読者には不親切なストーリーになってしまうので、できれば初期の30冊を先に読んでおいてくれるとさらにたのしい作品になると思います。
昔の失敗をいかして、ゾロリはどこまで成長しているか。長く続けてきたシリーズだからこそ、きっとゾロリだったらこうするよねとゾロリを知っていればいるほど先が読めないあっとおどろく展開が描けそうな気がしています。」

後半に続きます!

まとめ & 実践 TIPS

『かいけつゾロリ』に「男はつらいよ」の寅さんのエッセンス!? ヒットシリーズ同士にまさかの共通点があったとは、楽しい驚きです。子どもに身につけてほしい「諦めない」「また次へと前へ向く」という、今注目の言葉でいえば「レジリエンス」が、『かいけつゾロリシリーズ』には隠されていたのでした。

『かいけつゾロリのゾワゾワゾクゾク ようかいまつり』
ハロウィーンをようかいのためのおまつりにしたい! そんな妖怪学校の先生の夢を叶えようと張り切るゾロリたち。ゾロリの計画とは一体? 69巻目。¥1,100(ポプラ社)

後半 本を読まない子もこぞって読む!「かいけつゾロリ」が子どもに熱烈に支持される理由からわかる、子どもと本の関係

プロフィール

原ゆたか

1953年、熊本県出身。1973年デビューし、1987年世に出た代表作『かいけつゾロリ』シリーズはシリーズ累計3500万部を突破し、現在NHKEテレでもアニメが放送中。

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