身近な自然、野鳥観察入門【後編】今すぐできる野鳥観察のポイント

野鳥観察というと、「双眼鏡が必要なのでは?」と思うかもしれませんが、特別な道具がなくても十分楽しめると、都立東京港野鳥公園レンジャーの嶋村早樹さんは言います。今日から始められる、お子さまと一緒にできる野鳥観察のポイントについて伺いました。



目で見て、耳で聞いて、五感で楽しむ!

庭木で休んでいる鳥や、地面を歩いている鳥は、案外近くで観察できます。声を聞いて、目で探して、まずは五感で楽しみましょう。自宅の庭やベランダから見たり、近所の公園や学校の校庭、河原などで探してみたりと、身近なところで野鳥と出会うことができます。何度も見ていると、「いつも同じ場所にいる」「同じ鳴き声を聞いた」と、特徴に気付くはずです。小さなお子さまは自分で見つけるのは難しいので、「何か聞こえるね」「あそこに何かいるよ」と声をかけるとよいと思います。双眼鏡は、鳥の姿をきちんと観察したいなと思うようになってから用意すればよいでしょう。

遊びながら野鳥を観察するというのも、子どもたちが野鳥に親しみやすい方法の一つです。公園に遊びに行ったらそこにいる鳥を見たり、キャンプに行ったら森林を散策したりと、野鳥観察は手軽にいつでもできます。
都立東京港野鳥公園では、干潟遊びや虫探しなどの体験イベントを開いています。干潟でカニ探しなどをして遊びながら、水辺で魚を捕っているカワウの様子を見たり、カマキリの卵を探しつつも、鳥に食べられてしまった穴の空いた卵を発見して驚いたりと、野鳥の生態に触れることができます。



野鳥を見分けるポイントは?

野鳥を何度も見ていると、「何の鳥かな?」と名前を知りたくなると思います。見分けるために注目すべきポイントは、(1)大きさ (2)体型 (3)色や模様の3つです。

(1)大きさについては、「ものさし鳥」を基準にして覚えておきます。身近で見慣れている鳥を大きさの基準とする方法です。

 ●スズメ     全長14.5cm
 ●ムクドリ    全長約25cm
 ●キジバト    全長約33cm
 ●ハシブトガラス   約57cm

この4種類がものさし鳥とされていて、たとえば、「スズメより大きいけれど、ムクドリより小さい」「カラスくらいの大きさ」と覚えておくのです。
(2)の体型は、尾が長い・短い、くちばしが太い・細いなどの特徴をつかみます。
(3)の色や模様は、青や黄色といった色以外にも、たとえば、目の周りが白い(メジロ)、眉毛のように黄色の線が目の上にある(キビタキ)といった模様の特徴をつかめればベストです。
また、前編で紹介したように、野鳥によって好みの環境が違うので、見つけた場所も重要です。以上のポイントを押さえておくと、あとで図鑑やインターネットで名前を探す時に役に立ち、野鳥観察の楽しみがぐっと広がります。



野鳥の行動を観察するのも面白い!


羽を広げるカワウ

野鳥公園では訪れる人からたくさんの質問を受けますが、子どもの観察眼の鋭さにはいつも驚かされます。大人からは「あの鳥は何ですか?」と名前を聞かれることが多いのですが、子どもからは「あの鳥は羽を広げているけれど、何をしているの?」「なんであの鳥は片足で立っているの?」と、鳥の行動に関する質問が多く寄せられます。名前を知らなくても、鳥たちの行動を、子どもたちは鋭く観察しています。
たとえば、カワウという水鳥は、魚を捕るためや水浴びのために水に潜ったあと、羽を乾かすために広げます。片足で立っているのは、体温温存のためといわれています。
このように気付いたことをメモしていくと、子どもの知的好奇心を広げていくきっかけになるでしょう。

お子さまが野鳥に関心を深めていったら、近所にいる野鳥マップ・野鳥図鑑を作ってみてはいかがでしょうか。夏休みの自由研究にもぴったりです。鳥には縄張りがあるので、行動範囲は固定されることが多いようです。庭木ならば距離も近く、デジタルカメラでも撮影は可能です。どこにどんな鳥がいるのか、どういう特徴があるのか、自分が気付いたことをノートにまとめていくのです。また、落ちている羽根を集めて、拾った場所を記録して羽の種類を調べる、鳥の魚の捕り方がどう違うのかを調べる、といったテーマも自由研究でよく取り上げられているようです。

全国には日本野鳥の会の支部があり、野鳥観察会などが開かれています。また、自然が保護されている自然公園などは全国にあります。レンジャーや専門家が在駐し、双眼鏡の貸し出しやアドバイスも行っていますので、ぜひ一度ご家族で遊びに訪れてみてください。


プロフィール

嶋村早樹

嶋村早樹

公益財団法人日本野鳥の会職員。都立東京港野鳥公園担当のレンジャー。公園内の自然調査・管理、来園者への自然解説、公園のイベント講師などを担当。小学校などに訪問し、「総合的な学習の時間」や特別活動での外部講師なども務める。

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