親野先生に聞いた!夏休みの予定を計画倒れにしないためのポイントは?

夏休みが始まって1〜2週間もすると、早くも「子どもの宿題が予定通り進んでいない」「予定に無理がある気がしてきた…」などという声が聞こえてきます。とはいえ、最初に立てた予定通りに最終日まで過ごせることの方が珍しいことともいえます。そこで、夏休みの予定の立て直しや見直しのコツを、教育評論家の親野智可等先生にうかがいました。子どもの可能性を伸ばす予定の作り方、無理を感じる課題との向き合い方など、気になるポイントもまとめて解説します!

この記事のポイント

子どもの予定は乱れるもの

おうちのかたは長年の経験で実感してきていると思いますが、子どもの予定は、乱れやすいものです。子どもは体調や気分に左右されやすいので、いつも同じペースで勉強できるとは限りません。苦手や気が向かない課題に取り組むときは、尚のことペースが読めなくなります。加えて、夏休みのような長期の休みでは、「まだ余裕がある」「明日やればいい」と思いがち。そして、何より大人が思うほど長期的な時間の感覚を身につけていません。1か月はこのくらいの時間だ、とか1か月あればこのくらいのことができる、というイメージがもてるようになるには、経験や発達が必要です。おうちのかたが心配だと感じるうちは、サポートをしてあげてください。

さて、そんな子どもたちにおすすめの計画の立て方をご紹介しましょう。

・まず、夏休みの宿題や課題をすべて一箇所に並べて、全体量を把握する。
 ホワイトボードなどに書き出せばさらによい。
・夏休みを大きく4期くらいに区切り、カレンダーをマーカーで色分けする。
 例)7月中/お盆前まで/お盆期間中/夏休みの残り
・子どもと家族の予定や行事をカレンダーに書き込む。
・予定や区切りを意識して宿題の計画を立て、カレンダーに書き込む。

こうすると「この期間中に、ここまでは終わらせる」という中期的な見通しがもちやすくなります。夏休みは、この日はこれをやる、ということに意識が向き「木を見て森を見ず」の状態になりやすいので、区切りをつけることで全体を把握させましょう。

また、予定を埋めていくときは、お子さまの得意不得意や体力などを考慮しながら、「これだと終わらないかもしれないよ」「ここはもう少し時間をとったら?」などのアドバイスをしてあげるといいでしょう。ただし、決定はできるだけ本人にさせたほうがいいでしょう。子どもは自分で決めたことには責任を感じます。反対に、決められたスケジュールでは、頑張って守ろうという強い気持ちはもちにくくなります。

計画がずれていくときは予定を減らす

計画を立てても、その通りに進まないことも多いと思います。その場合、予定を立て直すことが必要になりますが、無理に詰め込むより減らす方向で進めた方が効果的なこともあります。

そもそも、夏休みは子どもにとって「休み」ですから、学校を離れた自由な時間にやりたいことを思い切りする経験が何より大切です。ちょっと気になっていたことを調べてみる、新しいことに挑戦する、時間を気にせず本やマンガを読む、スポーツや外遊びも貴重な体験です。やらなければいけないことが多いと、こうした主体的に過ごす時間が減ってしまいます。
もし、子どもが楽しみにしていることを削る事態になりそうなときは、宿題や勉強の負担を軽くする方法も考えてみてください。

宿題は子どもの得意、不得意にかかわらず一律で出されるので、ときには負担が大きすぎることもあります。学校や先生に相談できる場合は、「うちの子にはかなり難しくて、どうしたらよいでしょうか」とたずねてみてもいいかもしれません。「クレーム」としてではなく「相談」という形で事情を話すことが大事です。

読書感想文などの作文が苦手で、本人もやる気を出せないというときは、おうちのかたが会話の中で感想を引き出してメモし、それをもとに書かせてみたり、自由研究をなるべく手軽なものにしたりする方法もあります。とにかく、宿題が子どもにとって過度な負担にならないようにしてあげてください。

夏休みは子どもの勉強スタイルを間近で見られるチャンス

夏休みはいろいろな予定があり、毎日決まったスケジュールで動くのは難しいと思います。それでも、基本のタイムテーブルを決めておくと、実行しやすくなりますよ。午前中に用事がある日、午後に用事がある日、1日予定がある日など、家庭ごとにいくつかのパターンをつくって、勉強や自由時間、食事、テレビなどの家庭内の時間割を考えてみてください。家庭内時間割ができたら、ホワイトボードなどすぐ書き直せるものに書いて目につく場所へ。うまくいかないときは、サッと書き直して順番を入れ替えたり時間を調整したりできますから、最初の計画にこだわらずに、実行しやすい時間割を探してみましょう。

こうした計画の工夫をしたうえで、やはり実践できないときは、その原因を探して対策を考えてみてください。例えばお子さんが集中して勉強できる場所はどこか、時間はいつがいいのか、どのくらいの時間やる気が続くのかなどに注目を。夏休みは子どもが勉強する姿を、いつもよりじっくり観察できる機会です。よく見ていると意外な個性に気づき、その後のサポートが楽になるかもしれません。

また、だらっとしてしまって、なかなかスタートできないときは、学校のチャイムのように決めた時間に好きな音楽を流すなどして気持ちを切り替える工夫をしてもいいでしょう。空調もなるべく快適に。おやつや録画した番組などを、勉強の後のお楽しみとして後回しにするのも一案です。観察力を発揮して、子どもに合ったスタイルを見つけてあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

夏休みの宿題の取り組み方には個性が表れます。7月中に全て終わらせてしまった子がいると耳にすれば、わが子と比べて心配になることもありますが、自分のペースでコツコツ積み上げていくのが性に合っている子もいますし、宿題がはかどらなくても好きなことに夢中になっている時間があれば、それも素晴らしい夏休みです。宿題や課題に前向きに取り組む気持ちを育てるためにも、お子さまの個性を尊重し、苦手や負担を感じないようなサポートができるといいですね。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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