4月からの保育園・幼稚園が不安 子どもが園に楽しく通うためには? [スーパー保育士のお悩み相談]

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まもなく入園のシーズンがやってきます。
4月から新しく幼稚園や保育園に通うお子さんのいらっしゃるご家庭は、期待に胸が膨らんでいることと思います。
でも、いろんな不安が出てくるのもこのころ。
今回は、「スーパー保育士」と呼ばれ、現在は子育てに関する研究・執筆・講演活動を行っている原坂一郎さんに、安心して「その日」が迎えられるよう、よくある「入園前の心配」に回答していただきます。

この記事のポイント

「うちの子、喜んで園に通ってくれるかしら」

確かに入園後の数日間は、初めて経験する園生活に戸惑う子どももいます。
でも、1週間も経てば、戸惑いよりも楽しさが勝るようになり、ほとんどの子どもが、喜んで園に行くようになるので心配はいりません。

まれに、ひと月経っても登園を嫌がるような子どももいますが、その原因のほとんどは「お母さんと別れるのがイヤ」だからです。
でもそんな子どもも園に行ってしまえば、登園を渋ったことなどすっかり忘れ、元気に過ごしている場合がほとんどで、「私と別れる時のあの涙は何だったの?」とがっかりするお母さんもいるほど。

子どもは大人が思っている以上に新しい環境に慣れるのが早く、また、園も子どもたちが早く園に慣れ、楽しく過ごしてもらう工夫をたくさんしています。
特に保育園では、「慣らし保育」と言って、例えば初日は2時間、次の日は3時間……と預かる時間を少しずつ伸ばし、子どもが無理なく園生活に慣れるようにしています。
その期間は子どもの様子や保護者の事情に合わせていて、早くて2~3日、遅くても1週間から10日で、希望する時間預かってもらえるようになります。

「お友達と仲良く遊べるか心配」

入園前に多くのお母さんが心配するのは、「友達と仲良く遊べるか」ということ。実際、入園後にわが子がぽつんと一人で遊んでいたりすると、不安になるかもしれませんね。

3歳未満の子どもにひとり遊びが多いのはよく知られていますが、実は年少クラスの3歳児もまだまだひとり遊びが多い年齢です。
3歳児が砂場で大勢が仲良く遊んでいるように見えても、よく見るとひとり遊びの子どもが大勢いるだけ、ということもあります。

そもそも「誰とでも仲良く遊ぶ」なんてことは、大人でも難しいもの。
園に入ったあとは、まずは「特定の誰か一人と遊べる」ができれば十分です。
「友達の輪」とよく言われますが、どんな輪も最初は二人の輪から始まります。
徐々にその輪が広がればいいのです。

人見知りをする傾向のあるお子さんは、入園後はまずその「一人」を見つけるようにすればいいと思います。

園ではかけっこやお絵かきなど、みんなで遊ぶ集団遊びの時間があります。先生は、子どもがその遊びに楽しく参加できているかをチェックポイントのひとつにしています。わが子ができているかどうかを、こっそり聞いてみるのもいいかもしれません。

「オムツ(紙パンツ)が取れず、入園までに間に合いそうにない」

入園時点では、3歳未満の子どもはもちろん、3歳児(年長クラス)でも2~3割の子どもが紙パンツをはいています。
3歳児は、排せつや衣服の着脱などでまだまだ月齢の差が激しいことを園もわかっているので、心配は無用です。

ただ3歳未満児と違って、先生は多いときは20人の子どもを一人で見ています。
園で働いていた私から言わせていただければ、「着替えと排せつはまだ一人でできなくていいが、できていればとても助かる」が本音です。
完全にはできなくてもいいので、今から一人で着られるものを少しでも多くし、トイレに座る経験をしておくと、子どもの自立や自信にもつながり、園も大いに助かります。

園では紙パンツをはいている子どもにもこまめにトイレを促してくれます。
入園時には取れていなかった子どもも、薄着のシーズンになるころにはほとんどの子どもが取れるようになります。
今は取れていなくても大丈夫ですよ。

「入園までにやってはいけないことは」

最後に、「園に行くまでにやってはいけないこと」をご紹介しましょう。

それは、「そんなことでは幼稚園(保育園)に行けない」「それでは先生に怒られるよ」と言った脅しのような言葉をかけることです。
子どもにマイナスのイメージを植え付けてしまい、行く前から園を嫌がってしいます。

今は「園にはたくさんのおもちゃがあるよ」「いろんなダンスを踊れるよ」など、「その日」が楽しみになるようなお話をたくさんしてほしいと思います。

まとめ & 実践 TIPS

入園前にはいろんな不安や心配があるかもしれませんが、幼稚園や保育園で待っているのは保育のプロの先生方です。
「何も心配せず、その日を楽しみに待つ」というのも、入園までにやっていただきたいことのひとつです。

プロフィール


原坂 一郎

KANSAI こども研究所所長。23年間の保育所勤務時代には、どんな子どもも笑顔になるユニークな保育が注目され「スーパー保育士」と呼ばれた。現在は「こどもコンサルタント」として、子どもおよび子育てに関する研究・執筆・講演活動を全国で展開している。

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