トイレトレーニングにおすすめの絵本と解説本

【臨床心理士監修】トイレトレーニングは2~3歳頃に本格的に始まります。その前にお子さんがトイレやおしっこのイメージがつかめるように、絵本の読み聞かせをしていきましょう。

絵本によるトイレトレーニングの効果

トイレトレーニングを始めるときには、まず「おしっこ」「うんち」「トイレ」について、お子さんに興味をもってもらう必要があります。おうちのかたがトイレに行くところを見せるという方法もありますが、最初はお子さんにとって身近な「絵本」を利用しましょう。

絵本のいいところは、おうちのかたとお子さんが同じ世界を共有できることです。トイレにまつわる絵本をお子さんと一緒に読むことで、楽しみながら「トイレができるようになる」ことに肯定的なイメージをもつことができます。絵本で「イメージトレーニング」をしておくと、自然とトイレに関心をもつことができ、トイレトレーニングをスムーズに進めることができるでしょう。

子育て経験者がおすすめする!トイトレ絵本14選

トイレやおしっこ、うんちにまつわる絵本はたくさん出版されています。トイレトレーニングに使える、「実際に役に立った」「子どもが気に入って何度も読んであげた」絵本を厳選してご紹介します。

『ノンタン おしっこしーしー』  みんな大好き!人気のノンタンシリーズ

(作・絵/キヨノ サチコ、出版社/偕成社、価格/600円+税)
30年近くも読み継がれている、トイレトレーニング絵本のロングセラーです。「おしっこ」と「しーしー」の声かけが何度も出てきて、お子さんのなかで「しーしー」がおしっこの合図ということが自然に定着します。おしっこを失敗してしまうノンタンを見て、お子さんも「失敗しても大丈夫」と安心できるでしょう。おまるが出てくるので、トイレトレーニングにおまるを使おうと考えているおうちのかたにおすすめです。

『ひとりでうんちできるかな』  動物たちがおまるでうんちする!めくって楽しいしかけ絵本

(作/きむら ゆういち、出版社/偕成社、価格/680円+税)
「うーん、うーん」とがんばるかいじゅうさんを応援したり、大きなうんちが出たら「パチパチパチ」と一緒に拍手したり、お子さんがページをめくりながら楽しく読み進めることができます。うんちが終わったら手を洗って、パンツをはいて…という流れも描いてあるので、トイレトレーニングにぴったりです。「おしっこはできるけど、なかなかうんちができない」というお子さんにおすすめの絵本です。

『あけて・あけてえほん といれ』 シンプルイズベスト!おまるさんが見開きにドーン!

(作・絵/新井 洋行、出版社/偕成社、価格/600円+税)
お子さんに大人気の「あけてあけてえほん」シリーズです。「といれさん」「はーい」「ぱかっ」という掛け合いで楽しくページをめくりながら読み進められます。トイレ内での動作が一つずつ楽しく紹介されているので、お子さんが「実物のトイレでもやってみたい!」という気持ちになる絵本です。

『うんちがぽとん』  最後は一緒におしっこバイバーイ!うんちバイバーイ!

(絵・文/アロナ・フランケル、訳/さくま ゆみこ、出版社/アリス館、価格/800円+税)br イスラエルの絵本作家が書いた、世界中で愛読されている絵本です。オムツにうんちをする赤ちゃんを見て、「ぼくはおばあちゃんに買ってもらったおまるにするんだ!」とやる気を出す男の子。失敗してがっかりしたり、成功して喜んだり、子ども目線でお話が進むので、お子さんもきっと共感してくれるでしょう。

『うんちでるかな?』 動物たちのうんちの出る音がおもしろい!ページを広げるしかけも楽しい!

(作/新井 洋行、出版社/講談社、価格/950円+税)
いろいろな動物の、いろいろな形のうんちが出てきます。うんちが出るときの音が「ずぼぼーん」「ぺしゃ」「ひょろーん」などバラエティに富んでいるので、お子さんと一緒に声に出して読むと盛り上がります。お子さんが自分でページをめくる楽しみもあり、何度も「読んで!」とせがまれること間違いなし! 小さなお子さん向けの絵本はおまるが出てくることが多いのですが、この絵本は補助便座が登場します。トイレトレーニングに補助便座を使おうと考えているおうちのかたにおすすめの絵本です。

『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』  優しい気持ちで子どもに向きあえるようになります

(作・絵/ひろかわ さえこ、出版社/アリス館、価格/880円+税)
何度もトイレを失敗してしまうぷくちゃん。そのたびに「大丈夫、パンツまだあるわよ」とお母さんが優しく対応します。トイレは「失敗してもいいんだよ」ということがお子さんに伝わる絵本です。巻末にかわいいパンツがたくさん出てくるので、お子さんと一緒に「どれが好き?」と選ぶのも楽しいですよ。おうちのかたも、こんなふうに楽しくゆったりトイレトレーニングができたらいいな、と思える絵本です。

『ぱんつも いいな』  お兄ちゃんになる様子が子ども心をくすぐる1冊

(作・絵/いとう ひろし、出版社/講談社、価格/850円+税、品切れ・重版未定)
オムツをやめてパンツをはくことにした男の子。どこでも好きにおしっこやうんちをする赤ちゃんを「うらやましい」と思う気持ちから、自分で「うんち」と言えるようになるお兄ちゃんの気持ちへ成長する様子が描かれます。パンツデビューしたお子さんが共感できる絵本です。

『ゆっくとすっく トイレで ちっち』  かわいい絵とトイレで、トイレに行くのが楽しみに!

(絵/さこ ももみ、作/たかてら かよ、出版社/ひかりのくに、価格/850円+税)
かわいらしい絵とお話が人気の「ゆっくとすっく」シリーズ。「こんなトイレがあったらいいな」と思える楽しいトイレがたくさん登場します。「もれちゃうもれちゃう」とトイレにかけ込む動物たちもユーモラス。思わずお子さんも「トイレに行ってみたい」と思える絵本です。

『もっちゃうもっちゃう もう もっちゃう』 トイレに間に合わない!と大騒ぎの男の子に大爆笑

(作・絵/土屋 富士夫、出版社/徳間書店、価格/1,400円+税)
外出時、急におしっこがしたくなってトイレに行こうとするけど、どこのトイレもいっぱいで大慌ての主人公。「もっちゃうもっちゃう」とトイレを探す男の子の奇想天外なストーリーに、思わず笑ってしまう楽しいお話です。外出時になかなかトイレに行ってくれないお子さんに、「お出かけのときは、トイレは早めに言おうね」ということが、楽しく伝わる絵本です。

『みんなうんち』  動物も人間もみんな一緒!食べたらうんちが出ることを学べる

(作/五味 太郎、出版社/福音館書店、価格/900円+税)
大小さまざまな動物たちのうんちの形、うんちの仕方が紹介されていて、人間も動物も同じようにうんちをすることがわかる科学絵本です。五味太郎さんの絵が素敵なので、「うんち」が汚いものではなく、大切なものであることが自然と伝わります。

『おとこのこ トイレ』 男の子のトイレトレーニングの疑問を解決!

(著/江東区南砂さくら保育園、jinco、出版社/ポプラ社、価格/950円+税)
男の子にトイレのやり方を教えるときに困る「立っておしっこする方法」や「和式便座の使い方」などが詳しく載っています。お子さんだけでなく、おうちのかた向けの解説も充実していて、トイレトレーニングの教本として一冊あるととても便利です。男の子にトイレを教えるのに困ったことがあるおうちのかたにおすすめの絵本です。

『おんなのこ トイレ』 女の子バージョンも参考になります!

(著/江東区南砂さくら保育園、jinco、出版社/ポプラ社、価格/950円+税)
「おとこのこトイレ」と同じシリーズの女の子版です。女の子のトイレトレーニングで困る「うんちの拭き方」「トイレットペーパーの使い方」「和式便座の使い方」など、女の子のトイレトレーニングで知っておきたい情報が満載です。

『おむつはずしが できる できたよ!トイレ』  音が出るしかけ絵本!うれしいシールつき!

(監修/三石 知佐子、絵/柏原 晃夫、出版社/ポプラ社、価格/1,200円+税)
レバーを動かすと光ったり、水が流れる音がしたりと、しかけが楽しい絵本です。トイレがうまくできたときに貼るポスターとシールもついています。「この本のおかげで子どもがトイレに行くようになった」という声も多く、トイレトレーニングがマンネリ化してきたときにおすすめの絵本です。

『はるちゃんトイレ』 トイレトレーニングにつまずいたときに読んでほしい!元保育士が教える子どもの気持ち

(文/中川 ひろたか、絵/田中 靖夫、出版社/文溪堂、価格/1,000円+税)
「はるちゃん、おトイレいってらっしゃい」。そう言われるけれど、なかなかトイレにたどりつかないはるちゃん。近くて遠いトイレまでの道のりに、読んでいるとやきもきさせられますが、いろいろなことに興味をもつお子さんの気持ちが伝わってきます。元保育士の中川ひろたかさんが実体験から作った絵本なので、お子さんも共感しながら読んでくれるでしょう。トイレトレーニングがうまくいかないとき、お子さんの目線に立ってみることの大切さを思い出させてくれる絵本です。

おうちのかたが読むトイトレ解説本おすすめ4選

トイレトレーニングは一進一退、うまくいかないこともよくあります。おうちのかたがイライラしたり、不安をもっているとそれがお子さんに伝わって、かえってトイレトレーニングが停滞することも・・・。おうちのかた向けのトイレトレーニング解説本は、いろいろな体験談や専門家のアドバイスが豊富で、悩みを解決してくれるヒントがきっと見つかります。トイレトレーニングを進めるために役立つ解説本を6冊ご紹介します。

『短期速効 2才・3才が勝負! おむつはずれ』

(編/たまひよっこクラブ編集部、出版社/ベネッセコーポレーション、価格/838円+税)
実際にトイレトレーニングをしたおうちのかたの体験談や、お子さんのタイプ別アドバイス、疑問に答えるQ&Aなど、今すぐ使えるアイディアがいっぱいです。いろいろなトイレトレーニングの形が見えてくるので、おうちのかたもきっと楽になりますよ。
こちらからご購入いただけます。

『カリスマ・ナニーが教える 1週間でおむつにさよなら! トイレトレーニング講座』

(著/ジーナ・フォード、訳/高木 千津子、出版社/朝日新聞出版、価格/1,200円+税)
数々のセレブや有名人の赤ちゃんを世話してきた、イギリスのカリスマ・ナニー(プロのベビーシッター)が伝授する、1週間でオムツがはずれるトイレトレーニング法です。トレーニングまでの準備、1週間の具体的な進め方などが詳細に描かれています。うまくいかない場合のアドバイスも豊富で、「なるべく短期間でトイレトレーニングを終わらせたい」というおうちのかたに人気があります。

『Go! Go! トイレトレーニング』

(著/主婦の友社、出版社/主婦の友社、価格/830円+税)
トイレトレーニングの基礎知識から体験談、Q&Aなどがコンパクトに詰まった人気のムック本がリニューアル。最新のトイレトレーニング事情やママたちから集めたリアルなデータも掲載しています。基本のトイレトレーニング以外にも「1日でおむつはずし」「いきなりパンツ」などいろいろなバリエーションのトイレトレーニングを紹介しています。付録のトイレの蓋に貼って使う「動物ニッコリトイレ型紙」と、ポスター型「ヤル気アップチェックシート」も人気です。

『親子で楽しむ!おむつなし育児 0歳からできるナチュラル・トイレトレーニング』

(著/ローリー・ブーケ、訳/望月 美和、解説:三砂 ちづる出版社/河出書房新社、価格/1,500円+税、版元品切)
「おむつなし育児」と聞くと、とても変わった方法に思えますが、世界中の赤ちゃんを母数にすると、オムツを使っている赤ちゃんは少数派だそうです。オムツをはかせないとおうちのかたと赤ちゃんのスキンシップが密になることや、小さな赤ちゃんでもおしっこができるようになることなど、目からうろこの育児法です。「一つのやり方にとらわれない」という意味で、参考にしてみてもいいかもしれません。

トイレトレーニングに使える!ベネッセのサイト、グッズ、教材など

その他にもトイレトレーニングを楽しく進めるために使えるアプリやゲーム、グッズなどをご紹介します。

トイレトレーニングに使えるインターネットサイト【しまじろうクラブ】

〈こどもちゃれんじ〉がお届けするインターネットサイト【しまじろうクラブ】にはトイレトレーニングに使える簡単なゲームがあります。

『でた うんちをほうこくしよう』

『せいかつしゅうかん バッチリ クイズ』

トイレトレーニングを楽しく進めるグッズ

トイレトレーニング応援カレンダー(シール台紙)&メダル ダウンロード

〈こどもちゃれんじ〉の教材で楽しくトイレトレーニング

【こどもちゃれんじの教材申込み】はこちら

トイレトレーニングのやり方、進め方について詳しく知りたい場合は【Benesse教育情報サイト】がおすすめ

「トイレトレーニングはいつから」

絵本や教材を利用して楽しくトイレトレーニングを進めよう!

絵本の読み聞かせはおうちのかたとお子さんの信頼関係を深めるのにとても役立ちます。絵本を通じて「トイレトレーニングをがんばろうという気持ち」や「うまく行かなかったときの悔しい気持ち」「失敗しても大丈夫という安心感」などを、おうちのかたとお子さんで共有できると、トイレトレーニングをスムーズに進めることができます。

おうちのかたは、「どうしてうまくいかないのだろう」と困ってしまったときに、ぜひ解説本や体験談を読んでみてください。共感できることや、役立つアドバイスがたくさんありますよ。

プロフィール



「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)

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