運動が得意になる! 親子でできる体幹トレーニング【実践編】

スポーツの秋になりました。かけっこが速くなりたいと思っているお子さまのために、保護者のかたが教えてあげられる体幹を使ったトレーニングをご紹介します。
教えていただいたのは、エリアベネッセ青山で行われた「かけっこ教室」で、「Core Run(コア ラン)」という体幹トレーニングを教えてくださった、「うごきのクリニック」の後藤淳一コーチです。幼児から小学生のお子さままで、かけっこが速くなるだけでなく、運動ができるようになる力が身につくトレーニング方法の基礎について伺いました。

走るのに必要な体幹チェックをしてみよう

速く走るにはまず、正しい立ち方ができているか、保護者のかたと一緒に体幹チェックしてみましょう。測定のしかたはこうです。

【立ち方測定】
(1) お子さまに楽な姿勢で立ってもらう
(2) 保護者のかたがお子さまと目線を合わせて向き合う
(3) お子さまの肩に両手を置いて真上から押す

このとき、お子さまの体がグラグラと動かなければ正しい立ち方ができているといえます。体が反ったりユラユラ揺れてしまう場合は、体幹がブレているということ。おなかを隠して猫背になるよう意識しましょう。想像しているよりずっと猫背の姿勢を取れないと、体はブレてしまいます。

正しい立ち方のトレーニング

立ち方測定をして体がブレてしまったら、これを直すトレーニングをします。

【壁を使った足踏み】
(1) 壁に、「かかと」「お尻」「肩甲骨」がつくように立つ
(2) この3点を壁から離れないようにして、ゆっくりひざを上げ下ろし(足踏み)する
(3) その場で5分間上げ下ろし(足踏み)を続ける

このとき、胸を張ってしまうと肩甲骨がつかないので、少し体を丸くします。腰のところに手が入らないくらいのイメージです。保護者のかたは、お子さまがひざを上げたときに、きちんと上がっているかチェックしてあげてください。ポイントは、ちょうど足の付け根にかかとが来るくらいまで上がっているか、そして腿(もも)と地面が平行になるところまで上がるようにします。もし少しでも足が開いていたら少し内股になるように直してあげてください。

壁を使った足踏みができるようになったら、同じ動きを意識して、何もない場所での足踏みにも、5分間チャレンジしてほしいと思います。これが、正しい歩き方のトレーニングになるからです。また、この足踏みの動作は「腿(もも)上げ」にも活用できます。

基本動作を「走って」できるようになることが最終目標!

このほかにも、体幹を鍛える「基本動作」はたくさんあります。ひざを曲げずにかかと・つま先だけ上げる動作×10回、腿(もも)上げと呼ばれる、腿(もも)を腰の位置まで上げて歩く動作、けんけん×10回や、スキップもそうです。これらの基本動作がゆっくり正確にできるようになったら、次は速くできるように挑戦し、最後には走って同じ動作ができるようになることを目指します。

今回ご紹介した体幹トレーニングの基礎は、おうちですぐに始めることができます。習い事やスポーツ教室と同じように、足踏みやけんけん、スキップなどの基本動作を組み合わせて、一週間に2~3回続けていけるのが理想です。体幹を鍛えることは、かけっこだけでなく、運動ができるようになる体を作ることにもつながってきます。

運動会直前でかけっこに不安を抱いているというお子さまには、ここで紹介した5分間の足踏みと腿(もも)上げだけでもできるようになるよう、保護者のかたが教えてあげてもいいでしょう。

ぜひ、保護者のかたもお子さまと一緒に、今回紹介したトレーニングにチャレンジしてみてください。ちなみに、壁を使った足踏みは腰痛予防にもなりますよ!

プロフィール


後藤淳一

うごきのクリニック代表。http://ugoki-clinic.com/
スキー・水泳など多数の全日本クラスの選手の指導を経て、1998年に慶応義塾大学医学部競走部のコーチに就任。2004年より「Core Run(0歳からのかけっこ教室)」を主宰し、子どもの運動能力の開発にも力を注いでいる。

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