腕は前に振る?後ろに振る?これで苦手なかけっこが得意になる!【基礎編】

スポーツの秋を迎え、運動会やスポーツイベントなどで運動に接する機会が増えたご家庭も多いのではないでしょうか。そこで、かけっこが速くなりたい、運動が得意になりたいと思っている幼児から小学生のお子さまに、保護者のかたが教えてあげられる体幹トレーニングについてご紹介します。
エリアベネッセ青山で行われた「かけっこ教室」で講師を務められた「うごきのクリニック」代表の後藤淳一コーチに、体幹と運動の関係について教えていただきました。

体幹を鍛えれば、だれでも速く走れる力がつく!

速く走る能力やいわゆる運動神経は生まれもった能力で、かけっこが得意でない子が練習しても、あまり速く走ることはできない。そんな風に考えていらっしゃる保護者のかたがいらっしゃるかもしれません。でも、それは大きなかんちがい。今からお教えする見本を参考にして訓練すれば、だれでも速く走る力を身につけることができます。

わたしが主催する「うごきのクリニック」では、体幹を使った「Core Run(コア ラン)」というトレーニングを取り入れています。
体幹というのは、頭と両手両足以外の胴体の部分。すべての動きの基本となる場所です。ここを鍛えることによって、体のバランスを上手に取ることができ、運動するときに力を出すことができるようになるのです。

速く走れるのはどっち?

さて、ここで歩くとき、走るときの腕の振り方と足の着地について、二つ質問です。お子さまと一緒に考えてみてください。

Q. 腕はどちらに振りますか?
A.前に振る B.後ろに振る

Q. 足はどちらから着地しますか?
A.かかと B.つま先

答えは、両方ともAです。
まず、歩くときも走るときも手は前に振ります。肩関節は体の前側にあるため、腕は前には上がりますが、後ろに上げるには、胸を張って反らせないかぎりはかなり可動域が小さくなります。陸上選手のように速く走る選手の場合は、後ろに引いてから反動をつけて前に腕を振る場合がありますが、これを幼児~小学生の子どもがやるのは少し難しいといえます。保護者のかたが教えてあげる際には、「まずは前に振って後ろに戻す」ということを教えてあげましょう。
また、歩くときも走るときも重心は体の前に移動するので、足はかかとから地面に着きます。まず体の前にかかとがつき、重心移動をして、さらに反対側の足が前に出る……というのを速いスピードでやっているのが、「走る」という行為になります。

速く走るために身につけたい、正しい姿勢とは?

次に、立っているときの姿勢についてお話しします。
保護者の皆様は、立っているときの正しい姿勢は、Aの胸を張った状態と、Bの猫背の姿勢、どちらだと思われますか。

一般的に美しいとされる姿勢は、胸を張り、背筋を伸ばした状態の姿勢を想像されていると思います。ただ、実際の人間の背骨はS字状ですから、背中のところは丸くなり、お尻と首は前に出ています。姿勢としては、背中が丸まった猫背の状態というのが、体に負荷がかかっていない正しい姿勢になります。
前の部分で説明したように、胸を張って立っていると腕は前に振りにくくなり、地面を蹴る力が出しにくくなります。

運動ができる体を作るには、保護者のかたがよい見本となり、正しい動作を子どもに教えてあげることが大切です。良い見本さえあれば、お子さまの運動する力はどんどん伸びていきます。
次回は、お子さまに教えてあげられる体幹トレーニングの基本についてお伝えします。

プロフィール


後藤淳一

うごきのクリニック代表。http://ugoki-clinic.com/
スキー・水泳など多数の全日本クラスの選手の指導を経て、1998年に慶応義塾大学医学部競走部のコーチに就任。2004年より「Core Run(0歳からのかけっこ教室)」を主宰し、子どもの運動能力の開発にも力を注いでいる。

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