保護者の都合で幼稚園・保育園を休ませたり、預けたりしていいの?考えておきたい点や相談のポイントは?
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「親の都合で園を休ませたり、預けたりしてもいいの?」と悩んだことはありませんか?
「家族旅行で休ませたい」「仕事は休みだけど、用事を済ませるために預けたいな」など迷うこともあるでしょう。この場合、どのような点に注意して対応すればよいのでしょうか。
國學院大学 人間開発学部 子ども支援学科の塩谷香教授に伺いました。
3歳以上と3歳未満で事情は異なる
保護者の都合で休ませるにせよ、預けるにせよ、園での活動やお子さまの様子を踏まえて保護者がしっかり判断することが大切です。その際、3歳以上と3歳未満では考えるポイントが異なります。
3歳以上の子どもの場合
3歳以上であれば、園で行われているカリキュラムの状況と、お子さまの園での活動意欲を踏まえて判断することが大切です。
特に3歳未満の子どもは、親子の時間をたくさん作ってもらう方がよいと考える保育士も多いです。「こんな理由で休んじゃダメかな」と思う必要はありません。言いにくいなら「私用で」と伝えればOKです。
幼稚園・保育園・認定こども園はそれぞれ異なる施設ですが、「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」によって示された幼児教育への基本的な考え方は変わりません。各園では、園の環境や地域性、子どもの状況に応じてカリキュラムを作成し、さまざまな保育内容を計画的に行っています。そのため、毎日の積み重ねが大切です。
休むことで活動の流れが変わると、お子さまが戸惑ってしまうこともあるかもしれません。もちろん、先生が細やかにフォローしてくれますが、家庭でのフォローの在り方も考えておけると安心ですね。
また、お子さまが休むことをどう感じるかを確認しておくことも大切です。
「明日、園をお休みしようと思うんだけど、どうかな?」と聞いてみると、「○○があるからやりたい!」と話すかもしれません。その場合は、「じゃあ、お昼に迎えに行こうか」といった選択肢も考えられるでしょう。
こうした判断をスムーズにするためにも、 普段から園の活動に関心を持ち、先生や子どもから情報を得ておくことが大切です。
3歳未満の子どもの場合
3歳未満の子どもは、体力的な負担や生活リズムの影響を考慮することが大切です。
この時期はまだ体力が十分に発達しておらず、長時間の保育で疲れがたまりやすいもの。お子さまの様子や表情、行動をよく観察し、疲れていると感じたら休ませるのも一つの選択肢です。言葉で気持ちを伝えるのが難しい年齢だからこそ、保護者が関心を持って普段の様子との変化に気付いてあげられるようにしたいですね。
各園では発達を踏まえた保育内容や支援が計画されています。家庭の都合で休ませる場合は、事前に先生に伝えておけるといいですね。また、保護者の仕事の都合で子どもに無理がいかないように配慮をしておくことも大切です。急な発熱などもよくあることなので、予め対処法をどうするか家庭で話し合っておけるといいですね。
園を休ませることはどう相談する? 日頃のコミュニケーションがポイント
保護者の都合で休ませる場合は、一方的に伝えるのではなく、園と相談することが大切です。そうすることで、お子さまが戸惑うことにならない最適解を一緒に考えやすくなります。
たとえば、「◯月◯日に家族で出かけるため、お休みを考えているのですが、大丈夫でしょうか?」と相談すると、園の先生から「今、作品作りの仕上げのタイミングなので、可能なら午前保育で早めのお迎えのほうがいいかもしれません」など、園での活動状況に応じたアドバイスをもらえることもあります。
こうした気軽な相談をしやすくするためには、日頃から先生と良好なコミュニケーションを取っておくことが大切です。
園とのコミュニケーションはどう深めていく?
日頃から先生とコミュニケーションを取っておくことが大切といわれても、どのようにすればいいのか迷われることもあるでしょう。仕事などで、なかなか先生と顔を合わせることができないということもあるかもしれません。
大切なのは「忙しいから」とコミュニケーションを取らないままでいないことです。次の例を参考に、できることをしてみてくださいね。
● 送り迎えの際に、先生と短い会話を交わす。
● バス通園の場合は、連絡帳や電話で関係を築く。時には、直接送迎に出向いて先生と話す機会を持つ。
● 他の保護者と情報共有し、園での活動を知る。
● 相談したいことがある場合は、遠慮せずその旨を伝える。
短い時間でも、間接的なコミュニケーションでも、関わりを少しずつ積み重ねていくことで信頼関係が生まれ、情報を得やすくなるものです。コミュニケーションは面倒……と思うこともあるかもしれませんが、少しのコミュニケーションの積み重ねが子育てを楽にしてくれるかもしれません。
家庭と園との協力関係を大切に
家庭と園は、環境は違っても共に子どもの成長を支える存在です。子育ては、家庭だけがするものでも、園だけがするものでもありません。子どものためにも、協力関係を大切にしたいですね。
協力関係が築けていれば、困った時にも家庭で抱え込むことがなくなります。たとえば、お子さまが「園に行きたくない」と言った時にも、先生と一緒に改善策を考えやすくなります。「園でも最近、こういう様子なんです。もしかしたら、こういうことにストレスを感じているのかも」と話し合うことで、お子さまにとってよりよい対応を早く取れるようになるでしょう。
なお、いくら普段からコミュニケーションが築けていたとしても無断欠席や長期の休みを直前に伝えることはNG。 園側も計画を立てて活動を進めているため、スケジュールに影響を与えてしまいます。休みを考える時は、できるだけ早めに相談するようにしましょう。
保育園の場合、保護者が休みの日に預けてもいい?
保育園に通わせている保護者のかたであれば、仕事が休みの日にお子さまを保育園へ預けてもいいか迷うこともあるかもしれません。保護者がリフレッシュしたい、普段なかなか行けない役所の手続きに行きたいといったこともあるでしょう。
まずは、園の方針を確認することが大前提です。 園によっては「保護者が休みの日は家庭保育が望ましい」としている場合もあるため、事前にルールを把握しておきましょう。
また、迷ったり気が引けたりするのであれば先生に相談してみてください。「有給休暇なのですが、役所の手続きがあるので預けても大丈夫でしょうか?」 といった相談も、園とのコミュニケーションになりますよ。
子どもにとって特別な日にしてあげる
仕事が休みの時に保育園に預ける際は「どうして今日は園に行くのか」 をお子さまに伝えることも大切です。また、早お迎えにするなどお子さまにとって特別な日にしてあげてもよいかもしれません。
「今日、ママは歯医者に行くからお仕事お休みなの。その間、保育園に行ってもらうけど、お迎えはいつもより早い15時に行くね!」
などと伝えてあげてください。特に3歳以上は先の見通しがきくため「今日は特別」と1日中ごきげんに過ごせるはずです。
まとめ & 実践 TIPS
親の都合で休ませる時も、預ける時も、お子さまが戸惑わないようにすることが大切です。そのために、園の活動やお子さまの様子を把握し、先生とも相談しながら最適な選択をできるようにしていってくださいね。
編集協力/岡聡子、Cue`s inc.
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