「しっかりしなさい!」は逆効果? 連休明けの子どもへの対応方法
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「連休明けにやる気が起きない、もしかして子どもが5月病かもしれない」。そんなとき、我が子にどのように声をかけ、対応すればいいのでしょうか。考えてみましょう。まずは『連休明けのやる気が起きない——そんなときの我が子の心の中を知ろう』をご一読ください。

「五月病かも」という指摘はしない
まず気をつけていただきたいのは、五月病という言葉や意味を正しく知らない子どもに対して、「五月病かもしれないね」と安易に指摘しない、ということです。五月病は程度によってはうつ病や適応障害にもつながる可能性もありますが、時間とともに自然と症状が良くなるものがほとんど。一方で、「病」という印象の強さに負け、逆にどんどん落ち込んでしまうこともあります。ですから、あくまでも「普段と体調が違う感じがする?」「疲れが残っている感じ?」と、深刻にならない言葉を使って声がけし、確認をしてみましょう。
単純な体の疲れの場合も。無理をせず休ませることが大切
体の調子が悪いと、気持ちも沈みがちになるものです。やる気が起きないのは単純に体の疲れが残っている場合もありますので、塾や部活動など、学校の授業以外に休めるものは、お休みを取るよう勧めてみましょう。あくまでも短期間の休憩です。「今日だけ塾をお休みしてみたら?」と親のほうから勧めることで、「さぼるようで言いにくい」と考えていた子どもも安心します。
とはいえ、家でだらだらするだけでは、逆に疲れてしまう場合もあります。適度に体を動かすほうがリフレッシュできることも多いので、近場でのショッピングやスポーツなど、気分転換やリラックスできることを提案してみましょう。「たまにはお茶に行こう」と声をかけるのもいいですね。普段出てこない話題が出るかもしれません。
疲れの原因を知ることも重要。4月を親子で振り返ってみしょう
自分が何を頑張っていたのか。何に対して、どのように疲れてしまっているのか。その原因を考え、自分自身の負担を把握することで解決策も見つけやすくなり、気持ちがすっきりすることもあります。少し考え込んでしまっている場合には、親子で話す時間を作り、連休前までの振り返りをしてみましょう。
「新しいクラスはどう? 最初は気を使って大変じゃない?」「今の生活のリズム(起床時間・勉強時間など)には慣れた? 少し違うだけでも疲れちゃうよね」など、親である自分もそうだった、といった雰囲気で4月の変化について話してみます。子どもからすれば、根掘り葉掘り聞き出されるのはうっとうしく感じてしまうもの。「なるほど、自分はそういうことで疲れているかもしれないな」と考える“ヒント”のレベルで声がけをすれば十分です。
もちろん、これをきっかけに悩みや、あるいは愚痴のような言葉が出てきたら、じっくり聞いてあげましょう。人に話すことで気持ちが整理でき、これだけでも気持ちを切りかえる手助けになります。
誰にでも疲れて立ち止まってしまいたいときはあります。それは大人も子どもも同じです。連休が終わったからといって、カレンダー通りにうまく気持ちを切りかえられるわけではありません。何日かのずれがあるのも当然のことだと考え、ゆったりした気持ちで子どもを見守ることも大切です。楽しく会話する、おいしいものを食べる、気持ちよくお昼寝する——たとえばそんな「ちょっとほっとする時間」も、心と体の回復には必要だと考えてみてください。