見守るだけ?アドバイスすべき?子どもの進路選択に保護者はどうかかわる?

文理選択や科目選択など、志望大を決める前に進路の方向性にかかわる意思決定に迫られて、親子ともども焦ってしまったり不安になったりすることもあるかもしれません。
夏休みにはオープンキャンパスへの参加が推奨されますので、この機会にお子さまの進路選択に保護者がどうかかわればいいのか、コーチングの視点で一緒に考えてみましょう。

この記事のポイント

1.何に心が動くのかは本人にしかわからない

どういう進路に進めばいいのか、お子さまよりも長く社会に触れてこられている保護者だからこそ、あれこれアドバイスしたくなりますよね。
幸せな人生を歩んでほしい、失敗してほしくないと思えば思うほど、正解を求めてしまいます。
でも、何を面白いと感じるか、どんなことを深く学んでみたいと思うのかは本人にしかわかりません。「オススメの大学・学部」なんて、存在しないのです。

実は我が家でも、長女が公認会計士に興味があると言った時に、つい「AIに代替される職業だといわれているよ」「細かい作業ばかりで大変だと聞くよ」などと横やりを入れてしまい、人の夢を否定的な言葉で邪魔する「ドリームキラー」とはこのことだ、と後悔したことがありました。
我が子とはいえ、子どもは別の人格を持った個人であり、面白さややりがいを感じる観点は違います。
本気でなりたいのであれば仕事内容はもちろん、将来性や適性なども自分で調べるもの。まずは興味のあるテーマが見つかったことを一緒に喜んであげたいですね。

2.知らない進路は選べない。どれだけの選択肢を知っているのか確認する

興味を持てることは本人にしかわからないとはいえ、身近で知っているものに飛びついて「もうやりたいことは見つかったからほかを探す必要はない」と情報を遮断してしまうのはリスクがあります。
小学生のなりたい職業に「サッカー選手」や「学校の先生」などが多いのはそれしか知らないからという側面もあります。

仮に興味が持てるテーマが見つかっているとしても、ほかと比較することで「やっぱりこれがやりたい」と確信できるかは確かめておきたいもの。
私は高校生に進路アドバイスをする際、まず最初に学問系統が一覧になっているものを見ながら「どうしてもこれは無理」と思うものを消していく「消去法」から始めることを提案していました。
>>学問系統のまとめ(Benesseマナビジョン)

そうすることで世の中にある学問の種類すべてに一度は触れることになるからです。
新しい職業がどんどん生まれている今、なりたい職業から逆算して学びたいことを決める従来の進路選択には無理があります。
それよりも、目的と意思を持って学びたいことをしっかり学ぶ、そこで身に付けたスキルや知識を社会にどう生かしていくかを考えるというキャリア選択のほうが、時代の変化にも柔軟に対応できるのではないでしょうか。

幅広い選択肢の中から、目的と意思を持って学びたいことは何かをじっくり見極められるように、お子さまが狭い視野で考えてしまっていないか意識してあげていただきたいと思います。

3.「見るべき観点」のアドバイスを

自分が何に心が動くのかを確かめるためにも、お子さま自身が大学や学問の情報を調べることが大切ですが、その時に見るべき観点に漏れがないようにアドバイスしてあげるといいですね。
私は以下の3点は必ず確認するようにアドバイスしています。

1.どんなことを学べるのか、必修教科や研究室の内容などを確認
何が学べるのかは大学案内の説明文だけではなかなかつかみきれないもの。
その学科に進学した場合の必修科目にはどんな科目があるのか、自由履修としてどんな科目が選べるのか、専門に分かれたあとはどのようなゼミがあるのかなどを調べてみると、具体的なイメージを持ちやすくなります。
たとえば私は大学で日本文学を学びましたが、私の大学の場合は3年次から日本文学と日本語学に分かれ、文学系のゼミは「中世文学」か「近現代文学」だったので、源氏物語などの平安文学を学びたい場合にはゼミがない、ということでした。
同じ学部学科名でも大学によって学べる内容は違います。それを確認できるのが履修科目(シラバス)でありゼミなので、しっかり見ておきたいもの。
興味のあるジャンルが見つかれば、オープンキャンパスなどで公開授業を受けてみるとより確かですね。学べる内容だけは「思っていたのと違った」という後悔を避けられるようにしっかり調べておくことをおすすめします。

2.大学のサポート体制と姿勢
就職活動や留学支援などはもちろん、オンライン授業やICTを取り入れるなど、時代の変化に対応しているか、グローバル感覚を身に付けられる環境は整っているのかなど、大学を「時代への対応力」という視点で見てみることも大切です。
変化に取り残されないためにも、大学側の姿勢に注意を払っておくと安心です。お子さまで判断が難しい場合は保護者のかたが一緒に確認してあげてください。

3.実際の大学生活をリアルにイメージできるか
通学時間や乗り換えの回数、駅からの距離、大学構内や周辺の環境など、無理なく通えて「居心地が良い」と感じられるかどうかは、感覚的ではありますがとても大切です。
「なんだか好きになれない」「自分に合わない気がする」と感じる場合は、どこにそう感じるのか考えてみましょう。途中でキャンパスが変わる場合は、面倒でも両方のキャンパスに足を運んでおきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

進路を考えるというのは本来ワクワクする楽しい作業。
保護者のかたも、どんな未来が待っているのか一緒にワクワクしながら見守ってあげてください。
もし調べるツールがわからない、調べてみたけれどイメージがわかないなど、お子さまからヘルプがあれば、「Benesseマナビジョン」の「学問を調べる」を見てみるように勧めるなど、助け船を出しながら、一緒に調べてみるのもいいですね。
あくまで自分の進む道はお子さまが自分で決める、保護者はそのための情報提供や意思決定に必要な思考を促す働きかけをする、くらいの距離感がちょうどいいのではないかと思います。

プロフィール

中原絵里子

中原絵里子

トラストコーチングスクール認定コーチ、マザーズコーチングスクール認定マザーズティーチャー。自分を信頼し、周りからも信頼されるためのコミュニケーションの技術を学ぶ講座「トラストコーチングスクール」や、子どもの自己肯定感を育むコミュニケーションを学ぶ「マザーズコーチングスクール」を提供する傍ら、目標に向けて継続的にサポートするパーソナルコーチングも。ライター、編集者としても活動中。『迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい』馬場啓介(あさ出版)に編集協力として参画。https://erikonakahara.com/

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