自分の考えを文章にするにはどうすればいいの?苦手な子にもできる国語力アップ術

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国語の授業で「自分の考えを書いてみよう。」と言われると、何を書いてよいのか分からない。国語は何だか苦手、つまらない。このように、国語に対して苦手意識をもっているお子さまも多いのではないでしょうか。
考えたり表現したりすることは急にできるようになるわけではなく、さまざまな場面で国語にふれる機会をもつことで培われる力です。
しかし、どうしたらお子さまが国語好きになり、かつ国語力を身につけられるのか分からないと、お悩みのかたもいらっしゃるかと思います。

そこで、今回はお子さまが「楽しい」「おもしろい」「もっとやりたい」と思えるような学習を通して「好き」の気持ちを引き出し、国語力がUPするヒントをご紹介します。

この記事のポイント

「対話」で自分の考えをもてるように促す!

国語の文章を読んで自分の考えをもつことができないというお子さまには、普段の会話や音読の機会を活用して、考えをもつ楽しさを感じさせてあげましょう。

まずは考えるきっかけをつくります。「もし出かけるなら山と海のどちらがいいか」、「今話題の〇〇のニュースについてどう思うか」など考えをもつきっかけになる問いかけをしてみてください。音読の機会がある場合は、お子さまが文章を読み終わったあとに、「〇〇の部分、どう思った?」などと聞いてみてください。

「ぼくは…」などと話し始めたら、「そういうふうに考えたんだね。」と共感しながら聞いてあげてください。答えられたら大いにほめてあげましょう。考えたことを言葉にし、おうちのかたに認めてもらえることで、もっと考え、もっと表現したくなります。
なかなか言葉が出てこない場合は、「〇〇と思ったかな? それとも××と思ったかな?」と二択で示してあげたり、YES・NOで答えられる質問からしてみたりするのもよいです。
慣れてきたら少しずつ「どうしてそう思ったのか」、「どこを読んでそう思ったのか」を聞いてみましょう。そうすることで根拠のある考えをもつことができるようになります。

また、お子さまに聞くだけではなく、おうちのかたの考えも伝えてみましょう。自分以外の意見にも興味をもつ姿勢や、自分の意見とどこが同じでどこが違うのかを比べる力が身につきます。

  • ・共感し、ほめながら対話する。
  • ・二択で示す、YES・NOで答えられる質問からするのも効果的。
  • ・おうちのかたの意見も伝える。

「ゲーム感覚の音読」で文章に親しむ!

音読が嫌い、飽きてしまった、そもそも文章を読むのに抵抗があるというお子さまには、ゲーム感覚でいろいろな音読の仕方に挑戦させてあげましょう。

音読を始める前に、読み方のお題を決めます。例えば、できる限り速く読み、制限時間5分間でどこまで読めるか(何回読めるか)に挑戦する「スピード読み」、文章の内容に合わせて声の強弱や抑揚・間の取り方などを工夫して読む「なりきり読み」、おうちのかたと一文ずつ交代で読む「かわりばんこ読み」などです。

「スピード読み」ですらすらと読めるということは、語のまとまりを理解しているということです。また、「なりきり読み」でどのような読み方が文章に合っているかを考えて読めるということは、文章の内容を理解できているということになります。

「かわりばんこ読み」でおうちの方と交代で読めるということは文章をきちんと目で追って読めているということです。「今日はどんな読み方で読もうかな」と楽しみながら力をつけられます。読み方のバリエーションや読み方の名前をお子さまと一緒に考えるのも楽しそうですね。

  • ・「スピード読み」で制限時間内に多く読む。
  • ・「なりきり読み」で登場人物になりきる。
  • ・「かわりばんこ読み」でおうちのかたと一文ずつ交代で読む。

「短文作り」で語彙力・表現力をUP!

同じ漢字を何回も書いているのになかなか覚えられない、習った漢字を使うことができないというお子さまには、短文作りがおすすめです。

まず、ノートの1マス目と2マス目の間に横に1本線を引きます。次に、新しく習った漢字をノートの1マス目にお手本を見ながら書きます。そして、2マス目以降にはその漢字を使った短い文を考えて書きます。どのような文にしようか考えるのが楽しく、どんどん書きたくなります。

短文が作れるようになったら、漢字ドリルや教科書の巻末、辞書などを見てもよいので、音読み・訓読みのそれぞれの読み方や違う熟語でも短文を作るように伝えてみてください。
例えば「温」という漢字だと、「温かい」「室温」「温水」などの言葉があります。多様な言葉を使って短文作りをすることで語彙が広がりますし、「こういう表現をしたらおもしろそうだな」、「こういう場面が思い浮かんだから、こういう文にしてみよう」などと考えることで、表現力も身につきます。

おうちのかたは、お子さまが書いたものを見て、漢字が正しく書けているか、漢字の使い方が合っているかを見てあげてください。また、間違っていても文を考えられたことをほめてあげてください。短文作りを通して、正しく漢字を書く力に加えて、漢字を活用して表現する力が身につきます。

  • ・新しく習った漢字を使って短文作りをする。
  • ・音訓それぞれの読み方・違う熟語でも書いてみる。
  • ・どんな場面で使えそうかを考え、表現力UP。

まとめ & 実践 TIPS

このように普段の学習を少し工夫し、お子さまの「楽しい」「おもしろい」「もっとやりたい」という気持ちを引き出すことが国語好きにつながります。「国語は楽しい」という気持ちをもつことができれば、文章を正しく理解したり、思考したり、表現したりする「国語力」が身につきます。
自分の考えを表現する喜びを通して、お子さまの国語に対する「好き」を伸ばしていきましょう。

株式会社プランディット 国語課 寺本(てらもと)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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