中学受験に向くのはどんなタイプ?我が子の特性の見極め方が知りたい
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「中学受験に向けて、もっと勉強してほしいのに!」、そんな焦りを抱く保護者のかたもいます。今回、「かおりメソッド」の提唱者で保護者に向けた家庭教育講座を開講している岩田かおりさんに、中学受験にはどのような子が向いているのかを聞きました。また、子どもと接するうえで大切なポイントについても合わせてお伝えします。
子どもの成長の芽を引っ張るのはNG
首都圏の保護者を中心に、中学受験に向けた相談を受けることがあります。「中学受験に間に合わせるには、どうやって我が子の学力を伸ばしたらよいか」などの質問を受けるのです。焦る気持ちはわかりますが、どのタイミングで力を伸ばすことができるかは子どもの個性によって異なります。保護者のかたが無理やり子どもの力を伸ばそうとがんばるものではないのです。
中学受験に間に合わせるためにお子さまを叱ったり注意したりすることは、せっかく種から芽が出たのにそれを引っ張ってしまうようなものなのです。
中学受験に適応できるか否かは、お子さまの精神年齢によります。興味がなく、精神年齢も育ってきていないのに、芽を無理やり引っ張れば、茎が伸びず花を咲かせることができなくなってしまう危険性すらあります。
中学受験といういっときのつまずきが、長い人生に大きな打撃を与えることもあります。保護者として最も大切なことは、子どもを守ること。子どものことを一番に考えて、中学受験をさせるかどうか考えていけるとよいでしょう。
中学受験は体験ではなく体系から学べる子ども向き
中学受験に向いているか否かは精神年齢によるとお伝えしました。その点をもう少し詳しくお話ししましょう。
中学受験に向いているのは、体系化された学習から学ぶことができる子どもです。読んで理解することができるなど、感覚的というよりは、頭で理解できる子が有利だといわれています。
一方で、体験から学ぶ子もいます。自分が見たもの触ったものを捉えて、それを学びにつなげられる子です。こうした子は自然の中で得た知識を友達に説明できるなど、体験を知恵につなげられます。
前者も後者も同じように物事を「理解」していますが、いまの入試内容ですと、体系化された学びが得意な子のほうが受験には向いています。
お子さまの特性に合うようならば中学受験に挑戦し、「まだ早いかな」と感じれば、3年後の高校受験に目標をズラすということも一つの考え方でしょう。お子さまがどのようなタイプなのかを見極めた上で、中学受験にチャレンジするかどうかを検討できるとよいですね。
「中学受験ありき」ではなく子どもの本来の力を信じる
私が多くの保護者のかたにお伝えしている「かおりメソッド」は、決して中学受験に対応させるための手法ではありません。「かおりメソッド」では、目の前の子どもをありのままに承認し、子どもたちの興味を大切に探究の機会を用意し、教科の学習にもつながるような学びの杭打ちをします。
これにより、子どもたちは学習へ前向きな姿勢を示すようになっていきます。結果、中学受験に前向きに取り組む子が多くいます。
(詳細は、ガミガミ言わなくても勉強する子になる!子どもを「学び体質」にするのは、「承認」と2つのステップ)
子どもたちは好きなことには没頭する力を持っています。ゲームやYouTubeへのみ注がれていた集中力が、「かおりメソッド」により国語、算数、理科、社会の分野へ注がれることで、結果的にググッと成績が伸びるようになるのです。
最近よく言われていることですが、社会の成熟期に入ったことで、よい学校から大企業に就職するのが「黄金のルート」ではなくなりつつあります。これからは、学歴や偏差値が高いからといって幸せになれる時代ではありません。
それよりも、自分が情熱を燃やせるものや没頭できるものを知っておくことのほうがずっと大切です。子どものうちから、自分がどのようなことに熱中できるのかを知っておくことができるとよいですね。
「中学受験ありき」ではなく、子どもの成長や関心に合った学びこそ重要であるとご家庭で意識していきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
お子さまの中学受験を視野に入れている保護者のかたは少なくありません。入試を意識するあまり、子どもの成績を上げようと必死になり、せっかく出た子どもの「芽」を摘んでしまう危険性があるのです。
中学受験は精神年齢が合致していないと、なかなかよい結果は生みません。また、体験ではなく体系から学べる子が向いています。
中学受験は一時のこと。お子さまに合っているのかどうかを見極めて、入試への挑戦を検討できるとよいですね。
承認、探究、学びの杭打ちのステップで、お子さまの本来持っている学ぶ力を伸ばせるようにすることが大切です。
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