通信制サポート校とは?通信制高校との違いは?メリット&留意点、選び方を解説
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最近目にすることも多い「通信制サポート校」とは、どのような教育機関なのでしょうか。通信制高校との違いがわからないというかたもいらっしゃるでしょう。
この記事では、通信制高校と通信制サポート校の違いや関係性、メリット・留意点から、選び方までご紹介します。
通信制サポート校とは? 通信制高校との違い
通信制サポート校とは
通信制サポート校とは、通信制高校に通う生徒に向けて、学習支援や心理面のサポートを行う教育施設です。通信制高校の卒業に向けて、次のようなサポートが行われます。
- 学習計画の作成
- 学習支援
- レポート作成の支援
- 個別カウンセリング
「通信制高校に通うのに、通信制サポート校にも通わなければいけないの?」と疑問に思うかたもいらっしゃるかもしれません。
通信制高校は、柔軟に自分のペースで学習を進められる自由さが魅力の一つです。その半面、自己管理が基本であるため、計画どおりに学習が進まないケースもあり、公立の通信制高校の卒業率は40%程度ともいわれています(※1)。そのため、スムーズに学習を進め、卒業できるよう、通信制サポート校で目的に合わせたフォローを受けるという選択が注目されています。
なお、通信制サポート校の入学には、原則として連携している通信制高校への同時入学が必要となります。通信制サポート校に入学した際は、普段の通学場所は通信制サポート校に。通信制高校に通うのは、基本的には面接指導(スクーリング)の時のみとなります。そのため、通信制サポート校は学習の場であると同時に、友達づくりの場にもなります。
通信制高校との違い
通信制高校は、毎日登校する必要がなく、自宅で学習を進めオンラインや郵送で授業やレポート提出を行うことで高校卒業資格を取得する学校です。
一方、通信制サポート校は、スムーズに通信制高校を卒業できるようフォローするための教育施設です。それぞれの違いを5つの観点で比較すると、次の表のとおりです。
通信制高校をめぐる現状
通信制高校に通う生徒は、年々増加しています。今や高校生の12人に1人は通信制高校に通っているという状況です。
また、通信制高校への進学背景にも変化が見られます。これまでは「仕方なく行く」という生徒が多かったものの、現在では併願校や第1志望校の位置付けで、積極的な理由で通信制高校への通学を希望する生徒も少なくありません。具体的な背景は、次のとおりです。
背景1:不登校児童生徒の増加ととらえ方の変化
通信制高校に通う生徒の増加には、不登校の児童・生徒の増加が影響しています。令和4年度には、不登校の中学生は約20万人に。17人に1人が不登校という状態にあり、潜在的にはもっと多く存在しているともいわれています。
また、平成28年度に成立した「教育機会確保法」を境に、不登校は問題行動ではないと明示されたことも影響しています。学校も不登校の生徒に無理に再登校を促すのではなく、フリースクールや通信制高校を積極的に紹介するようになりました。その結果、進学先として通信制高校を選ぶ生徒も増えてきたと考えられます。
背景2:一律の教育システムの限界
最近では、子どもの個性や多様性が尊重されるようになり、一律の学校教育システムでは、自分の状態や希望に合った教育が受けられないケースも生まれています。
その結果、学校に「行けない」のではなく、学校に「行かない」という積極的不登校も増加。一律の教育ではなく、個々人の状況に合わせて柔軟な教育を受ける場として通信制高校のニーズが高まっています。
背景3:社会やキャリアへの意識の高まり
社会が急激に変化するなかで、学校教育の場も、学力や知識の習得だけではなく、自分と社会とのつながりを意識することが求められるようになっています。学校は、卒業後に自分がどうなりたいのかを考える場でもあります。
自分のペースで無理なく学ぶことができる通信制高校は、学びに向かう力を育成しながら、生徒が自分や社会と向き合い、将来の夢を模索していくことができる場としても注目されています。
通信制サポート校のメリットと留意すべき点
通信制高校と通信制サポート校を併用するメリットと、留意すべき点を紹介します。
通信制サポート校に通うと費用や通学の手間はかかるものの、通信制高校の卒業に向けた支援に加え、キャリア形成や人間関係づくりなど、通信制高校に単独で通うだけでは得られないさまざまなサポートが受けられます。
通信制サポート校に通うメリット
1:学習を計画どおりに進めやすい
通信制高校は、単位取得の計画や時間割などを自由に決められる半面、生徒自ら学習の計画立案を行う必要があります。また、一律の強制的な時間割がないからこそ、計画どおりに学習を進めていくことが難しいこともあるでしょう。
通信制サポート校では、一人ひとりの目標や生活リズムなども踏まえて、無理のない学習計画を立てるところから、進捗の管理まで寄り添ったサポートを受けられます。通学することが難しい場合は、オンラインや訪問での指導や面談を受けられる通信制サポート校もあります。
2:学習面・心情面の不安を和らげることができる
学習や卒業への不安、人間関係などさまざまな悩みを気軽に相談することができます。不登校やいじめの経験など、個人が抱える背景も考慮したサポートを受けられるため、安心して高校生活を続けられるのも大きなメリットです。カウンセラーが常駐する通信制サポート校も少なくありません。
3:同じ境遇で学ぶ生徒同士の交流の機会が増える
通信制高校は、通学の機会も限られているため、生徒同士の関係を築きづらいという側面もあります。通信制サポート校に通学すると、同じ境遇で学ぶ仲間と交流を持つ機会にもなり、学習を進める励みにもなるでしょう。
4:通信制サポート校独自の学習支援が受けられる
教育事業を行っている企業が提供している通信制サポート校などでは、独自の勉強法などの学習データを活用したサポートが受けられることも。小中学校の学び直しから、大学進学を目標とした学習支援まで、目的に応じたサポートを受けられます。
5:夢や目標に合った専門知識が学べることも
通信制サポート校の中には、通信制高校卒業に向けた学習支援だけでなく、夢や目標に関する専門知識やスキルを学べるプログラムが準備されているところも。プログラミングやeスポーツ、音楽、ファッションなどが学べます。自分の興味関心に合っているので、学習意欲をUPさせることもできるでしょう。
留意しておくべき点
1:通信制高校とは別に学費がかかる
通信制サポート校に入学するためには、通信制高校とは別で費用がかかります。通信制高校は、就学支援金制度を利用することができますが、通信制サポート校は学校教育機関ではないため制度の対象外です。
ただし、通信制高校によっては学費に単位取得における授業料とは別で、学校が運営する選択コース(通信制高校の学習を支援するもの)の学費が含まれている場合もあり、合計すると通信制サポート校との併用と費用はほぼ変わらない場合もあります。
2:通学の手間がかかる
通信制サポート校は、週3~5回通学することも珍しくありません。生徒の状況に応じて、通学回数を調整することができるケースもあるものの、遠方の場合や登校に困難を抱えるケースでは負担に感じることもあるでしょう。オンラインや訪問での指導・支援の制度を設けている通信制サポート校もあるので、事前に確認できるといいでしょう。
3:通信制サポート校に通うだけでは高卒資格は得られない
高卒資格を取得するには、通信制高校の卒業が必要になります。通信制サポート校に通うだけでは、高卒資格は得られません。
また、通信制高校では「スクーリング(面接指導)」で登校しなければならないことがありますが、この点は通信制サポート校への通学で代替することはできません。
通信制サポート校の選び方
通信制サポート校は、次の3つの観点で選んでいくことがおすすめです。
1:希望する進路や夢に合ったカリキュラム
通信制サポート校ごとに、カリキュラムに特色があります。
たとえば、大学進学への支援に特色のある通信制サポート校では、学力向上から、志望大学選び、大学受験のノウハウまで支援を受けられます。また、プログラミングやeスポーツ、音楽やファッション、芸能などに特化したコースが設けられていたり、夢や自分のやりたいことを見つけることを手厚くフォローしてくれる通信制サポート校もあります。希望する進路や、興味関心に合った通信制サポート校を選ぶようにしましょう。
2:サポート内容
通信制サポート校では、卒業に向けた学習支援だけでなく、幅広い支援プログラムが提供されます。自分が求めるサポートが提供されるかを事前に確認しておくようにしましょう。サポートニーズとしては、次のようなものが挙げられます。
- レポート作成やテスト対策を支援してほしい
- 勉強内容だけでなく、勉強計画を立てるところからサポートしてほしい
- 不登校を経験したのでカウンセリングを受けたい
- 通学が難しいので、オンラインや訪問サポートも受けたい
- 大学受験に向けたサポートを受けたい
- 将来やりたい分野の専門知識も学びたい
- 将来やりたいことを見つけられるようなフォローがほしい など
3:通学場所
希望するカリキュラムやサポート内容を受けられる通信制サポート校でも、遠方だと通う負担が大きくなります。無理なく通える範囲に通学キャンパスがあるかをチェックしておきましょう。
万が一、近くにない場合は、オンラインスタイルでの通学の可否や、連携校のスクーリング会場がないかなどを確認してください。
2025年4月「Be高等学院」が開校します
2025年4月、ベネッセの通信制サポート校「Be高等学院」が開校します。ベネッセがこれまで培ってきた教育の知見と、一人ひとりの生徒に合わせた個別対応のノウハウに基づくサポートを提供。「自分らしさ」を伸ばし、自信に出合える高校生活をサポートします。
個別相談会や会場説明会は随時開催。詳しく知りたいかたはこちらをご覧ください。
(※1)
文部科学省/学校基本調査(令和2年度)
https://www.mext.go.jp/content/20210226-mxt_koukou01-000013082_04.pdf
(卒業率は在籍数(生徒数・途中入学者数)と卒業生数からの概算による)
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