【Q&A】大学入試の基礎知識 「大学入学共通テスト」とは? センター試験とどこが違う?

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「うちの子は『大学入学共通テスト』を受験することになるけど、今までのセンター試験とどう違うの?」

2021年1月から実施されている「大学入学共通テスト」。
保護者世代で受験した人が多い「センター試験」と似ているけれど、相違点もみられます。
早めに共通テストの特徴を知っておけば、お子さまが学習計画を立てる時などに的確なアドバイスを送ることができる
はず。
今回は、共通テストについて気になるポイントを、Q&A方式でお伝えします!

この記事のポイント

Q.「大学入学共通テスト」は誰が受験する?

A.国公立大の一般選抜受験者は必須。
私立大一般選抜や推薦入試でも活用される。

国公立大の一般選抜受験者は、原則として全員が1次試験で受験する必要があります。
また、多くの私立大でも共通テストを利用した入試を導入しています。
ですから、「私立大しか受けない」というお子さまも、共通テストを受験した方が合格のチャンスは増えます。
さらに、一般選抜だけでなく、推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)の合否判定に共通テストが課される場合もあります。
つまり、ほとんどの大学受験生にとって、大学入学共通テストはとても重要な試験なのです。

Q.入試日程・スケジュールは?

A.本試験2日間にかけて実施

共通テストは、基本的に2日間の本試験が行われます。
病気などやむを得ない事情で本試験を受験できなかった人は、追試験を受験することができます。

試験後は自己採点を行います。
国公立大を志望する人は、自己採点の結果をもとに「2次試験はどの大学を受験するか」を最終決定し、出願します。

2023年度の入試スケジュールは以下のとおりです。
例年大きくは変わらないため、1月中旬の土日に2日間かけて行われると知っておくとよいでしょう。
お子さまがまだ高1・2のご家庭でも、だいたいの日程を押さえておくと安心です。

※大学入試センター発表資料より制作

Q. 教科・科目数と時間割は?

A.受験する大学によって科目数が変わる
1日目に文系教科、2日目に理系教科の試験を実施

6教科30科目のうち、受験予定の大学が指定する科目を受験します。
特に理科は、事前に申請した、「A: 理科①から 2 科目」「 B: 理科②から 1 科目」「 C :理科①から 2 科目及び 理科②から 1 科目」「D :理科②から 2 科目」のいずれかのパターンで受験し、受験する大学によっては入試科目を限定する場合もあるため、科目の選択方法に注意が必要です。

また、地理歴史・公民や理科②で「2科目受験」をする場合、どちらの科目を先に解答するかも出願に大きく影響するため、確認が必要です。

時間割は、1日目に文系科目、2日目に理系科目の試験が行われます。
ちなみに2023年度本試験の時間割は次のとおりです。
休み時間が長いことや、終了が夕方になることなどを知っておくと、お子さまの体調管理や持ち物の準備に役立ちますね。

※大学入試センター発表資料より制作
※「倫理、政治・経済」は、「倫理」と「政治・経済」を総合した出題範囲です。
※理科①については、1科目のみの受験は認められません。(大学入試センター発表資料より)

Q.解答形式は?

A.すべてマークシート方式

共通テストの回答方式は、すべてマークシート方式です。
国公立大志望のお子さまは、自己採点した結果をもとに「どの国公立大に出願するか」を決めることになるため、マーク模試(共通テスト模試)などを利用して自己採点の練習をしておくよう、保護者の方からアドバイスしてもよいでしょう。

Q.求められる力や難易度は?

A.センター試験より深い理解が必要とされる

教科書を土台とした基礎・基本の知識や技能が問われるのはセンター試験と同じですが、共通テストでは、「知識を使いこなす力」も必要です。
たとえば、複数の資料を読み解きながら教科知識を応用して考察する問題や、理数教科でも読解力を問う問題が出題されています。
このような新しい傾向の問題を解くには、知識をより深く理解したうえで考えたり、判断したりすることが求められます。

「知識を使いこなす力」が問われるといっても、高校3年間で学習する知識・技能が重要であることはセンター試験と同じです。
そこに共通テスト対策としてプラスしたいのは、日々の学習の中で「なぜ?」「ほかには?」と疑問や関連知識を自ら調べたり考えたりする習慣です。
このような主体的な姿勢をお子さまが積み重ねていけば、入試に必要な「知識を使いこなす力」を着々と伸ばしていけます。
お子さまが知識を丸暗記しているのに気づいたら、「どうしてこの答えになると思う?」などと問いかけて、考えるきっかけを作ってあげるとよいのではないでしょうか。

Q.ほかにセンター試験との違いはある?

A.試験時間が変わる科目もあるほか、英語の出題内容などが大きく変化

センター試験からの変更点は次のとおりです。

●「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」の試験時間が60分→70分に変更

●「理科②(物理、化学、生物、地学)」の選択問題がなくなる

●英語の出題形式・内容に大きな変更あり
・「リーディング」と「リスニング」の2つになり、発音・アクセント・語句整序等の単独問題は廃止、設問文も英語に。
・リスニングの第3問以降が2回読みから1回読みに。
・「リーディング」と「リスニング」の配点が変更に。センター試験ではリーディング200点・リスニング50点だったのが、リーディング100点・リスニング100点の同配点に。
ただし大学ごとに入試でのリスニングの比重は異なる。

特に重要な変更点といえるのが、英語の出題形式や内容です。

共通テストではいわゆる「受験英語」ではなく、実社会で本当に「使える英語力」が求められ、リーディング(読む力):リスニング(聞く力)の配点比率が1:1に変わります(※大学ごとに入試でのリスニングの比重は異なります)。

またリスニング問題には、英語が母語ではない人の音声が含まれたり、一度きりしか読まれなかったりする問題も含まれます。

いずれにしても、共通テスト成功のためにはリスニング対策が受験生にとって重要なのは間違いありません。
ご家庭でも、日常生活の中で英語のWebサイトや動画・映画・洋楽などリアルな英語にふれる機会をつくり、お子さまが英語の音声になじむ環境を整えていくのがおすすめです。

共通テストの特徴を早めに押さえれば効率的な受験勉強ができる!

大学で学ぶための基礎力を問う大学入学共通テスト。

共通テストならではの特徴を知っておけば、「高得点を取るためにはどんなやり方で対策すればよいか」を逆算して、お子さまと一緒に学習計画を立てることができます。

国公立大志望のお子さまはもちろん、私立大や推薦合格を視野に入れているお子さまにとっても、希望の進路に進めるかどうかは共通テストの結果が大きく影響します。

保護者の方も共通テストの知識を身に付けて、お子さまの可能性が拡がるよう、バックアップしていきましょう!

※2021年度入試から、推薦入試は「学校推薦型選抜」に、AO入試は「総合型選抜」に、と名称や制度が変わりました。ここではわかりやすく両方合わせて「推薦入試」として紹介します。

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