出願準備は意外と大変!? 保護者が押さえたい注意点は?【大学入学共通テスト編】

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2025年度(令和7年度)の大学入試に向けて大学入学共通テスト(以後、共通テスト)の出願が近づいてきました。出願期間は9月25日(水)から10月7日(月)(消印有効)までとなります。その後、12月くらいから私立大、1月の共通テスト後からは国公立大の出願も始まります。
お子さまと一緒に大学受験を乗りきった保護者のかたからは毎年、「出願が思っていたより大変だった」「必要な書類をそろえるのに時間がかかった」といったご意見が寄せられています。
そこで今回は「共通テスト編」、次回は「国公立大・私立大編」と2回に分けて、出願にあたって押さえたいポイントや注意点をご紹介します。

共通テストでは、現役の高校生の場合、お子さまが通っている高校がまとめて出願しますが、志願票の記入はお子さまが行い、保護者のかたは検定料の払い込みなどをサポートすることが多くなっています。
そのため、共通テストの出願の流れや注意点はしっかり押さえておきましょう。

この記事のポイント

共通テストの出願の大まかな流れ

まずは大まかな流れを押さえておきましょう。
ここでは概略をお伝えしますが、詳しい情報は、大学入試センターのWebサイトでご確認ください。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/

1.「受験案内」冊子を入手し、検定料を支払う

出願の準備として、以下の手順で準備する

(1)「受験案内」冊子を入手する。

(2)検定料を払い込む。

(3)掲載されている「志願票」に受験教科の登録などのため必要事項を記入する。

2.必要書類をそろえて出願

現役生は「志願票」と「検定料受付証明書」を在学している学校に提出。
既卒生やほかの出願資格で受験する場合は、「志願票」と「検定料受付証明書」、「出願資格を証明する書類」を簡易書留で10月7日(消印有効)までに郵送する。

3.確認はがきが届いたら登録内容を確認

大学入試センターから確認はがき(出願受理通知)が10月25日までに届く。
現役生は、在学している学校に届く。
届いたら、受験教科などの登録内容に誤りがないか慎重に確認し、誤りがあれば「受験案内」冊子の内容にしたがって訂正することが必要。
訂正内容があれば、「住所等変更・訂正届」や「登録教科等訂正届」を11月1日(消印有効)までに大学入試センターに郵送。

4.受験票などの必要書類が届く

大学入試センターから、「受験票」と「写真票」、「成績請求票」、「受験上の注意」が12月16日までに到着。

それでは、出願のキモとなる、志願票記入までの手順を解説します。

(1)「受験案内」冊子を入手する

共通テストの出願は、現役の高校生の場合は学校がとりまとめて行い、受験案内も9月から学校経由で配布されます。
「受験案内」がなければ出願ができないので、お子さまに学校から配布されたか、確認するようにしておきましょう。

「受験案内」には、出願方法や日程、試験科目など、重要な情報が書かれています。手に入れたら、必ず目を通すようにしてください。

なお、「受験案内」は全国の高校で配布されるほか、大学入学共通テストを利用する大学の入試担当窓口で受け取る方法や、郵送してもらう方法もあります。
具体的な入手方法は、大学入試センターのWebサイトに掲載されています。

(2)期日までに検定料を払い込む

出願には検定料を払い込んだことを証明する「検定料受付証明書」が必要です。
「ゆうちょ銀行・郵便局の受付窓口」または「払込書裏面記載の銀行の受付窓口」で検定料を払い込み、「検定料受付証明書」に日附印を押してもらいましょう。
ATMでの振り込みはできませんので、上記金融機関の窓口が開いている時間帯に支払いに出向く必要があります。
証明書は志願票に貼り付ける必要があるのでなくさないようにしてください。

また、検定料は受験教科数によって金額が異なります。
3教科以上を受験する場合は18,000円(成績通知を希望する場合は18,800円)、2教科以下を受験する場合は12,000円(成績通知を希望する場合は12,800円)です。
なお、「地理歴史」と「公民」は2教科ではなく、トータルで1教科と数えるのでご注意ください。

(3)「志願票」に必要事項を記入する

受験科目が確定しないと、志願票に記入ができません。
出願期間までに志望大を決めて、必要な教科・科目を把握しましょう。

出願の際には、受験教科を事前登録する必要があり、その内容を「志願票」に記入することが求められます。
志願票の記入は、お子さま本人が読みやすい丁寧な字で記入しましょう。

ここで特に注意したいのが、「地理歴史」と「公民」については、現役生(新教育課程履修者)と既卒生(旧教育課程履修者)で記入内容が次のように異なること。

●新課程履修者(AかBのどちらかを登録)

A 新課程科目を1科目受験する
B 新課程科目を2科目受験する
なお、旧課程科目を受験することはできません。

●旧課程履修者(A、B、H、Kの中から1つ選んで登録)

A 新課程科目を1科目受験する
B 新課程科目を2科目受験する
H 旧課程科目を1科目受験する
K 旧課程科目を2科目受験する

「受験案内」冊子をよくご確認のうえ、志望する大学で課される入試科目とも照らし合わせ正しく登録しましょう。

なお「理科」は、現役生と既卒生で区別はありませんが、受験する科目数を選んで記入する必要があります。
たとえば「2科目受験する」と登録した場合、当日になって1科目のみを受験することはできないので、間違えないように記入しましょう。

記入が終わったら、志願票のコピーを取っておきましょう。
出願後、確認はがきが届き、記入内容に間違いがないか確認することができます。
その際に「こう記入したはず!」という思い込みは禁物。何を記入したのかを確認するために、志願票のコピーは必ず取っておきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

大学入学共通テストの出願は、大学入試に向けた重要な一歩。
大学ごとの出願も含めてスムーズに手続きを終えることができれば、大きな安心材料になりますね。
お子さまがベストパフォーマンスを発揮できるよう、ご家族でしっかりバックアップしてあげてください。

※令和8年度の大学入学共通テストより、出願が電子化されます。現役の高校生は在籍校経由ではなく、志願者本人がオンライン(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)で直接出願することになります。
詳しくは下記の大学入試センターのWebサイトより、「報道発表」から2024年9月6日「令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(令和8年1月実施)の出願手続きの電子化について【予告】」をご覧ください。
https://www.dnc.ac.jp/news_all/houdou.html

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