入試の情報が満載!大学入試要項はどこをチェックするべき?

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各大学の入試について情報を得たいとき、まずチェックするべきなのが、大学の入試要項です。

例年、6月初旬から7月末ごろにかけて、各大学の入試要項が発表され、ウェブサイトなどに掲載されます。

ここでは、入試要項をどのように読み取っていけばよいのか、ご紹介していきます。

この記事のポイント

入試要項の基本的なチェックポイントを押さえる

まずは、入試要項のチェック方法について見ていきましょう。

基本的なチェックポイントとして、以下が挙げられます。

・入試方式
国公立大で後期試験がなくなっている場合などがあるため、昨年と同じという思い込みは禁物です。

・入試科目と配点
配点の高いものを重点的に対策するのが、入試対策の基本です。お子さまの得意な科目があるか、配点はいくらか、などは押さえておきましょう。

・共通テストのリスニング・リーディングの配点比率
共通テストの英語では、リスニングとリーディングの試験が行われます。共通テスト上での配点比率は1:1ですが、大学によってこの比率を変えて扱う場合があり、対策に影響を及ぼします。

なお、私立大の一般選抜の入試方式は、教科数こそ「3教科型」が主流ですが、日程やその内容は非常にバラエティーに富んでいるため、必ずチェックが必要です。

私立大の入試方式には、「特定の科目の配点を高くする方式」「教科・科目数を1〜2に絞る方式」、共通テストを利用する「共通テスト利用型入試」、全学部・学科が同じ内容で、同じ日に試験を行う「全学部日程入試」などがあります。

「特定の科目の配点を高くする方式」や、「教科・科目数を1〜2に絞る方式」は、得意科目のあるお子さまには有利に働くように思われますが、その教科が得意な受験生が集まるため、ハイレベルな競争になりがちです
一方、教科・科目が多い場合、志願者数が少なくなる傾向のため、合格の可能性が上がる場合もあります。
教科・科目数だけに目を奪われず、お子さまの強みを生かせる入試方式かどうか、入試要項を見ながらチェックしましょう。

「共通テスト利用型入試」の場合は、共通テストのみで合否を判定する方式と、大学独自の入試も課す方式があります。
特に前者はお子さまの負担も減るので、積極的に検討してみるのもよいでしょう。
国公立大が第1志望大で、その受験科目と併願大の受験科目が共通なら、共通テスト対策がそのまま併願大の受験対策になるため、効率的です。

新課程入試ならではのポイントを確認する

2025年度入試より新課程入試がスタートします。
国立大の一般選抜では多くの募集単位で「情報I」が新たに課されるようになりますが、大学入学共通テストにおける配点比率は大学・学部によって異なります。
例えば、同じ工学部でも大学によってその比率はさまざまです。

2025年度大学入学共通テストにおける「情報Ⅰ」の配点比率例
京都大 工学部 情報学科…22%
埼玉大 工学部 情報工学科…11%
岡山大 工学部 工学科(情報・電気・数理・データサイエンス系)…5%

※2024年1月下旬時点の大学公表情報をもとに作成

お子さまが志望大に合格するために「情報I」の対策をどれくらいする必要があるのか、そのパワー配分を知るためにも、「情報I」の実施有無と配点比率は確認しておきましょう。

また、大学入学共通テストにおける地歴・公民の組み合わせにも注意が必要です。2025年度入試より地歴・公民は下記6科目になります。

2025年度入試からの地歴・公民
「地理総合、地理探究」
「歴史総合、日本史探究」
「歴史総合、世界史探究」
「地理総合/歴史総合/公共」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」

大学によっては「地理総合/歴史総合/公共」を選択できないケースもありますので、志望大の状況を確認しておきましょう。

入試要項や大学パンフの取り寄せは、保護者のかたもサポートを

お子さま自身が入試要項や大学パンフを調べ、取り寄せれば、お子さまの「◯◯大学へ行きたい!」という気持ちがより強くなるでしょう。

しかし、部活や勉強で忙しく、なかなかそこまで手が回らない、というお子さまも多いものです。
また、どんな大学がよいのかわからず、お子さまが悩んでいる、という場合もあるでしょう。

そうしたときは、保護者のかたが、大学の入試要項や大学パンフを取り寄せてもOK!

取り寄せた入試要項や大学パンフをお子さまと一緒に見ながら、「この大学ではこんなことも学べるんだね」「得意な教科が重視されているね」などと話してみてください。

進学後の楽しみや入試の様子がイメージでき、勉強へのモチベーションが上がることでしょう。

なお、入試要項や大学パンフは、時期によって昨年度の情報が掲載されていたり、急な変更が入り、改訂されたりすることがあります。
大学の公式サイトの受験生案内ページなどを見て、最新版かどうかチェックすることも忘れないようにしてください。

上手に関わることで、お子さまが100%の力を発揮できるように

入試要項は、入試方式や出願条件、日程など、入試に関する情報が網羅されている一方、しっかり読み込むことはなかなか大変です。

第1志望大だけでなく、併願大もあればなおさらです。

それだけに、「自分のことは自分でやってほしい」「私にはよくわからない」などと、完全にお子さま任せにしてしまうのではなく、お子さまが勉強に集中できるよう、保護者のかたも上手に関わり、お子さまをサポートできるといいですね

それが、お子さまの「ベストな受験」にきっとつながるはずです。

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