「電流」理科「電流」[中学受験]
問題4 |
断面積や長さの異なる9種類のニクロム線を準備して、以下の実験を行いました。各問に答えなさい。 【実験1】 断面積や長さの異なるニクロム線に1.5Vの乾電池(かんでんち)をつないで、電流を流したところ、右の結果が得られた。 問1 【実験1】で電流計を用いて電流を測った。電流計をどのように接続したか、次のア~エから正しいものを1つ選び、記号で答えなさい。ただし、●は電流計の赤い端子(たんし)を表している。 【実験1】と同じニクロム線を使って、いろいろな回路を作り、実験を行った。ただし、ニクロム線の断面積や長さは、(例)のように表す。 問3 断面積小、長さaのニクロム線を2本並列につなぎ、図1のように1.5Vの乾電池につないだ。図1のA点を流れる電流と等しい電流を、ニクロム線Xを1本だけ使って、図2の回路のB点に流したい。ニクロム線Xとして正しいものを次のア~カから1つ選び、記号で答えなさい。 (早稲田中 2005年・第2回) |
<問題4 問1の考え方と答え> |
電流計のつなぎ方を問われていますよね? ポイントは、 ・回路に直列につなぐ ・電流計の+の端子(赤い端子)を、乾電池の+極につなぐ この2点です。 |
<問題4 問2の<1>の考え方と答え> |
<問題4 問2の<2>の考え方と答え> |
長さa(8cm)のニクロム線で見てみましょう。 断面積が6.3 mm² から12.6 mm² (2倍)になると、流れる電流の大きさは、0.03Aから0.06A(2倍)になり、断面積が18.9 mm² (3倍)になると、電流は0.09A(3倍)になっています。これは比例の関係ですね。 |
<問題4 問3の考え方と答え> |
長さが同じニクロム線を並列につなぐと、2つのニクロム線の断面積を合わせた、太いニクロム線1本とみなすことができます。 これは知識として覚えておいてください。 イメージしにくい人のために、「かまぼこ」でお話ししますね。 長さが同じ「かまぼこ」の底面の部分を合わせると、太い「かまぼこ」になりますよね?(笑) そんな感じです。 だから(小・a) 2つを並列に並べると、6.3 mm² の2つ分、つまり12.6 mm² の断面積の(中・a)と置きかえることができます。 |
<問題4 問4の考え方と答え> |
断面積が同じニクロム線を直列につなぐと、どうなると思いますか? さっきの発想で考えてみましょう。 そうです! 2つの長さを合計した1本のニクロム線と同じになります。 だから、(中・a)+(中・b)は? 8 + 16 = 24(cm)の(中・c) と同じ になりますね。 表から、図3のC点に流れる電流の大きさは、0.02A だとわかります。 では、図4の回路全体に流れる電流は? ニクロム線が(小・c)だから、表から、0.01A だとわかります。 ですから、図3のC点には、図4の2倍の電流が流れています。 |
<問題4 問5の考え方と答え> |
これは問4がヒントになっていますよ。理科も算数と同じように、大問の中にいくつかの小問があるときは、先の小問がヒントになっていることがあります。 考えに行きづまったら思い出してね。 図3の回路で0.02A の電流が流れているので、点線のボックスの中がニクロム線(中・b)1本と置きかえられる組み合わせをさがせばいいね。 ちなみに解答例のつなぎ方だと、どのニクロム線1本と置きかわるか?考えてみましょう。 上の例とは逆の考え方ですね。 まとめると、こうなりました。 このほかにも、いくつかのつなぎ方が考えられますね。 まとめると、次のようになります。 ほかにもあるので、考えられる人は挑戦(ちょうせん)してみましょう。 |
以上で、今回の「電流」はおしまいです。どうでしたか?
1問1問ゆっくり考えたら楽しくて、得意単元になりそうな気がするでしょ? この際、「ぼくは(わたしは)電流が得意なんだ!」…と、宣言(せんげん)しちゃいましょう。何度かくり返し解いてみて定着させようね。
合格総理大臣 ミスター・ツカム