模試の結果をどう役立てる?[中学受験 6年生]
夏休み明けにお子さまが受けた模擬試験の成績表が返ってきている頃かと思います。
合格可能性の数値が思ったほど伸びず、がっかりされているかたも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、模試の成績表の見方と、今後の学習への役立て方についてお話しします。
合格可能性は「50%」をひとつのめやすと考えて
実はこの時期、模試の偏差値や合格可能性の数値は低めに出ることが多いので、あまり落ち込む必要はありません。
その理由としては、子どもたちが入試形式の総合問題を解くのに慣れていないこと、模試の問題そのものが、子どもの9月現在での学力をみるには難易度が高くなりがちなこと等が挙げられます。模試は結果を気にするより、今後の課題発見のためのツールと位置付けましょう。
尚、合格可能性の数値は50%をひとつのめやすと考えてください。
50%では低すぎて安心できないと感じるかたも多いかもしれませんが、通常、合格者のボリュームゾーンは合格可能性50~55%であり、秋の時点で50%が取れていれば「合格ラインに達している」ことがわかります。逆に、受験校を絞り込む際は「合格可能性50%以上を取れるのはどんな学校があるか」というふうに探すとよいでしょう。
また、第一志望校の合格可能性が40%台でも、秋以降に伸びる子が多いですから、まだあきらめる必要はないと思います。併願校を慎重に検討しながら対策を立てましょう。
志望校の出題傾向とすり合わせて優先順位をつける
模試の問題は、必ずしも第一志望校の出題傾向に合っているとは限りません。志望校の出題傾向とすり合わせて、取り組むべき単元の優先順位をつけることが大切です。「出ない問題はできなくてかまわない」と単純化して考えてください。
まず、受験する学校の過去問題を5年分くらい見て、出題されている単元とその難易度をざっとチェックします。その上で、模試の判定結果を見て、受験校で出題されているのに点が取れていない単元から、優先的に取り組むようにしましょう。出題傾向の分析に自信がもてなければ、塾や家庭教師の先生に「こんなふうに分析したのですがどうでしょうか」と相談してみるとよいですね。受験校では出題されそうにない難問にも、取り組む必要はありません。
入試本番が2月初旬とすれば、あと120日余り。ここからは時間との勝負になります。保護者のかたがやるべきことを整理し、お子さまの負担を軽くしてあげてください。やみくもに問題数をこなすより、優先順位の高い単元を確実にできるようにすることが大切です。
(筆者:森上展安)