教室の机はきれいに整っている? 高校見学で見るポイントを専門家が解説
そこで、ベネッセ教育情報サイトでは、高校入試に詳しい安田教育研究所の安田理氏に、これらに参加する時のポイントについて解説してもらった。
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子どもと保護者のかたでは、見る観点が違いますので、二人で行くのがいいですね。関心のある学校の催しには早めに予約を入れておきましょう。また、できれば第二志望、第三志望校もこの時期に見ておくことをおすすめします。
第一志望1校だけだと、客観的に見ることが難しいためです。他の学校も見ることで、第一志望校のよさを再認識したり、逆に、考え直すべき点を発見したりするケースがよくあります。授業見学や授業体験の場合は、先生と生徒の言葉遣いや距離感、質問に対する先生の答え方やアドバイスの仕方などに注目してください。校舎内を歩いて見学できるなら、校舎の新しさや立派さだけでなく、雰囲気を見てください。机がまっすぐに並べられ、掃除が行き届いているとか、雑然としているけれど活気があるとか、教室を見てわかることもあります。それらはその学校の校風や文化の表れです。
子どもの第一志望校の志望理由のうち、多いのは「部活体験で、先輩が優しくしてくれたから」というもの。しかし、「優しくしてくれた」という「体験」は、あくまでもその時だけの「体験」です。その部が週何回活動しているのか、試合やコンテストの実績、運動部ならレギュラーになれそうかどうかといったことも確認しておきましょう。強豪チームという環境に身を置くことで人間的に成長していく子どももいます。体験の手ごたえと、客観的な情報をもとに、入学後の生活を想像してみることが大切なのです。
「この学校に行きたい!」という思いを抱くと、子どもたちの勉強への意欲は明らかに変わってきます。夏休みに志望校を見学すると、目標がぐっと具体的になるのです。保護者のかたは、我が子を伸ばしてくれそうな環境を自分なりの観点で見極めるとともに、子どもの中に生まれつつある目標や意欲を見守り、サポートしてあげてください。