適性検査・受検対策
適性検査対策は教科書だけで大丈夫?
Q | 適性検査の問題は、私立中学入試の問題や、小学校のテストの問題などとはかなり違っていると聞きました。公立の学校に入るための問題なので、小学校の教科書をしっかり勉強しておけば解くことはできるでしょうか。適性検査ではどんな問題が出て、それを解くために家庭ではどんな勉強をすればいいか、教えてください。 |
A | 適性検査問題の出題範囲は、小学校の学習内容からと決められています。しかし、ただ知識があるだけでは解けない問題が多いのです。例えばある県では、電話をかけてきた人に地図を見ながら家までの道順を教える問題が出されました。この問題を解くには、社会科で学習する地図記号などの知識が必要です。さらに、電話でも伝わりやすいように目立つ建物の角で曲がる道を選んだり、相手がお年寄りなら坂道は避けたりと、想像力を働かせなければなりません。また、環境問題について、自分ができることを考えて書く問題や、学校周辺の地域に関連して、問題意識や自分の考えを書く問題も目につきます。 それには理由があります。公立中高一貫校が設立されたねらいは、自分の住んでいる地域や世界について問題意識をもち、どうしたら解決できるのか自分の頭で考えられる子どもを育てることです。そのため、適性検査の問題もそうした力や資質を見るものになっているのです。 こうした問題を解く力は、机の上で教科書や参考書とにらめっこするだけではつきません。また、必要なのは知識の量ではなくそれを使いこなす力ですから、出題されそうな問題をたくさん解くだけでは十分ではありません。 それよりも有効なのは、家族の間で豊かなコミュニケーションをもつことです。例えば、食事の後片付けをしながら汚れを洗った水が川に及ぼす影響について話をしたり、テレビで災害のニュースをやっていたら、被害を少なくするために普段からできることを考えたりするのです。地域の行事やボランティア活動に家族で参加するのもいいでしょう。 このような機会を通じて、知識を使いこなす経験が積まれ、問題意識が育ちます。それが適性検査に対応する力につながりますし、適性検査に限らず、お子さま自身のこれからの人生にも役立つのです。 |
文章を書くのが苦手な子どもの受検対策は?
Q | 息子は小学6年生です。4月に転勤先から戻ってきたら、公立中高一貫校が話題になっていて、初めて知りました。私立の受験は関心がないのですが、公立中高一貫校は受けさせてみようかと思っています。学校の成績には問題ありません。いまからで間に合いますか? 具体的には、何をしたらいいのでしょうか? 本人は、文章を書くことがやや苦手なようです。 |
A | ご質問ありがとうございます。いまからでも十分間に合います。文章を書くことが苦手ということでしたら、毎日、新聞からニュースの1つの記事について、最初は5W1H(Why=なぜ、What=何、Who=誰、Where=どこ、When=いつの5Wに、How=どうやっての1Hを加えたもの)に着目して要約の練習をしてみましょう。それができるようになったら、それにプラスして、自分の意見と根拠を書く練習をしてみてください。 なお、学校の成績に問題はないとのことですが、本当に理解しているかを一度確認してみてはいかがでしょうか。たとえば、分数のわり算がどうしてかけ算になるのかを、文章や図で説明することができるでしょうか。水の三変化については過去の適性検査で出題されたことがありますが、変化する理由だけでなく、その三変化の事例を2~3個挙げることはできるでしょうか。「意味の理解」と「それを生活につなげること」が、どれくらいできているかを見直してみてください。適性検査で求められる「豊かな体験」は、学校で学んだことが、具体的に生活とリンクできているかどうかで評価されます。環境やリサイクルの問題で自分の実践例を聞かれることがあるので、日常生活でどんな実践をしているかも大切です。 |
報告書は地域や小学校によって有利・不利がある?
Q | 受検したい学校は、昨年度から面接がなくなりました。面接がないということは、小学校の報告書で左右されるのでしょうか? 報告書は、住んでいる地域や、通っている小学校による有利・不利があるのでしょうか? |
A | ご質問ありがとうございます。もしも、小学生としてふさわしくないと判断される生活態度や学習態度(遅刻が多い、宿題をまったく提出しない、など)が顕著なら問題ですが、そうでなければあまり心配する必要はありません。絶対評価なので地域や学校格差もないはずです。地域によっては、教育委員会や公立中高一貫校が各小学校に評価の基準を説明し、学校による評価のブレが生まれないようにしているところもあります。応募が殺到した場合は適性検査に先立って書類審査をおこなう学校もありますし、やはり日頃からの学習と積極的な学校活動が大切なことには変わりありません。 |