新小4生の受験準備 好きな習い事は勉強と両立させてと専門家
中学受験を検討している新4年生の保護者の中には、「塾や勉強時間を確保するために、習い事をやめさせたほうがよいのでは?」と悩み始めたかたもいるのではないだろうか。この春進級した新4年生を対象に、勉強時間の確保や、受験準備を始めるにあたっての環境整備について、森上教育研究所の森上展安氏に伺った。
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結論からいえば、本人が熱心にやっている習い事は、今やめるのはもったいないです。4年生の段階なら、たいていの塾は週2回ですし、まだ授業も比較的やさしいですから、できれば習い事とは両立させていただきたいと思います。
ひとつ得意技を持っていると、勉強にも非常に役立ちます。新しいことを学んでも、「これはサッカーでいえばフェイントの練習に似ている」とか、「この文章は、ピアノでいえばこんな感じ」とか、特技に引きつけて自分なりに考えることができます。何より「これが好き!」「得意!」という気持ちは自信の源になります。「好き」はすべての原動力。子どもの好きな習い事は、ぜひ続けさせてあげてください。
3年生までは、自宅学習といえば学校の宿題程度で、遊びや習い事が生活の中心だったと思います。「受験勉強」というのは子どもにとってまったく初めての体験で、保護者が経験してきた高校受験や大学受験と同じようにとらえては、子どもに無理がかかります。
子どもは、楽しいことなら夢中になり、嫌いなことはまったくやりたがりません。その子どもらしさをむしろ利用して、「好き」「得意」を増やしてあげましょう。たとえば、おもしろい図鑑や事典の類をそろえて子どもの興味に応えること、テスト勉強を一緒にやってできるだけよい点をとらせることなどを心がけましょう。「できた!」という達成感は「好き!」につながります。さまざまな「好き」「得意」を見つけ、のびのびと成長していけるよう、環境整備をしてあげることが、この時期に大切なことなのです。
出典:どうする? 勉強のスケジューリング[中学受験 4年生] -ベネッセ教育情報サイト