生徒のコトバを伸ばす「教員文化」[中学受験]

悪い言葉を好んで使ったり、ボキャブラリーが貧困であったりする一般的な「生徒文化」の風潮に抗していくのは案外難しいものだ。

それよりむしろ、生徒たちが得意な、テレビ・インターネット・携帯電話といったビジュアル媒体のリテラシーをいかに活用するか、という方向で「生徒文化」を方向付けたほうが現実的であるように思う。

では、豊かな感情表現、機微をつく美しい言葉、卓抜な論理力というような高いコトバ文化を享受を期待することは難しいのだろうか。

思うに一つの可能性としては、「教員文化」のもつ感化力が挙げられるだろう。

たとえば正岡子規も通った開成高等学校は、四国・松山で行われる俳句甲子園で毎夏上位入賞し、たびたび優勝もしている。

それには、生徒の精進がもちろんあるのだが、教員はといえば、学校行事の行き帰りの車中などで生徒を巻き込んで句会を開くなど、粋な伝統がある、と聞く。

つまり、「生徒文化」でない「教員文化」が、その巻き込む力をもって、生徒の俳句の力を高めていっているのだ(「学校文化」のなかに入れてもよいのだけれども、より明確に言えば)。

もとより、遊びながらの学びであるにもかかわらず、それでいてきちんと「評者」もたてているというから、授業ではないとはいえ、他の生徒の句を評価することで、鍛えている面もある。

また同校では、教員がオーケストラを楽しんでいて、こちらでも生徒を巻き込んでいるという話を聞く。

思春期の子どもには、家庭の影響力はあまり発揮できない。
したがって、「生徒文化」に介在できるような、「教員文化」をもった学校を選ぶことができれば、思春期の子どもに良い影響が与えられるということになる。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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